予科練の体現者

5月 30th, 2010

みなさんこんにちは(^o^)

今日の阿見町は、弾力のありそうなもくもくした雲が

青空に浮んでいました。

週明けからは晴れの日が多く、暑くなるようです。

少しずつ少しずつ、夏に近づいている感じがします。


今日は予科練の体現者ともいうべきお客様がいらっしゃいました。

角田(つのだ)和男さん、現在91歳。1918(大正7)年のお生まれです。

1918年といえば、第一次世界大戦が終わった年であり、

田中角栄元総理や中曽根康弘元総理などもこの年に生まれています。


角田さんは、1934(昭和9)年、予科練の5期生として

横須賀海軍航空隊に入隊されました。

1930(昭和5)年に教育がスタートした予科練制度は、1937(昭和12)年以降

募集人員を増やすため、もともとのものを乙種とし、そのほかに

甲種・丙種・特乙種などのより短期間で訓練するコースが増えていきました。

最初の段階では、甲も乙もなかったのです。


角田さんは、この甲も乙もない時代、本当に初期の予科練の様子を

知っている数少ない人物です。

ちなみに、5期生は全部で200人が入隊し、うち109名が

戦争で亡くなっています。


今日はご家族と展示をご覧になった後、著書『修羅の翼』をご寄贈くださいました。

以前も同じタイトルで本を出版されており、当館のラウンジにもそなえて

ありますが、

今回は写真を増やした新バージョンだそうです。

予科練卒業後パイロットとして幾度も命の危険と向き合い、

仲間を失い、教え子を失い、

特攻隊を指揮した海軍中将 大西瀧治郎に会い、自身も零戦の特攻隊員となる。

今の日本では想像もつかないような、

「厳しい」という言葉もなおぬるく感じるような時間を生きていた角田さん。


それは、第一線で戦ったたくさんの予科練出身者たちが共有した時間でもあります。


今日の角田さんはしっかりと背広をお召しになり、ネイビーブルーのネクタイは

飛行機柄でした。

「角さん」と呼ばれて慕われたお人柄が伝わるようなやわらかいお顔だちですが、

厳しい時代を生きてきた方たちに共通する、ピンとした空気をお持ちでした。


角田さんのことは、本で読んで存じ上げておりましたが、

実際にお会いしてみて、歴史という地面に深く根を下ろした大きな木のイメージが浮びました。

屋久島の縄文杉のように、そこにあるだけで何かを教えてくれる、真っ直ぐ伸びた

一本の木です。

私たちは、その大きな木陰に憩うだけではなく、

そこからいろんなことを学ばなくてはならないのだなと思いました。


角田さん、本日はご来館誠にありがとうございました。

だんだん暑くなりますが、お体に気をつけて、ますますお元気でお過ごし下さい。

またのご来館、心よりお待ち申し上げております。



ここで一句

5月 26th, 2010

みなさんこんにちは。

今年の梅雨は雨が多いと発表されましたが、もうその時期かなと

思うような今日のお天気です。

しっとりとした空気で、かえるたちが大喜びしている姿が目に浮びます。


さて先日、当館に埼玉県草加市から俳句を詠まれる方々がご来館されました。

せっかくですので、と皆さんに感想を詠んでいただけないかお願いしたところ、

こころよく素晴らしい句をたくさん作って送ってくださいました。

全部ご紹介したいところですが、本日は館長セレクトでお送りいたします。



○ 汗滲む赤トンボ機の操縦悍         樋口 素秋様

  

 赤トンボとは、予科練習生たちが卒業後に飛行訓練で乗る練習機のことです。

オレンジ色に塗られていたため「赤トンボ」の愛称で呼ばれました。

骨組みが木材とクロームモリブデン、まわりには塗装した絹を貼った軽い機体です。

操縦悍も館内に展示してありますが、やはり木材とアルミでできています。

練習生たちは、どんな思いでこの操縦悍を握っていたのでしょうか。


○ 予科練の友と競いて夏空へ         小俣 操様

  

 当館の入り口を入ってすぐのところに、予科練習生たちが青空のもとで綱引きをしている

大きな写真があります。

リアリズム写真家 土門拳が昭和19(1944)年夏に撮影した予科練習生の写真です。

彼らの訓練生活は、すべてが競争でした。

「負けじ魂」と言われる闘争心は、こうしたところから積み上げられていきます。


 ○ 予科練の眠れぬ夜のハンモック    徳冨 美智子様

  

 予科練習生たちは全国から集まっていましたので、隊内の兵舎で

寄宿生活をしながら訓練を受けていました。

彼らが唯一独りになれる場所が、兵舎に吊ったハンモック。

夜ともなると、ハンモックの中で故郷を思い出す練習生がいたかもしれません。


○ 予科練へ差し入れしたき柏餅       鈴木 春江様


 15歳~17・8歳の予科練習生たちにとって、食べることは大きな楽しみでした。

育ち盛りの上訓練の毎日で、部活をやっている現在の中・高生と同じように

よく食べたことでしょう。

展示室の中には、前述の土門拳が、同期生のもとへたくさんの大福を運んでいる

練習生の姿を写した写真があります。

早く食べたくて食べたくて、のどからにゅーっと伸びる手が見えてきそうな

そんな表情をしています。

もし、彼らに柏餅を差し入れることができたとしたら、

どんな笑顔がかえってくるでしょうか。


俳句の会の皆様、予科練の風景が見えてくるような素晴らしい句をありがとうございました。

またのお越しをお待ち申し上げております。


 皆様もお越しの際にはぜひ一句。 字余り。


中学生の校外学習

5月 21st, 2010


みなさんこんにちは

今日の阿見町は、快晴。

初夏の汗ばむような暑さになりました。


館内には、外の暑さとはうらはらに、いつも違う雰囲気が漂っていました。

今日は、初めて中学生の生徒さんに展示解説をするからです。


小学生に案内経験のある解説員さんも戸惑い気味。

自分が中学生のときどんな勉強していたか?

どうしたら中学生にわかりやすく説明できるだろうか?と不安な様子。


しかし、そこはたくさんのお客様をお迎えしてきた解説スタッフ

学校では学べない阿見町の歴史と戦争の怖さを伝えられたら

いいなということになりました。


午後、いよいよ中学生の到着です。

来館していただいたのは、土浦市にある常総学院中学校3年生の

生徒さん38名です。





最初に元予科練生のお話を聞きます。

どの生徒さんも熱心にメモを取りながら聞き入っていました。



それから、展示室を回ります。

下の写真は、予科練生の訓練風景や教育の様子を展示した部屋です。

予科練生と同世代の中学生、試験問題や当時の

教科書やノートを食い入るように見ていたのが印象的でした。 



映像の部屋に入る前のわずかな待ち時間もメモを整理する生徒さんたち


1時間半かけて7つの展示室を見学して疲れたと思いきや、

その後、自分の印象に残った部屋をもう一度見てまわりました。


自分たちが学ぶ学校のとなり町の歴史について、いろいろな事を感じとって

いただいたような気がします。



これから高校、大学と進学して社会に出て行くと、

楽しいことや困難なことをたくさん経験していくと思います。

そんな時、自分の命を懸けて猛訓練や猛勉強に励んだ

予科練生のことを思い出してほしいと思います。



いろんな経験を積んで素敵な大人になってほしいと願っています。



中学生最後の1年が素晴らしい年になりますよう、スタッフ一同

応援しています。


祝!! 来館者3万人達成!!! 

5月 16th, 2010

本日9時55分、ついに3万人を達成しました。
今年2月2日にオープンして以来約3ヶ月半。開館日数91日での達成となりました。

これも全国各地からお越しいただきました皆様のおかげです。


3万人目のお客様はひたちなか市にお住まいの皆川さんです。
予科練平和記念館のオープンをテレビで知って、前々からぜひ来たいと思っていた

がなかなか来れずにいたそうです。


 そして念願の来館が、記念すべき3万人目となったことには、「こういうこともあるん

ですね。ビックリしました。でも来て良かった」と笑顔でスタッフからの祝福を喜ばれ

ていました。


  


記念品として、スタッフから、予科練クッキー、書籍『予科練ものがたり』、名前入り

のボールペン・シャープペンセット、絵はがきセットなどを進呈しました。ちなみに、

これらは予科練平和記念館の売店でも販売しています。


 その後ごゆっくりと記念館を見学され、ご出身の宮城県では自宅近くにアメリカ軍

占領地があったそうで、当時の様子を思い出しておられました。


 オープンから記念館にいらしてくださった、たくさんの皆さま、どうもありがとうござ

いました。


 今後も皆様からいただいたご意見などを参考にさせていただきながら、よりご満足を

いただけるよう、これからもスタッフ一同頑張って参ります。


さかな雲と季節の花

5月 15th, 2010

みなさんこんにちは☆

二十四節気の一つ「立夏」を過ぎ、季節は春から初夏へと向かっています。

今日の阿見町は青空。館内から外を見ると、空には魚の群れのような雲が浮んでいました。



今年は異常気象なんて言われていますが、先日は急に空が真暗になったなと思ったら

雷が鳴りだして雹(ひょう)が降ってきました。

ちょうど来館中だった茨城新聞の記者さんは、「とにかく写真を撮る!」と外に飛び出して

行きました。大荒れのお天気の中飛び出したその時の記者さんの背中には

「記者魂」の3文字が見えるようでした。

5月13日の茨城新聞社会面に出ている芝生に降った雹(ひょう)の

写真は、この時のものです。

そして雹(ひょう)のあがった空にはうっすらと虹が!



キリスト教では、虹は神様のメッセージを伝えるものとされています。

この日の虹は、梅雨の季節がくるよと伝えているような感じでした。


予科練平和記念館の館内にも、この時期らしいお花が飾られています。



これはお掃除をしてくださるKさん宅のお庭に咲いたお花です。

Kさんのご趣味はガーデニング。お料理も上手です。



今日の窓口にはバラ。こちらは展示解説員Oさんが育てたバラです。

Oさんもガーデニングが趣味とのことで、いつもお庭の花を持って来て

生けてくれます。

いつもきれいな花でお客様を楽しませてくれるOさん。

細かな気遣いをしてくれる、頼れるお姉さんです。

皆さんもご来館の折には、ぜひ彼女たちのミニガーデンをご覧になってみてください。

今日の窓口担当解説員Tさんも、笑顔でお待ちしています。


ラジオにプチ出演

5月 10th, 2010

みなさんこんにちは(^^)

月曜日、いかがお過ごしでしょうか?

休館日の今日、予科練平和記念館では草抜き作業が行なわれました。



芝生に先んじて伸びてきたいろんな草を1本1本手で抜いていきます。

地道な作業がきれいな芝生を支えています。


さて、今日はつくばのコミュニティFM「ラヂオつくば(84.2MHz)」さんで

予科練平和記念館の紹介をさせていただきました。


11時から13時まで生放送の「wh@t? Tsukuba!」の中の

地域情報を伝える「ライフファクトリー」のコーナーで、

スタジオと電話をつないで、10分程度パーソナリティの坪内明美さんと

お話をしたのですが、

なにぶん初めてのことでしたので、緊張&カミカミ

&坪内さんの美声にかぶりまくりで、

終わってから一人大反省会でした・・・(-_-;)

坪内さんもフォローがさぞ大変だったことと思います・・・。

普段は何気なく耳にしているラジオですが、

言葉だけで様々な情報をたくさんの人に伝えることができる

ラジオパーソナリティさんは本当にすごいなぁと思いました。

ご迷惑をおかけしてしまいましたが、とてもよい経験をさせていただきありがとうございました。


ラヂオつくばさんの番組は、インターネットでもお聞きいただけます。

平成20年10月に放送を開始された新しいラジオ局で、

地域に密着した面白い番組がいっぱいですので、ぜひ一度

聞いてみてください。


ラヂオつくばHP

http://radio-tsukuba.net/



放送後、以前予科練平和記念館開館のときに情報を載せてくださった

『ezpress.』(茨城県南地域の月刊情報誌です)編集部Aさんから、

「聞きました!」メールをいただきました。

ありがとうございます!すごく嬉しいです(^^)/

『ezpress.』はお手にとっていただくとわかるのですが、

無料でいただくのがもったいないくらい使える情報満載です。

茨城県南にお住まいの方、茨城県南のことを知りたい方、おススメです!

インターネットでもご覧いただけますので、ぜひ見てみてくださいね。

県外の方は「初心者向け茨城入門」をぜひどうぞ。

「青なじみ」が方言だと気付いたのは、そういえば大学生のときでした。


『ezpress.』HP

http://www.ezpress-ideal.com/


そして、どこかで放送をお耳にされた皆さん、聞いてくださってありがとうございました。

「ラジオ」という情報媒体の面白さに触れた1日でした。


GW中

5月 3rd, 2010

みなさんこんにちは(^o^)

GWをいかがお過ごしでしょうか。

お天気にも恵まれ、どこかにお出かけになっていらっしゃる方も

多いことと思います。

今日の阿見町もよいお天気で、昨日に引き続き気温がぐんぐん上がって

5月下旬ぐらいの陽気になりました。


予科練平和記念館にも、遠方からの方や

ご家族連れのお客様がたくさん来てくださいました。

中にはランニングのお子さんも・・・!夏少年登場です☆



館の展示内容は、小さなお子さんには少し難しいところがありますが、

おじいさんやおばあさん、ご両親が説明をしながら見てくださっています。

小学生ぐらいになると、映像や写真を一生懸命見てくださいます。

「昭和」という時代を知らないお子さんも、何かを感じ取っているのでしょうか。

今日は憲法記念日。

1947(昭和22)年、63年前の今日、現在の日本国憲法が

施行されました。



お隣の公園にも、たくさんのお子さんが元気に遊んでいました。

ツツジの花も空に向かって勢い良く咲き出しています。



これからもずっと、子どもたちが青空の下で元気に遊べる国であってほしいなと

思います。