明日は立夏、暦の上でも夏を迎えます。桜花が去るやいなや新緑が萌え出で、百花繚乱の時をも迎えました。皐月の爽快な空気に触れると、五感がうち震える季節を再び迎えられた喜びが溢れます。
今春に経験した大地震は、あることが当たり前であった事柄を私たちが見直す契機となりました。大災害の跡を見るたびに、そこに宿る人の思いをひしひしと感じずにはいられません。今生きている私たちは生きる喜びを素直に享受し、そして子々孫々に遺すべき社会を再び築きあげていきましょう。
花々を一斉に開かせた初夏のこの青空は、かつての予科練生が大志を抱いて駆け巡った空と変わらないのかもしれません。はるか昔に、美しい月を見て思いのつながりを恋人たちが信じたように、この蒼空を仰ぎ見る私たちに、先人たちの真摯にして熱い思いが降り注ぐことを信じたいと思います。
花咲くとき、それは心を鎮めるとき。また、生きるものが動き始めるときです。
花々と緑に囲まれた当記念館へのご来館を心よりお待ちしております。