おはようございます。こんにちは。もしくは、こんばんは。
12月に入り朝霜が本格的に降りはじめ、予科練平和記念館の周りも冬の到来を感じています。
茨城では今年の初霜は、例年より一週間ほど遅い11月の中旬に降りたそうです。11月の旧名は霜月ですが、名前のとおり初霜は11月初旬に降りているようです。
冬の到来を霜が降りることで感じる方もいらっしゃると思いますが、先月の当ブログのエントリで「秋が到来」と書いた時点では霜も降りておらず、まだまだ晩秋という風情でした。
一ヶ月たった今の情景と寒さをみるとウソのようです。
12月は手紙を書く際の冒頭にある時候の挨拶に、「霜気の候」、「霜寒の候」、「霜夜の候」などと表されます。
初めて霜が降りるのは11月ですが、やはり霜の冷たさ、冬の冷たさは12月に入って実感されるのかと思います。
さて話はがらりと変わりまして、今回は予科練の部隊と関わりの深い「霞ヶ浦海軍航空隊」についての話題です。
当館では予科練の練習部隊「土浦海軍航空隊」について主に展示していますが、その土浦海軍航空隊の敷地は霞ヶ浦海軍航空隊の水上班(飛行練習機による水上練習用の班)を、昭和15(1940)年に分離独立・拡大したものです。
霞ヶ浦海軍航空隊は大正11(1922)年に稲敷郡阿見村(現:阿見町)に誕生した航空機練習教育部隊です。
日本海軍としては「横須賀海軍航空隊」(神奈川県)、「佐世保海軍航空隊」(長崎県)に続いて日本で3番目にできた航空隊で、教育部隊としては日本で初めての航空隊です。
昭和5(1930)年に誕生した予科練制度を卒業すると、海軍飛行予科練習生はその名前から「予科」がとれ飛行術練習生となり、この練習部隊で飛行機操縦の訓練をしました。
現阿見地区のほぼ全域にわたる陸上飛行場と、霞ヶ浦の湖岸に建てられた水上訓練用の水上飛行場を中心に作られ、その敷地面積はおよそ85万坪(約2.8㎢)。東洋一の飛行場と呼ばれるほど広大なものでした。
また、茨城県南の海軍航空隊の中心となった航空隊でもあり、零戦などの実機訓練を行っていた筑波海軍航空隊(現:笠間市)や谷田部海軍航空隊(現:つくば市)は、この霞ヶ浦海軍航空隊の分遣隊から誕生しています。
現在では、その広い飛行場を思わせるものは、ほぼ残っておりませんが、この地に予科練の部隊があったことに強く関係のある事柄ですので、ご紹介いたしました。
霞ヶ浦海軍航空隊については、当予科練平和記念館から車で10分ほどの距離に「陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地」内の広報センターにも資料が展示されております。
事前に以下の自衛隊広報へお申込みいただければ無料で見学できますので、当館お立ち寄りの際には、そちらまで足をのばしてみてはいかがでしょうか。
陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地 広報センター
開館日 :月~金曜日(土・日 及び祝・休日は除く)
開館時間:午前9:00~12:00 午後13:00~16:30
TEL:029-842-1211(内線2217、2218)
URL:http://www.mod.go.jp/gsdf/eae/eadep
近日の予科練平和記念館イベントについてご紹介いたします。
12月20日(土)午後2時から「元予科練生講演会『よみがえる私の予科練時代』」が開催されます。元甲種14期生 久津美 明(くつみ あきら)さんから当時の体験談や思いを語っていただきます。
また、久津美さんは書に精通されており、現在は「碧洋」の書号で書展の開催など書家として活動されております。
講演会当日には予科練時代の思いや、そこから得たものを書に表したいと、お客様の目の前で一筆書かれるとのことで、そちらもご覧いただければ幸いです。
講演会の観覧には通常常設展の観覧料がかかりますのでお気を付けください。