梅が見頃を迎えています。
麗らかな好天気の中に生きられる時がまた巡ってきました。春に背を向けるような寒気にびっくりさせられる時もありますが、それももはやご愛嬌と考えられるほど「春」になりました。
さて、すっかりご報告が遅くなりましたが、新春から予科練平和記念館は続けて吉事を迎えています。
1月25日(日)には、来館者30万人目のお客様をお迎えすることができました。その記念すべきお客様は宮川きよみさん、翔太さん親子です。
宮川翔太さんは土浦市内に住む専門学校生で「戦争体験を語り継ぐ」というテーマで研究し、ホームページなどのコンテンツ作成に取り組んでいるということです。
戦争体験者や戦争があった時代を生きた方々と、宿命的に生死の別れを重ねていかなければならない現在、過去を学び、戦争のない社会作りについて深く考えてみようという宮川さんのような若者がいることにたいへん勇気づけられます。
戦争が終了したのが1945年です。ですから70歳になろうという、人生の大先輩でいらっしゃる方々も戦争体験はないことになります。こうした時代が到来したことに危うさを覚えることは、むしろ自分たちの未来を明るくするものではないでしょうか。
予科練平和記念館にとって記念すべきお客様となった宮川翔太さんは成人となった「大人」ですが、これからの日本を背負って立つ若者です。多くの若い方に予科練平和記念館を訪れていただき、何か気付く、そうした場として活用いただければ、なにより戦陣に散った予科練生たちが胸をなで下ろすのではないでしょうか。
セレモニーが終わった直後、藤枝(静岡県)からご来館下さったお客様にも記念撮影をさせていただきました。
来館者30万人目のお客様をお迎えしてまもなくの2月2日は、予科練平和記念館開館5周年記念日でした。
記念日当日の最初のお客様は田島敦さん、行方市からお越し下さいました。記念館恒例のくす玉割りをしていただき、認定証をお渡しするとたいへん喜んでくださいました。予科練平和記念館にとっても、たいへんありがたいことです。
田島さんはもう数年で還暦をお迎えになる方ですが、社会の重しになっていただくべき方にご来館いただくことも、先の宮川さんのような若者にご来館いただくこととはまた別の、重要な意味があるように思います。
なにやら世界的に不穏な空気が流れ始めているような気がします。
私たちは、何をすればよくて何をしてはいけないのか、もう既に分かっているはずです。分かっていることを単純に実現することが難しいことは歴史が証明しているわけですが、悪しき輪廻を断つ、という新しい歴史を作る一人一人に、これからを生きる私たちは是非ともなろうではありませんか。