今年も9月に入りました。空に穴が開いてしまったのではないか、と疑われる暑さも朝夕にはすっかり大人しくなり「やっぱり秋は来るんだ」と思わせられます。
今夏の酷暑も過ぎてみれば思い出に落ち着き、今度は「もう正月か」とおそらく言い、思う日があっと言う間にやってくるのでしょう。「光陰矢の如し」を実感するときです。
今年度も予科練平和記念館は多くの方々に来館いただいています。ご来館いただいた皆様には心より御礼申し上げます。
今年は学徒出陣70周年にあたり、2年後には終戦70周年を迎えます。予科練の歴史を通して戦争について考え、先人が遺してくださった、この戦争をしないで済む社会を後世に引き継ぐためにはどうしたらよいか考える、という使命を予科練平和記念館は負いますが、これからは戦争を経験したことがない人間同士が学び合いながらこの重要な課題に取り組むほかありません。皆様のますますのお力添えをお願いいたします。
そうした活動の一環として、予科練平和記念館では「史跡探訪」というイベントを行っています。阿見町および県内の戦跡、史跡を中心に巡り、歴史を学び現在に還元することが主旨となります。
今は昔、という程ではありませんが、去る6月上旬に春の史跡探訪を行いました。
今回は、現在新聞紙上でも話題に上ることが多い、筑波海軍航空隊跡(友部)を中心に見学しました。
東京に近い茨城には戦前比較的多くの軍施設が展開されましたが、この筑波海軍航空隊跡はかつて零戦も飛び立った航空隊の面影をよく残していると思います。
現在は道路となっている滑走路跡しかり、旧本部庁舎しかりですが、印象的だったのは格納庫跡から誘導路を経て滑走路へのイメージが持ちやすく「あの零戦もここから飛び立っていったのか」と何か音さえ探せるような気持ちをもてたところです。
もちろん戦争に関わる施設を賛美するわけにはいきませんが、ある時代に生きた人の、命がけで生きた証しというものには、時代を超えた説得力があるように思います。
現在、茨城県立こころの医療センターとなっている筑波海軍航空隊跡地ですが、建物の一角には筑波空関連の資料室も作られ、往時を偲ぶにはたいへん貴重な場所です。もし見学を希望する場合には、医療センター事務にお申し込み下さい。可能な限り対応してくださるそうです。