ロンドン五輪が始まりました。開会式はたいへん華やかでした。
アトラクション中「平和の象徴」鳩に扮した人たちが自転車に乗り競技場に入ってきましたが、オリンピックは平和の祭典であることを忘れてはなりません。人間は優劣を争いたがるものです。しかし、命のやりとりをするのではない、ルールに則り「競争」するスポーツというものは、これからの人類にとってもきわめて重要でしょう。高度な技術をもつ人たちにとって、スポーツもまた綺麗事ではすまない世界なのだと思いますが、真からの感動を味わえる瞬間に多く立ち会いたいものですね。
ちなみに日本とロンドンには約8時間の時差があるようです。日本の朝はロンドンの夜、つまり日本の夜はロンドンの昼間ということです。なんと、昼間ふつうに働いている私たちもテレビ観戦が出来るではありませんか。たいへんありがたいオリンピックです。
ロンドン五輪が開幕する前に、こちら予科練平和記念館では特別展「回天」が7/21(土)から開幕しています。
先回のブログでは、回天記念館の入口までご紹介しました。今回はその続きを。
回天記念館の入口を入るとすぐ右に受付があり、ここから観覧が始まります。それほど大きな空間が広がっているわけではありませんが、ぐるっと一周する間に、回天の誕生から訓練・出撃と、回天による特攻作戦の全てがわかる展示になっています。
茨城を含め関東地方からは遠い山口県ですが、美しい瀬戸内の海を見るだけでも価値があります。そして回天の故郷・大津島へも是非渡航して、必死を覚悟した回天隊員の心の拠り所となった島の風景も目に焼き付けてほしいと私は願っています。
今回、予科練平和記念館で「回天」展を開催するにあたっては、山口県周南市教育委員会、および回天記念館の方々のご厚意を得て、通常なら回天記念館に展示されている資料もお借りすることが出来ました。お世話になった皆様に、ここに改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、大津島からそのまま場を移して、というわけにはいきませんが、これから当予科練平和記念館の「回天」展をご紹介していきます。
今回の展覧会の目玉の1つは、実物大回天模型およびコックピットを展示しているところです。
これは、平成18年(2006)にTBS系列で放映された2時間ドラマ「僕たちの戦争」収録に使われた模型です。その大きさを実感していただくとともに、コックピットを覗いていただいたら、直径約1メートルという非常に狭い空間に身を置き覚悟を決めた搭乗員の心を想像してほしいところです。
今を生きる私などがそのまま当時の薄暗い回天の中に収まったなら、訓練・攻撃どころではなく、気が狂ってしまったのではないかと思うことさえあります。