アルマ

11月 14th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

本日は時々薄日が射すくもり空。ややアンニュイな感じの予科練平和記念館です。


先日12日(金)の土浦市立博物館さんの企画に外部講師として

参加させていただいた霞ヶ浦クルーズの様子を、

昨日13(土)に茨城新聞さんが記事にしてくださいました。

ありがとうございます!


来週20日(土)には、土浦市文化課の学芸委員さんが、民俗学的見地からみた

霞ヶ浦についてお話をしてくださいますので、

お時間がございましたら、ぜひお運びくださいね。

普段とはちょっと違った霞ヶ浦の姿が見えてくると思います。


同じ20日(土)の夕方5時半から、予科練平和記念館では

昭和のレコード鑑賞会を行ないます。

前回の様子はこちらのブログ

https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20101027

をご覧ください。


前回はグノー作曲「アヴェ・マリア」を最初にかけましたが、今回は別の

ピアノ曲をお届けしたいと思っております。

その他は前回と同じ曲をおかけしますので、聴きそびれてしまった方、

もう一度聴いてみたい方、ぜひご参加をお待ちしております。

入場は無料です。(展示もご覧になる方は午後4時半までにご入館ください。

展示室は午後5時で閉まります)



さて今日は、1冊の本をご紹介したいと思います。


ちょっと前ですが、ヴィレッジヴァンガード(面白い雑貨や本が独特な雰囲気で並べてあって、

かなり楽しいお店です!)をうろうろしていた時に見つけた、

『さよなら、アルマ』(水野 宗徳著)という本です。


帯には、「祝 出征 アルマ号」と書かれたのぼりのとなりに、

寄せ書きがされた日の丸をつけたシェパードが座っている写真があります。

『さよなら、アルマ』は、著者の水野さんが図書館で偶然見たこの写真から紡ぎ出された物語です。


戦時中、人間と同じようにたくさんの犬が軍用犬として戦地に送られました。

詳しい記録が残っていないため正確な数字はわからないものの、その数は

10万頭以上ともいわれているそうです。

試験に合格して訓練を終えると第一線に送られ、様々な任務につきます。

飼い主のもとに戻れたのは、ほとんどいなかったそうです。


大学予科に通う主人公朝比奈太一は、ひょんなことからシェパードの

「アルマ」の面倒を見ることになります。

国民学校(今の小学校)生徒の健太とチッチにとっても、アルマは大の仲良しでした。


戦争が始まり、人間の食べ物も少なくなるなか、居候学生の太一には肉を中心とした

アルマの食事を用意することが難しくなってきます。

社会の雰囲気も、次第に普通の雑種犬を飼うことさえもこそこそと陰口を言われるような

ギスギスしたものになっていきます。


すばらしい身体能力と頭脳をもったアルマの能力を最大限に発揮させて

あげるにはどうしたらいいのか。


悩んだ太一が出した結論は、アルマを軍用犬にすることでした。

健太やチッチの反対を押し切って受けた軍用犬試験に、アルマは見事合格。

「金剛号」と名前を変えられ、戦地へ送られていきます。


自分のしたことは本当に正しかったのか。

悩んだ太一はある決心をします。


物語の最後にはぐっと胸が痛くなり、もし犬を飼っている方でしたら

すぐに愛犬のもとに飛んでいってぎゅーっとしたくなります。

ふかふかの毛皮に顔をくっつけて、こうして一緒にいられて嬉しいなぁと

しみじみ思われると思います。



なんと、『さよなら、アルマ』は12月にNHKでドラマ化されるそうです。

放送日時は、NHK総合で2010年12月18日(土)夜9時から10時18分

NHK教育では12月13(月)~16(木) 夕方6時15分~40分の4回連続です。


アルマ役のシェパードは、警察犬の訓練を受けていたわんちゃんだそうで、

写真を見るとアルマそっくり!

こども店長加藤清四郎くんも出演します。


『さよなら、アルマ』は予科練平和記念館のラウンジにも備え付けてあります。

ラウンジは無料でお入りいただけますので、ぜひお立ち寄り下さいね。