みなさんこんにちは。
来週の29日(火)からはじまる所蔵資料展の準備に追われている
学芸員Wです。
所蔵資料展は学芸員の手作りで行なっておりますので、不器用な私は作業が遅く、
来週のオープンまでに間に合うかどうか、かなりドキドキしています。
今回の展示は今までとちょっと違っていて、明治~大正期の
除隊記念品を中心に、当館で所蔵している旧日本陸軍の資料を皆さんに
ご覧いただこうと思っております。
明治の人たちが徴兵による兵役を無事終えた記念につくった盃です。
日清・日露戦争に勝ったことを記念して作られた徳利です。
こうした記念品約130点を展示する予定です。
日本が国の軍隊を持つようになったのは明治時代からのことです。
徴兵令が施行されたのが明治6(1873)年。
明治22(1889)年に施行された大日本帝国憲法には
20歳以上の男子の兵役義務が明文化されました。
江戸時代の徳川幕府による政治から天皇を中心とした中央集権体制へと変わり、
西洋文明を積極的に取り入れて世界の列強に並ぼうとした日本。
各藩の士族が中心だった国防は、徴兵制により広く一般国民がになうことになります。
それまでの士族による封建的な軍隊ではなく、近代的な軍を作り上げることを
目的としたためです。
農業や漁業、林業といった一次産業に従事する人が多かった
時代のことですので、
働き盛りの男手を軍隊に送ることは大変だったと思います。
無事に兵役を終えた人たちは、記念品を作って配る習慣があったようで、
「除隊記念」「満期祈念」などと書かれた盃がたくさん残っています。
このほかにも、隊が改編されるときの記念の盃や、戦地から帰ってきたときに
作られた盃などがあります。
いわゆる「兵隊盃」といわれている一群で、様々なデザインのものがあり、
コレクターも多いとか。
また、日露戦争の後はこうした盃や徳利などがたくさんつくられて、陶磁器の産地は
好景気にわいたそうです。
歴史はいろんな側面がありますね。
今の日本には徴兵制度がありませんが、こうした資料から、軍が身近にあった時代の
人たちのことを考えていただければ・・・と思っています。
あわせまして、当館で所蔵している陸軍関係の資料も展示する予定です。
海軍の予科練とはまた違ったことが見えてくる資料の数々、ぜひご覧ください。
第4回所蔵資料展「重キ務メヲナシオヘテー除隊記念品展」
11月29日(火)~平成24年3月25日(日)
9:00~17:00(入館は16:30まで)
予科練平和記念館20世紀ホール
予科練平和記念館常設展観覧チケットでご覧いただけます
大人500(400) 小中高生300(240)円
( )内は20名以上の団体料金及び各種割引提携カード提示による割引料金
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さて、街はすっかりクリスマス仕様になっていますね。
予科練平和記念館の館内にもクリスマスがやってきました。
帆かけ船の隣にあるのもまた味があります。
布でつくられたツリーは解説員のOさんお手製で、丸みを帯びて
温かみがあってとってもかわいいです。
Oさん、今年も飾ってくれてありがとうございます!
ツリーはお手洗いの中にもありますので、ご来館の際にはぜひ寄ってみてくださいね。
今年最後の月に向けてだんだんと忙しくなってきましたが、季節の楽しみに目を向けて
気持ちだけでもわくわくしていきたいものです。
空気が乾燥して風邪がはやってきましたので、皆さんもどうぞお気をつけくださいね。