残暑お見舞い申し上げます。まだまだ暑いですね。
集中豪雨による災害が全国各地で起きているようです。
ニュースではこれまでの「異常気象」はもはや異常とは言えない、現在における「当たり前」に変わった、という厳しい見解を伝えていましたが、地球環境を狂わせているのが人間の営みであろうことを考えると、地球という私たちの母なる星に対して、実は「一方的侵略」を行ってきたこの半世紀だったのかと深く反省しなければなりません。
人間同士の平和は無論、あらゆる存在に対して「和する」ことが、人間そのものを生き延びさせる絶対的な条件であることを考えさせられます。
さて、先回に引き続き、博物館実習に来てくれた大学生の意見を皆さんにご紹介します。今回は3年生の女子に登場してもらいましょう。
最初に私が学芸員という職業を知ったのは、中学生の時の適職診断でした。適職診断の結果の中で教師や大学教授の他に出てきたのが学芸員で、私は学芸員という職業をそれまで聞いたことが無く何も知りませんでした。これが学芸員に興味を持つきっかけとなり、どんな職業なのか調べて仕事内容をなんとなく理解した私は、美術品・芸術に囲まれて仕事ができる事に魅力を感じていました。それに加え、中学時代に私は美術部に所属しており顧問の先生がよく博物館や美術館に見学に連れて行って下さったこともあり、見学に行った館の学芸員の方々が作品の解説をスラスラと話し案内をされている姿に強く憧れました。
今、自分が学芸員を目指す一番のきっかけとなったのは中学時代一番お世話になった顧問の先生が教師を辞め、学芸員になる事になった際に嬉しそうに学芸員になる事を話していたのが心に残りその時に、資格を取ろうと決心し学芸員の資格が取れる大学に行こうと考えていました。
学校では専門的な知識や展示の方法等を学んできましたが、いざ現場での実習を受けてみると大学の先生が皆さんとても忙しく仕事をされていて所蔵資料の管理や整理に手が回らないという現状に驚きました。また、自分の専門外のことでも新しく学びながら仕事をする事も大変だと感じましたが、とてもやりがいのある仕事ではないかと感じました。展示の構成を考える事やポスターを作成する際にも多くの方に来ていただく為に様々な技術が必要であると自分でやってみて改めて感じ、作成がとても難しかったです。特にポスターは、一枚の紙で展示の伝えたいこと、見たときに目を引くレイアウトを作らなくてはいけないということで全然上手くできませんでした。現場調査、資料の管理、展覧会の企画作成など5日間で様々な事を体験見学させて頂きましたが、自分の中での学芸員という職業を具体的に理解することが出来た5日間だったと思います。学芸員への憧れがもっと強くなりました。
予科練平和記念館は、数少ない予科練の事と戦争の事を未来に残し伝える事の出来る博物館です。美術品や芸術品を見る所は数多くありますが、予科練の事を伝え戦争を実際には知らない若い人達に正しい歴史を伝え、理解して貰うことが出来る場であるので今後も、戦争があった事を風化させない為、メッセージを発信し多くの方に伝えていく事が役割であると考えます。また、今後戦争を体験した方々が居なくなってしまう時が来ますがその方々が話して下さったこと、伝えて下さったことを予科練記念館が次の世代へと伝えて行かなくてはいけないのだと思います。