予科練平和記念館の桜が満開になりました。
咲いて間もなく散ってしまう桜は、「散る桜 残る桜も散る桜」と言われ、予科練出身兵士の辞世の歌に数多く詠まれています。
親を帷(おも)ひ 国を憂ふる心あらば 身を桜花(おうか)となりて散りゆかん
谷暢夫さん(甲種10期)が、家族への最後の便りの中に残した歌です。谷さんは、最初の神風特別攻撃隊敷島隊員として昭和19年10月フィリピン沖で戦死。20歳でした。
4月の町職員の人事異動では、当館の職員に異動はありませんでしたが、予科練歴史調査委員会の井元潔委員が3月末で退任されました。
予科練歴史調査委員会は、予科練を主体とした戦史に関する資料の収集や調査、研究などを行っており、4名の歴史調査委員が従事しています。
井元潔さんは、平成12年から予科練史編纂委員、予科練平和記念館資料収集委員、予科練歴史調査委員を歴任されました。開館前から資料収集や調査研究に熱心に取り組んでいただき、予科練平和記念館の設立にご尽力いただきました。
調査・研究の成果として、これまでに発刊した「阿見と予科練」、「予科練ものがたり」、「続・阿見と予科練」、「海軍航空隊ものがたり」、「予科練いろはカルタ」の編纂に携わっていただきました。また、4月に発刊する「戦後70年記念特集『あの日あの時』」は、井元さんがリーダーとして編纂されました。
長い間のご労苦に感謝申し上げます。
平成27年度(H28年3月末まで)に来館された方は6万1千人を越えました。
開館初年度の7万6千人余りに次ぐ来館者数となりました。誠にありがとうございました。
新年度は企画展・所蔵資料展、講演会などを実施するとともに、展示内容の充実を図ってまいります。また、いろいろな特典を盛り込んだ「友の会」会員を募集する予定です。
4月23日に、「平和のおはなし会」を開催します。元広島市長の秋葉忠利氏による講演、加奈さんの朗読会、茨城大学紙芝居研究会による紙芝居など盛りだくさんの内容です。
皆様のご来館をお待ちしております。