ー 空 ー

9月 24th, 2011

久しぶりの晴天、空が真っ青
霞ヶ浦周辺は今、まさに稲刈りのシーズンです。

原発の影響により放射能汚染が心配されましたが問題はなく
おいしい米が食べられそうです。

刈り入り後の田んぼにはシラサギ、ハト、スズメ、トンビなど
多くの鳥たちが落穂のご馳走を啄ばんでおります。
又、名峰”筑波山”を眺望し、広大な”霞ヶ浦”を見下ろし
雄大な空を自由に飛び交い,爽快であろう・・・。

予科練生も飛行機乗りになり、雄大な空を自由に飛んで見たい一心で
難関を突破し、入隊しました。

しかし、彼らは戦況の変化により、戦地に飛び立ったのです。
飛行機乗りへの夢は叶いましたが、とても悔しいことになってしまいました。

澄んだ空を、鳥たちが気持ちよく飛んでいる光景を、見ることが出来るのも
60数年前に先人たちの多くの尊い犠牲のうえに、今の平和があることを
真摯に受け止め、感謝できるこころを持ちたいです。

平和を恒久に続けていくことが先人たちへの供養ではないでしょうか。

話は変わりますが、世の中には自分にそっくりな人が三人は居るといわれます。
当館で開催中の特別展”土門拳のまなざし”の一枚の写真(卒業記念)の中に
私の幼少時代とそっくりの少年がおりました。

何かを感じられずにはいられません・・・。

これからも阿見町のブランド”予科練平和記念館”の発展に
精進してまいりますので、ご支援よろしくお願いいたします。

ご来館をお待ちしております。

台風のあとで

9月 23rd, 2011

みなさんこんにちは。

先日の台風では各地で被害が大きかったようですが、みなさんは大丈夫でしたでしょうか?

 

当日帰宅時間がちょうど雨風の激しい時間にあたってしまい、

リアルな台風体験をした学芸員Wです。

 

 

予科練平和記念館もこの日開館していましたが、強い風で雨粒が

窓にたたきつけられていました。

ガソリンスタンドにある洗車機で洗車中の車の中にいたら

こんな感じなのかな、というくらいの激しい雨でした。

 

うさぎ年には自然災害が多いということも言われているそうですが、

もうこれ以上災害はあってほしくないものです。

 

 

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さて、このブログでも何度かご紹介しておりますが、予科練平和記念館のラウンジでは、

阿見町図書館の絵本が9月30日(日)まで楽しめます。

学芸員Wと解説員Mさんが自信を持って(!)おすすめする

すてきな絵本がたくさんあります。

 

 

 

絵本の近くにはこんな子たちが。

 

 

解説員Tさんが作ってくださった指人形です。

左の予科練生がまーくん、右の女学生がつるちゃんです。

つるちゃんの初恋の人が、予科練生のまーくんです。

 

二人は実在の人物です。

つるちゃんこと鶴江さんは、今もお元気でいらっしゃいます。

 

このふたりの恋の続きはどうなったでしょうか。

予科練平和記念館の常設展示室5にありますので、ご来館の折には

見つけてみてくださいね。

 

 

 

今日はこの絵本をご紹介。

 

 

 

忌野清四郎さんがイラストを描いた絵本『ブーアの森』です。

そうです。あのロック歌手の忌野清志郎さんです。

RCサクセションでご存知の方、坂本龍一さんとユニットを組んでいたことでご存知の方、

ちょっと奇抜なメイクやファッションでご存知の方、たくさんいらっしゃると思います。

残念ながらお亡くなりになってしまいましたが、時々清四郎さんの

はにかんだような笑顔を思い出します。

 

 

主人公のしょうくんは森で出会った小さなブーアを連れて帰ろうとしますが、

酸性雨が降り森林伐採が進むしょうくんの世界に出て、

ブーアは弱ってぐったりしてしまいます。

空色の体に青い目のブーアの名前は、ブルーアース、青い地球からきています。

瀕死のブーアを助けてくれるのは、人間に痛めつけられている木や動物たちです。

 

環境問題はひとごとではなく、自分と無関係のことでもないのだということを、

わかりやすく伝えています。

まるで清志郎さんの歌のように、メッセージ性は強いけれども

押し付けがましくありません。

 

 

大きな地震にみまわれ、原子力発電所の事故で不安な毎日を過ごし、

大きな台風もやってくる。

今、清志郎さんが生きていたら、この日本でどんな歌を歌うのだろうか、

こどもたちに何を語りかけるのだろうか、と思います。

 

 

今日は秋分の日。お彼岸の中日。

みなさんはどう過されましたか?

 

 

予科練平和記念館はこの三連休休まず開館しております。

秋風に何かを感じたら、ぜひおでかけください。

 

 

学びの夏

9月 19th, 2011

 4月に新年度が始まりおよそ半年が経とうとしています。

 

  今年度、新しい環境に入った人たちには「ようやく慣れてきたかな」と実感が湧いてきた頃でしょうか。また、半年後に進学や就職を控えている人たちには「あと半年になったのか」と、あらためて考えると残りわずかな現在の生活を惜しむ心が生まれてきている頃でしょうか。

 

 先日、中秋の名月を陰りない満月で見られたことは、何かと落ち着かない日々を重ねてきた私たちへの光明だったようにも思えます。古くから、満月は円満具足の象徴として信仰を集めてきました。月は暗闇の一隅を照らす存在としても拝まれています。私の未だ幼い子どもたちは「今日は明るい夜だねぇ」と言っていました。

 

 さて、今日はこの夏休みに阿見町近代の歴史について学んだ小学生をご紹介します。

 

 彼の名前は永田響(ひびき)君、阿見第一小学校の5年生です。

 

 当記念館が8/7(日)に開催した「戦跡を巡る」にもお母さんと一緒に参加してくれました。また、過日「美しくも力強い存在」というタイトルのブログでご紹介した山梨県の河口湖自動車博物館を訪問したとき、お母さん共々バッタリと再会し、浅からぬご縁を感じさせてくれる永田君です。自動車博物館でも職員の方に飛行機のことを詳しく聞いていましたし、当記念館にも度々足を運んでくれ質問をしてくれるなど、なかなか熱心に学習する小学生という好印象を私はもっています。

 

 

 

 お母さんの話では、今春、予科練平和記念館に来ていただく機会があり「目から鱗が落ちる」ではないですが、地元の歴史について関心を深め、予科練や阿見町の歴史について夏休みには学習してみようという気持ちになったそうです。

 

 予科練平和記念館の活動主旨には、阿見町の歴史をこどもたちに正確に伝え平和を作り出す考えを持ってもらうことがあります。永田君の今回の取り組みには予科練平和記念館としてもたいへん感謝しています。ありがとうございます。

 

 今後も、1人でも多くの方にご来館いただき、いろいろなことを考えていただくために、広報に努めるのはもちろん、工夫を忘れず運営に努めて参ります。忌憚のないご意見も、どうぞお寄せ下さい。

被災地からの資料

9月 8th, 2011

みなさんこんにちは。

学芸員Wです。

今日は二十四節気の一つ「白露(はくろ)」。

まだまだ日中は暑い日が続いていますが、朝晩のひんやりとした空気で、

季節が確実に移っているのを感じます。

みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

 

 

予科練平和記念館のもみじが秋色にお召し替えをはじめました。

高い空には秋の雲が浮んでいます。

 

 

 

最近女子、男子ともにサッカー日本代表がとても頑張っていますね。

 

私も、男子代表のキャプテン、長谷部誠選手の著書『心を整える』を読んで、

いろんなことを整えていきたい、と思っています。

・・・と申しましたのは、昨日今日とケーブルテレビさんの取材があり、

カメラの前でしゃべる機会を持たせていただいたからです。

 

とっても優しく「失敗しても大丈夫ですよ!」と励ましてくださる撮影隊の方の

前でもこんなに緊張するのに、

何万人というサポーターや観客の前で、しかもテレビの先ではどれだけの人が見ているか

わからないという状況の中で、

さらにアウェーだったらブーイングなども聞こえてしまう中で、

落ち着いてプレーできる選手のみなさんは本当にすごいと思います。

 

 

今回、ケーブルテレビのみなさんは、特別展「土門拳のまなざし」展を

取材してくださいました。

 

 

 

放送日は以下のとおりです。

 

□9/17(土)~9/20(火)

 てれびつくば11 「ACCSニュース」(1日4~5回放送)

 http://www.accs.or.jp/accstv/tsukuba_11.html

 

□9/26(月)~10/2(日)

 J:COM 「いいじゃん!」 (1日2~3回放送)

 http://www.jcom.co.jp/index.html

 

お目にとまりましたら幸いです。

 

 

余談ですが、長谷部選手の著書『心を整える』の印税収入は

ユニセフを通じて全額東日本大震災の被災地に寄附されるそうです。

自身を整えつつ誰かにいいこともできるすばらしい本ですので、

お気になった方、ぜひ本屋さんでお手にとってみてくださいね。

 

 

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間もなく、東日本大震災発生から半年が過ぎようとしていますね。

長いようで短い、短いようで長い半年だったように思います。

 

先日、横浜の山下公園に行きましたが、

ここは1923(大正12)年の関東大震災のときに出た

瓦礫を埋め立ててつくられたと知り、驚きました。

家族連れやカップルが楽しそうに行き交う足元に

大震災の記憶が眠っているなんて、思いもしませんでした。

 

私たちの日常は、常に災害と隣り合わせにあるのだということを

足元から実感したような気持ちでした。

だからこそ、今日一日、今この時が大切なのだと、改めて思いました。

 

みなさんにとって、この半年はどんな時間の積み重ねでしたでしょうか。

 

 

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先日、予科練平和記念館に被災地福島に住む元予科練生から資料が寄贈されました。

送ってくださったのは、元甲種第14期予科練生Sさんで、

1944(昭和19)年6月1日に土浦海軍航空隊(現陸上自衛隊土浦駐屯地 阿見町)に

入隊した時に肩にかけていた日の丸や、防毒マスクのケースなど計10点です。

 

Sさんはもともと福島県の浪江町にお住まいでした。

みなさんもよくご存知のように、浪江町は東京電力福島第一原子力発電所の事故により

警戒区域や避難区域に指定されています。

現在、Sさんも福島県内の別の場所に避難していらっしゃいます。

 

家を離れてからもずっとこの資料を気にかけておられたとのことで、

一時帰宅が許可されたときに、親類に頼んで持ち帰ってもらったのだそうです。

 

 

全身防護服の住民の皆さんがバスで立ち入り禁止区域に入られる姿を

ニュース映像としてよく見ていましたが、

実際にそういう方たちがお持ちになったものが、こうして予科練平和記念館に

届けられたということに、深く考えさせられました。

 

 

一時帰宅では、滞在時間も持ち出せるものの量も限られてしまう中で、

どんな思いでこの資料は運び出されたのでしょうか。

住み慣れた土地を離れて暮らすSさんは、どのような気持ちでこの資料を

予科練平和記念館に託されたのでしょうか。

 

今の私では想像することしかできませんが、ほかの資料たちと同じように

末永く、大切に保管させていただきたいと思っております。

 

 

 

(手前が寄せ書きされている日の丸。奥の箱は防毒マスクを入れるものです。)

 

 

ー山本五十六と料亭K-

9月 3rd, 2011

実るほど頭を垂れる稲穂かな
今年も豊作であって欲しいものです。

先日、霞ヶ浦海軍航空隊の副長であった山本五十六ゆかりの料亭K(土浦市)で
食事会がありました。

料亭のおかみさんと予科練平和記念館の歴史調査員I氏の
講話(山本五十六と料亭K)を拝聴しながら食事が始まりました。

山本五十六、そして霞空、土空の士官たちが
武勇伝や日本の将来を語り合い、飲み明かし、楽しい一時を
過ごされた様子が感じられました。

料亭Kは明治33年創業の老舗。
名の由来は当時、この料亭から霞ヶ浦が眺望でき、湖面に写る月の
美しさに魅了され命名したそうです。(すばらしい。)

また、先代の社長は昭和4年に、霞空に飛来したツエッペリン伯号に
乗船した少年でした。(すごい。)

予科練平和記念館(阿見町)に立ち寄り、予科練を学び
料亭K(土浦市)を訪ね、山本五十六を偲ぶのも
歴史の楽しさではないでしょうか。

感じ方は人それぞれでしょうが、歴史とはほんとうに
おもしろいものと思いました。
先人たちの思いを感じるものですね。

予科練平和記念館も歴史の1ページである予科練生の
思いが、少しでも感じていたただければと思っております。

特 別 企 画 展
土門拳のまなざし  ー戦中、戦後と”幻”の写真ー  開催中