みなさんこんにちは(^^)/
館内から見える霞ヶ浦の上には、銀灰色の雲がゆっくり流れていて、
夏には青々とした大きな葉っぱが揺れていたハス田には
茶色く枯れて折れた茎がさくさくとささっています。
冬の霞ヶ浦は旅情を誘いますね。
さて、現在館内のあちこちにはこのようなものが置かれています。
これは、あの茶色くてつやつやしていて、長い触角でカサカサ動く、
いわゆるGに入っていただくものに似ていますが、それ用ではありません。
館内の資料に害を与える虫が入ってきていないか、
どんな経路でどんな虫が入ってきているかなどを調査するためのものです。
現在予科練平和記念館では、館内の環境調査をしています。
これ以外にも、サーモグラフィーで建物に隙間がないかどうかや、
「虫の目カメラ」というもので、虫が好む光を出していないか、などの調査をしました。
多くの博物館、美術館でも、館内に侵入してくる虫などの対策には頭を悩ませています。
小さな虫を完全に防ぐのは不可能に近いことですが、進入経路を
調べて、なるべく入ってくるのを防ぐように努力しています。
予科練平和記念館でも、お客様に展示室内でのご飲食をご遠慮いただいて
おりますが、これも虫の侵入や繁殖を防ぐ目的もあってお願いしております。
こうした調査用のトラップを設置してから1週間以上過ぎました。
毎日、ちょっとこわいながらも何がいるかチェックしていますが、
入り口付近にはいわゆるゲジゲジがかかっていました。
細長い体に足がたくさんある虫で、インターネットで調べてみると、意外なほど高速で
走り回ると出ています。
・・・ゲジゲジ・・・おそろしい・・・。
想像するだけで体温が下がります。
寒くなるような話ついでに開館から今までのことを振り返ってみると、
ちょっと背筋が凍る侵入者がいたことがありました。
ある日の朝、スイッチを切った状態で記念館の入り口の自動扉を開けるため
(つまり開けっ放しにするため)玄関先へ向うと、
自動扉の内側に細くて長いへびが・・・。
小さなへびだったので、多分入り口の隙間から中に入り込んでしまったのでしょう。
スリムでとてもきれいな姿をしたそのへびには、黒目がちでつぶらな瞳だし、
小顔だし、と、かわいい要素はたくさんありました。
しかし、それよりも何よりも、人間はへびに危険を感じる情報が本能に刷り込まれて
いる、という説は本当なのだなと思いました。
息をのんで固まる私。
つられて固まるへび。
ほかの職員が休みの日だったので、誰にも助けを求めることができません。
入り口扉を開けて事務室へ逃げ込みました。
しばらくたって、もういないかもしれないという希望的観測で事務室を出ると、
なんとこちらに向ってそろそろと進入してくるへびが!
へびもこわごわ進んでいるらしく、ちぢれたらーめんのように
細かく波打っています。
もはやこれまで!と思ったとき、タイミングよく保守点検の業者さん(男性)が
にこやかにやってきました。
私「すいません・・・ちょっとお願いがあるのですが・・・へびを外に出してください・・・( iдi )」
業「えっ?へびですか?!!(へびを見つけ)うぉっ!!!Σ( ̄ロ ̄lll)
・・・私へび苦手なんですよ~」
私「そこをなんとか・・・ 」
業「・・・わかりました・・・。じゃあ道具を取ってくるんで、ちょっと待っててください・・・(´Д`;)」
余計な仕事を頼まれてしまった業者さん。
ほうきを手に戻ってくると、「うわっ!」「ほわぁっ!」と言いながらへびを
外に掃きはじめました。
あきらかに腰が引けています。
うねうねしながら掃かれていくへび。
格闘すること約2分(?)。
業者さんのひときわ大きい「わぁぁぁ~!」という掛け声とともに、
まるで氷の上をすべるカーリングの石のように、へびはしゅるしゅるしゅる~っと
遠くへ掃き飛ばされていきました。
一仕事終えてほうきを手に帰還する業者さんのバックには、エアロスミスの
「I DON’T WANT TO MISS A THING(邦題:ミス・ア・シング 映画「アルマゲドン」
主題歌)」が流れているようでした。
勇敢な一人の男の活躍で、今日も地球の平和が保たれた、という感じです。
開館していく中には、いろんなことがありますね。
調査は今月下旬には終わりますが、調査結果をもとにして
よりよい展示環境づくりをしていきたいと思います。