寒中お見舞い申し上げます。
「寒いなぁ」「寒いわねぇ」という朝の挨拶は、今年の寒さを如実に表していたことがわかります。10年に1度とも、20年に1度とも言われる寒波が日本上空にやってきているとのこと。風が強い日には、耳がたちまちに切れそうな感じさえします。
インフルエンザもこの寒さに乗じて暴れ回っている様子。今年は(今年も?)大流行のようですが、私たち人間も、毎年様々に試されていると言えそうです。
しかし、雪国に住む方々がたいへんなご苦労をされていることを考えると、乾燥していようが風が冷たかろうが、予科練平和記念館のある阿見町に雪がないことはやはり幸運と言わなければなりません。
この寒さを知る手掛かりは天気予報ばかりではありません。
私が毎朝通る道からも霞ヶ浦を眺めることができます。予科練平和記念館は「阿見坂下」に位置しますが、「阿見坂上」にやって来ると霞ヶ浦が見えてきます。この水の色で私は寒さなどを知ることができるのです。
霞ヶ浦は、まるで喜怒哀楽を天真爛漫に表すかのように色を変えて見せます。暖かい日差しが降り注ぐときは青く、寒いときには鶯(うぐいす)色に、ひとしきり雨が降ると土色に変わります。
本当に霞ヶ浦は心をもっているかのようです。また「晴れていても人の心は曇り」などと言われるように、自身の気持ちの有り様を確認させてくれる鏡でもあるようです。
霞ヶ浦を控える阿見町には、水陸両用の訓練が行える場所ということで、かつて霞ヶ浦飛行場が開設され、海軍航空隊も置かれました。予科練は初め横須賀で始まりましたが、最後は霞ヶ浦湖畔の土浦海軍航空隊が母なる土地となりました。霞ヶ浦は大きく水をたたえるその存在感ゆえに、人間の営みをこれまた大きく引き寄せ続けているのです。
このたび、阿見町のプレミアムアウトレットから一直線に霞ヶ浦湖畔の国道125号線まで出られる県道が開通しました。島津、という土地に出てくるのですが、その途中からも霞ヶ浦がよく見えるようになります。
予科練平和記念館へは突きあたりのT字路を左折してください。霞ヶ浦が湖畔に打ち寄せる片男波を目に入れ、また筑波山を仰ぎ見ながら5分ほどで、当記念館に到着いたします。
皆様のお越しを、心よりお待ちしております。