博物館実習生日記②

8月 24th, 2014

残暑お見舞い申し上げます。まだまだ暑いですね。

集中豪雨による災害が全国各地で起きているようです。

ニュースではこれまでの「異常気象」はもはや異常とは言えない、現在における「当たり前」に変わった、という厳しい見解を伝えていましたが、地球環境を狂わせているのが人間の営みであろうことを考えると、地球という私たちの母なる星に対して、実は「一方的侵略」を行ってきたこの半世紀だったのかと深く反省しなければなりません。

人間同士の平和は無論、あらゆる存在に対して「和する」ことが、人間そのものを生き延びさせる絶対的な条件であることを考えさせられます。

IMG_0864

さて、先回に引き続き、博物館実習に来てくれた大学生の意見を皆さんにご紹介します。今回は3年生の女子に登場してもらいましょう。

IMG_0854

最初に私が学芸員という職業を知ったのは、中学生の時の適職診断でした。適職診断の結果の中で教師や大学教授の他に出てきたのが学芸員で、私は学芸員という職業をそれまで聞いたことが無く何も知りませんでした。これが学芸員に興味を持つきっかけとなり、どんな職業なのか調べて仕事内容をなんとなく理解した私は、美術品・芸術に囲まれて仕事ができる事に魅力を感じていました。それに加え、中学時代に私は美術部に所属しており顧問の先生がよく博物館や美術館に見学に連れて行って下さったこともあり、見学に行った館の学芸員の方々が作品の解説をスラスラと話し案内をされている姿に強く憧れました。

IMG_0859

今、自分が学芸員を目指す一番のきっかけとなったのは中学時代一番お世話になった顧問の先生が教師を辞め、学芸員になる事になった際に嬉しそうに学芸員になる事を話していたのが心に残りその時に、資格を取ろうと決心し学芸員の資格が取れる大学に行こうと考えていました。

 学校では専門的な知識や展示の方法等を学んできましたが、いざ現場での実習を受けてみると大学の先生が皆さんとても忙しく仕事をされていて所蔵資料の管理や整理に手が回らないという現状に驚きました。また、自分の専門外のことでも新しく学びながら仕事をする事も大変だと感じましたが、とてもやりがいのある仕事ではないかと感じました。展示の構成を考える事やポスターを作成する際にも多くの方に来ていただく為に様々な技術が必要であると自分でやってみて改めて感じ、作成がとても難しかったです。特にポスターは、一枚の紙で展示の伝えたいこと、見たときに目を引くレイアウトを作らなくてはいけないということで全然上手くできませんでした。現場調査、資料の管理、展覧会の企画作成など5日間で様々な事を体験見学させて頂きましたが、自分の中での学芸員という職業を具体的に理解することが出来た5日間だったと思います。学芸員への憧れがもっと強くなりました。

IMG_0860

予科練平和記念館は、数少ない予科練の事と戦争の事を未来に残し伝える事の出来る博物館です。美術品や芸術品を見る所は数多くありますが、予科練の事を伝え戦争を実際には知らない若い人達に正しい歴史を伝え、理解して貰うことが出来る場であるので今後も、戦争があった事を風化させない為、メッセージを発信し多くの方に伝えていく事が役割であると考えます。また、今後戦争を体験した方々が居なくなってしまう時が来ますがその方々が話して下さったこと、伝えて下さったことを予科練記念館が次の世代へと伝えて行かなくてはいけないのだと思います。

 

 

 

博物館実習生日記①

8月 17th, 2014

暦の上では既に秋を迎えています。

朝夕の空気が例年より涼しいと感じるのは間違いでしょうか。

外観(斜め)

8/15(金)の終戦記念日、予科練平和記念館は無料観覧日でしたが、今年も多くのお客様をお迎えすることができました。

当日は、茨城放送(ラジオ)で、予科練平和記念館や開催中の展覧会についてご紹介させていただく機会をもつことができましたが、お忙しい日常ではあると思いますが、落ち着いた時間が取れるときには、ぜひ予科練平和記念館にお越しいただき、命の尊さや平和の大切さについて改めて考える機会を作っていただきたいと思います。

ちなみに、次回の無料観覧日は12/25(木)のクリスマスです。

皆様、お誘い合わせのうえ、どうぞご来館下さい。

展示室4飛翔

さて、そうした意味では、予科練平和記念館の次代を担うべき若者が、博物館実習生として勉強をしに来てくれました。

今年は男女1名ずつ、阿見町内の大学生でした。

戦争を知らない私たち若い者がしっかりと先人の意思を継いでいくためにも、大学生のような若い人たちに記念館に来てもらい、しっかり勉強してもらうことは非常に大切な活動になります。

まず、4年生の男子(ちなみにもう1人は3年生の女子でした)K君の感想からご紹介します。

しっかりと予科練平和記念館を観察し、彼なりの考えを深めてくれたようで、たいへん心強く思いました。

 

①学芸員に興味をもった理由

 私にとっては、予科練平和記念館の展示を見たことが興味をもった大きな理由である。初めて私が記念館に来館したのは、まだ開館間もない時であり、私が高校生のときであった。以前から日本近現代史、特に太平洋戦争期の日本海軍に大きな関心をもっていたことや、祖父が少年期に航空隊近くの航空廠で勤労奉仕を行っていた頃の話を幼い頃から聞いて育ったことから、私にとって戦争中の出来事はどこか現実感があり、他人事に思えなかった。

 このように、日常的に戦争の情報が蓄積されていったことから、いつしか私はこの知識を生かした職業に就きたいと考えるようになっていった。そんな中、出会ったのが、この予科練平和記念館である。私は何か運命的なものを感じたことを覚えている。

展示室6窮迫

②現場を通して感じたこと

 一番に感じたことは、現場の学芸員に求められていることがとても多い、ということであった。これまで学校でも学芸員というものは「雑芸員」である、社会教育の普及だけが学芸員の業務ではない、と教わってきた。だが、この5日間の実習を通して学芸員が置かれている現状を確認したことで、それが本当であったことを改めて理解した。また、専門的な知識の他、この実習で学んだ技術は、学芸員以外の様々な分野の仕事で自分にとってもプラスとなる、極めて汎用性の高いものであることも肌身を通して理解することができた。

展示室7特攻

③記念館の今後の役割について

 今後、記念館は「海軍の町 阿見」という一種のブランドをさらに生かし、日本近現代史の中で日本海軍、引いては軍隊が担った発展の功績=プラス面と、軍隊がもたらしたマイナス面を取り上げて、比較検討し、双方の立場を見ていかなければならないと考える。戦争の悲惨さを伝え、過ちを二度と繰り返さないためにも、歴史を後世に連綿とつないでいかなければならないことは自明の理である。だが、昨今では、その方法が感情に訴えることだけに終始してしまっているように思えてならない。確かに、それは大切なテーマのひとつでもあるが、歴史を学ぶことの本質はそこではないはずである。史実を史実として受け止め、公正中立な立場で歴史を俯瞰して、そこから現代に生かせる要素を抽出することこそ、戦争の爪痕を現代にまで残す阿見町の記念館に求められていることではないだろうか。

「予科練ツバメ」はいかがですか?

6月 29th, 2014

 夏至を過ぎました。

 もう昼間が短くなり始めています。こんなことを言えばペシミスティックに聞こえるかもしれませんが、冬至から半年の経過を思うと、この半年を無事に生きられたことに安堵しながらも、なにか寂しさを感じてしまいます。

 そんな低調な気持ちを吹っ飛ばしてくれるようなギンギラギンの夏を望んでもみますが、今年はエルニーニョ現象の影響で大雨・冷夏の予報が出ているようです。

 これからの夏、これからの半年に一体どのような物語が生まれるのでしょうか。

 

 さて、予科練平和記念館エントランスにはカメラが設置されているのですが、平成24年からカメラ上部に燕が巣を作り、雛が巣立つようになっています。このブログでも何度かご紹介しました。

 今年も燕が巣を作り、雛が生まれています。3期生、と言ったところでしょうか。

IMG_5809

 実は昨年の巣立ち後「翌年のために」と、空になった巣を大事に保存してきたのですが、人間の勝手な好意に反して燕は卵を産もうとしませんでした。

 そんなこんなで気を揉んでいたある嵐の翌日、巣が綺麗に取れているのを発見しました。風雨のいたずらか、あるいは悪戯小僧の愛嬌か、とにかくそれが吉となったのでした。

 今回の主役となったつがいはせっせと泥を積み重ね、あっと言う間に愛の巣を完成させました。

 その後しばらくして親鳥がご飯に行っているとき巣を覗いてみると、今年はまず4個の卵が産まれていました。昨年はやはり4個の卵から3羽の雛がかえりましたので、この燕はきっと同じ血筋だと思っていました。

 人が近づいても、雀がいたずらに来ても親鳥が絶対に動じない様子が6月始め頃に見られたので、覗く機会を待ち続けることある一瞬、親鳥が巣を離れた隙に覗いてみたら毛がない「ET(古い?)」のような雛が4羽眠っており、その後ろに新しく2個の卵が産まれていたのでした。

 眠っている雛は、茄子の丸漬けが小さい容器にきちんと収められている、まるでそんな趣でした。可愛いと言うより、生命力、野性味そのものを感じました。

 その時、親鳥の甲高い警告が鳴り響いていたのは言うまでもありません。ごめんなさい。

 その親鳥が頻繁に巣を離れ、餌を運んで来るようになったのが6月20日過ぎでしょうか。薄い黄色のくちばしが5個並んでいたので、今年は5羽がかえったのだと分かりました。写真の左奥に写っているのが5男坊です。

IMG_5812

 やはり、先に生まれた4羽より体が小さく、どうしても兄貴(姉?)たちに押しのけられてしまうようでした。

 生き延びられるか心配しましたが、今日になると随分逞しくなり、兄貴たちの背中に乗りかかって親から餌をもらっている様子を目にすることが出来ました。一安心です。

IMG_5813

 予科練平和記念館カメラでは燕の産卵は年に1度のようです。今年の吉例にならって、雛が巣立った後は綺麗にお掃除して、来年の新居建設に協力をしようかと考えています。

IMG_5814

 温泉好きの方はご存じだと思いますが、新潟県妙高山麓に「燕温泉」があります。妙高山頂(2,446m)が手の届く所に見える、しかし道半ばの標高約1,100mくらいにある閑静な温泉街です。場所によって若干の違いはありますが、白濁の硫黄泉で、疲労回復には効果てきめんの実にありがたい温泉です。

IMG_5815

 燕温泉という名の由来は、どうも燕が多いからのようですが、本当にスイスイと軽やかに舞っています。極楽に住む鳳凰は甘酒を飲んで身を美しく保つと言われますが、燕温泉の燕たちはよい温泉に浸かって、またちょっと一杯舐めながら美を保っているかのようです。

IMG_5816

 燕に恵まれた温泉が「燕温泉」であるなら、燕の故郷となった予科練平和記念館は何と名付けられるべきでしょう?「予科練燕」が誇りに思える愛称を考えていただけないでしょうか。

「海軍航空隊ものがたり」をご紹介します。

6月 12th, 2014

 梅雨に入りました。

 正月を迎え、新年を言祝いでから半年が経ってしまいました。日が長くなったと喜んでいたら、まもなく夏至を迎えるのですね。

 今年こそ充実しているような、なんとなく今年も過ぎて行っているような、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 

 さて、予科練平和記念館では「海軍航空隊ものがたり」を、3月末に上梓しました。

 これは「阿見と予科練」「続・阿見と予科練」に続く第3集になります。

 海軍航空隊ものがたり

 予科練平和記念館には歴史調査委員という近代阿見町の歴史を中心に調査・研究している先生方がいらっしゃいます。

 先生方のご成果は、あるときは展覧会に、またあるときはこうして本になり、余すところがないまるで茨城特産のアンコウのようなものです。

 予科練平和記念館職員もたいへんお世話になっています。

IMG_7748 

 海軍航空隊ものがたりは8章から成り立っています。

 

「第1章 予科練」

・戦没予科練生の家族との便り

・特攻隊「回天」「桜花」「震洋」と予科練

 

「第2章 海軍飛行予備学生」

 

「第3章 霞ヶ浦海軍航空隊よもやま話」

例として、

・阿見町の零戦製造工場

・93式中間練習機の翼布塗料

 

「第4章 阿見町と聯合艦隊司令長官山本五十六元帥」

 

「第5章 阿見町の兵役と銃後の守り」

 

「第6章 予科練万葉集」

 

「第7章 元予科練生・予備学生インタビュー記録及び手記」

例として、

・伊藤進 氏(予科練第1期生)

・角田和男 氏(乙種5期・零戦パイロット)

・塩月昭義 氏(甲種13期・回天搭乗員)

 

「第8章 予科練平和記念館の歩み」

 

 概要も概要ですが、全体像は以上のようになります。

 

 人間には生死の別れという定めがあります。第7章でご紹介した伊藤進さん、角田和男さんも今は故人です。戦争があった時代を生き抜き、そして現代まで長く人生を歩んでこられた方々の言葉には、現代人が発し得ない重みがあります。

 私たちのような戦争を知らない、そして平和のありがたみも本当に分かっているのかどうか危ぶまれる人間たちには、本当に貴重な教訓をこの本から得ることが出来ます。

 

 一人でも多くの方に読んでいただくことを心より願っています。

 

 定価:3,500円

 販売:予科練平和記念館売店

    ※遠隔地にお住まいの方には、書籍代+郵送料、を現金書留でお送りいただくという方法もございます。

     詳細は予科練平和記念館まで。℡ 029-891-3344

防衛大臣がご来館になりました

5月 24th, 2014

 

 今年も花との出会いが早まっている、と先回のブログでも書きましたが、アヤメもまた然り、のようです。

 例年、6月には、こちら予科練平和記念館へ潮来のアヤメ祭を満喫された後にお立ち寄りくださるお客様が多くいらっしゃいます。他の花々の早熟ぶりに待ちきれずか、アヤメの成長も1週間ほど早いように聞きました。百花繚乱を締めくくる紫の花々も、今年は美しく咲き誇るように予想されています。

 梅雨入り前の爽快な空気にも包まれて、本当に生きているだけで喜ばしい季節です。

 

 さて、ご紹介が遅くなりましたが、今年の桜も落ち着いた4月16日(水)に、小野寺五典(おのでら・いつのり)防衛大臣が予科練平和記念館を視察されました。

DSCF1180

 当初、1月20日に予定されていましたが、自衛隊に事故が起きたこともあり延期となっていました。今年の冬はとりわけ寒かったですから、暖かくなった4月にお越しいただいたことで、この阿見町への印象もアップしたのではないかと思います。天の助けは日頃の行いがよかったおかげ、と考えておきましょう。

DSCF1184

 当日は、ご到着地の霞ヶ浦駐屯地に朝からものものしい警備が敷かれているのを見て、大臣が移動することはとても大変なことなのだと実感しました。

 そのようなご多忙の中、また警備も大変な中、予科練平和記念館を視察いただけたことはとても光栄なことと考えました。

DSCF1186

 当日は予科練平和記念館長をはじめ、阿見町職員がお迎えし、館内をご案内しました。

DSCF1190

 「予科練」は歴史の教科書にも掲載されていない事柄ですから、あるいは小野寺大臣におかれても、知悉されているとは言えなかったかもしれません。

 予科練平和記念館歴史調査委員でもいらっしゃる、元予科練甲飛14期生・戸張礼記氏がご案内に加わると、小野寺大臣もさらに傾聴してくださったように思われました。

DSCF1194

 現在の複雑な国際情勢においては、様々に難しい問題が存在し、単純に割り切ることが難しいことばかりなのだと思います。

 しかし、戦争があった方がよいのか否か、つまり「国と国とで人の殺し合いをした方がよいのかしない方がよいのか」という問いに対しては、何時でも何処でも簡単に答えが出せることでしょう。

 戦争を知らない世代に属する予科練平和記念館職員が職務に就く際肝に銘じているその事柄について、きっと小野寺防衛大臣にもご理解いただけたのではないかと考えています。

 館を離れる際に「ありがとうございました」と小野寺防衛大臣は言ってくださいましたが、その言葉の強さや目の輝きからも、予科練平和記念館が発信する平和へのメッセージを確かにお受け取りくださったと私たちは考えています。

夏へ

5月 10th, 2014

 今年も花との出会いが早まっているようです。

 例年なら黄金週間中に1年ぶりの対面を果たすツツジや藤も、4月の終わりには盛りの姿を見せました。気候の関係で花々にもしっかりした理由があって咲いているのでしょうけれど、いつにない早熟ぶりを見ると「前もって予告してくれないか」とでも花々に希望したい気がします。

 予科練平和記念館も色とりどりに取り囲まれました。ありがたいものです。

 IMG_0621

 

 さて、予科練平和記念館では月に2回ほど、各種のイベントを催していますが、今回は3月22日(日)に行われた「おはなしおさんぽの会」をご紹介します。

  いつもありがたいことですが、まず霞ヶ浦高校演劇部のお兄さんお姉さんたちに、小さな子どもさんへの読み聞かせをお願いしました。

DSC_1772

 子どもたちは本と読んでくれるお兄さんお姉さんたちの顔をじっと見て、目を輝かせて集中していました。子どもの頃に本を読んでもらった記憶は、大人になってからもたいへんよい思い出として残るものです。今回遊びに来てくれた小さなお友だちが過ごした時が、よい時間であったことを祈りたいと思います。

 

 それから、今回初めて「おもちゃの病院」を開催しました。

DSC_1770

 昔と今ではおもちゃの種類も質も異なりますが、壊れてしまっても捨てられない、いつまでも大事にしておきたいおもちゃはいつの時代にもあるものでしょう。今回は、土浦生涯学習センターでボランティア活動をされている「ドクター」に来ていただきました。

 物を大事にする心は人を思いやる心に通じると思います。人を思いやる心に満ちた社会はきっと明るい社会になるはずです。予科練平和記念館としては、おもちゃドクターのお力を借りながら「物を大事にする心」を育んでいきたいと考えています。

 

 また、昔の遊びとして、今回は紙とんぼ作りも行いました。いつもは放課後児童クラブなどで、やはりボランティア活動をされている先生方に来ていただき、楽しい一時をもつことができました。

DSC_1832

 遊びというものは、ほんのちょっとした工夫で何倍にも楽しくなるということを教えられます。これは、遠い将来にも役立つ「知恵」を養うことにつながると思います。

 みなさん、賢くなる遊びを予科練平和記念館でしてみてください。

 

 あと、音楽の遊びも今回初めて開催しました。演奏会を開いていらっしゃるプロの方々にボランティアでご協力いただきました。

DSC_1788

 昨年の秋に予科練平和記念館はピアノのご寄贈を受けましたが、ピアノも自分を生かしてくれる人に巡り会えて、さぞかし喜んでいたことと思います。

DSC_1803 

 楽しい音楽、美しい音楽を聴いていると、心が大きく開いていくことを感じます。大きく広がった心には色々なことが吸収されていくでしょう。また、赤の他人であったお隣りさんと友だちになってしまうこともあるでしょう。

DSC_1783

 美しい音を奏でる力をもった方々のお力を借りて、よい明日を自身に導いてこられるよう、みなさんどうぞご参加ください。

DSC_1825

 

 予科練平和記念館ではイベント情報を随時ご提供いたします。

 予科練平和記念館で楽しい、有意義なひとときをこれからもお過ごしください。

祝!25万人

3月 27th, 2014

みなさま、いかがおすごしでしょうか。

 

本日3月27日、予科練平和記念館では、来館者数25万人を突破いたしました!

小雨の降る少し肌寒い陽気となってしまったなか、

お迎えした記念すべき25万人目のお客様。

IMG_4503

埼玉県 越谷市からお越しいただいた片野 凌さん。

片野さんは大学生で、今春から4年生に。

今日は、卒業論文のための勉強に当館へお越しいただいたそうです。

IMG_4496

記念のくすだまを割っていただいた後、25万人の認定証と、

ささやかながら当館で用意した記念品をお贈りしました。

IMG_4498-1

このあと、館内をじっくりと時間をかけてご覧になっていました。

片野さんの研究に、少しでもお役にたてればうれしいです。

 

 

予科練平和記念館は今年2月2日に開館四周年を迎えました。

有難いことに毎年たくさんのお客様にお越しいただき、

25万人というおおきな節目の数を迎えることができております。

お越しいただいているお客様、ご支援をいただいている方々への感謝の気持ちを忘れずに、

これからも、展示、運営をしていきたいと思います。

最近

3月 25th, 2014

みなさまいかがおすごしでしょうか。

先週には、春一番が吹きまして、暖かな陽気を運んできてくれました。

気温は上がってきているのですが、当館の周りには風を遮るものが少ないので、相変わらず風は強いです。

風さえなければ過ごしやすい春先、館内ラウンジにある大きな窓から降り注ぐ穏やかな陽光が気持ちいい今日この頃です。

 

最近は、阿見町の商工観光課主導で実施されている、移動販売車が当館に来ています。

IMG_4486

当館の入口左側が定位置です。

IMG_4488

ヤーコンを使用したコーヒーや、湯苺を使用したスウィーツなどを販売しています。

町内のイベントなどへ出店したりもしますが、基本的には当館入口横にて販売をおこなっております。

土日も出店していますので、お隣の公園に遊びに来た方もご利用いただけます。

コーヒーは館内の無料ラウンジでお飲みいただけますし、お土産においしいスウィーツはいかがでしょうか。

 

 

さて、そんな予科練平和記念館ですが、現在、企画展「予科練生たちの日常~少年の素顔~」を実施しております。

連日厳しい訓練に明け暮れていた予科練生たちの、日々の姿を残した写真や、実際に使われていた品などを展示しています。

 

そんな展示品のなかで、今回お話するのは、予科練の制服についてです。

予科練の制服と聞いて、まず思い浮かぶのが「七つボタン」と呼ばれていた詰襟の制服です。

428(6)

この制服は予科練というイメージの大きな部分を占めていました。

そんな「七つボタン」ですが、じつは予科練の存在していた昭和5年から昭和20年までの15年間のうち、たったの3年間しか使用されていません。

昭和17年に服制が改正され「七つボタン」になるまでの12年間、予科練生たちは全く別の制服を着用していました。

木村孝正さん

海軍の伝統的な制服、水兵服です。いまでもセーラー服という名前で有名ですね。

女子中学生などが制服として着用している姿が良く見受けられます。

もちろん予科練生はみんな男性なのでスカートは穿いていませんよ、上着と同系色のズボンを着用していました。

 

当時は通称ジョンベラとも呼ばれていたこの水兵服。

通称の語源は、イギリス人を意味する「John Bull(ジョンブル)」という単語だと言われています。

今回の展示では、このジョンベラ姿の予科練生たちの写真も展示されています。

 

休日の外出時にクラブで寛ぐ彼らの姿を見ると、表情から歳相応の幼さを見て取ることができます。

軍人としての顔ではない、その人その人の普段の姿が感じ取れます。

 

 

すっかり気温も上がり、過ごしやすい日々が戻ってきました。

お休みの日に散歩がてら、移動販売車の売店をのぞいてみたり

無料で入れる館内ラウンジでのんびり読書をしに来ていただけるのを

予科練平和記念館スタッフ一同お待ちしております。

予科練の暖房

3月 16th, 2014

おはようございます。こんにちは。もしくは、こんばんは。

先日、予科練平和記念館の入場者数が24万人を超えました。

これは予科練制度15年間の入隊者数24万人と、ほぼ一緒の数字です。

また、平成26年2月2日(日)には、当予科練平和記念館は4周年を迎えました。

単純に比べられるものでもありませんが、入場者数が入隊者数を追い抜くことができましたので、次は15周年、20周年と時間の方でも制度を追い抜きたいと思います。

これらもすべて皆様のおかげです。

ありがとうございました。これからも、宜しくお願いいたします。

 

 

今回は、予科練の暖房の話です。

先月は記録的な雪も降り、まだまだ寒い日が続きます。

天気予報では、そろそろ暖かくなるそうですが、最近の異常気象ぶりをみていると油断はできません。

3月とは言え寒さが残る中、皆様のお宅では冬の暖房器具は何をお使いでしょうか。

エアコン、ストーブ、炬燵(こたつ)に電気カーペット。

冬の就寝時には湯たんぽが手放せないなんて方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、予科練の暖房器具はそのどれでもありません。

当時の戦艦や軍艦と同様に機関部から出たスチームを利用して暖を取っていたようです。

写真 

上の写真は予科練生が就寝時の兵舎巡検の様子を写したものなのですが、写真の右側。

柱の所に金属製の管があるのが御覧いただけると思います。

これが暖房器具です。

阿見町歴史調査委員の方にお聞きすると、当時土浦海軍航空隊では敷地内に機関室があり、その機関(エンジン)で熱を作り、蒸気を出していました。

部隊の敷地内には、いたるところに機関室につながるパイプが張り巡らされており、その蒸気の熱で部屋を暖めていた訳です。

他にも、この蒸気は炊事やお風呂を沸かすなど色いろな用途に使われたそうです。

実際、熱を効率的に使うためか炊事場は機関室に隣接して建てられています。

言うなれば土浦海軍航空隊は蒸気暖房だったわけですね。お風呂は、スチームバスと言ったところでしょうか。

ちなみに機関を動かす燃料はガソリンではなく炭です。それも石炭ではなく、安価な「粉炭(ふんたん)」だったそうです。

暖房ひとつとっても、なんだか新鮮な驚きがあるものです。

 

 

 平成26年3月4日(火)から第七回テーマ展『予科練生たちの日常 ~少年の素顔~』が開催されております。

 今回の展示では、七つ釦(ボタン)の制服以前の水兵服や予科練の入試問題、教科書などにより、常設展の展示から予科練生たちの日常へ一歩踏み込んだものになっております。

IMG_4397

予科練生が実際使用した教科書を元に作製した冊子もありますので、予科練生の勉学を手に取って確認していただくのはいかがでしょうか。

IMG_4396

 

春を迎える

2月 5th, 2014

 豆を蒔き、鬼を追い出し、福は内、と今年の春を迎えましたが、立春の今日は午後から久しぶりの雪を見ることになりました。

 今年は例年になく暖かな1月で、これも異常気象かと思いながらその暖かさを喜んでいたものでした。花粉症の早い訪れに目をこすりながらも…。

 雪が降ると、雪に慣れない茨城の者は「春遠し」と短絡的に思いがちですが、清めの雪、また潤いの雪、と考えることもできるでしょう。人間の生の営みに欠かせない清い水を、雪という白さで飾ってくれました。

 この日の夜は雪のために明るく感じられたはずです。

 

 さて、去る1月26日(日)には、昨年から開催となった「寒中祭」が行われました。

DSC_1684

 正月を過ぎると、外は寒いし、日暮れもまだ早いし、となんとなく寂しくやることが少ない1月の生活に「喝」を入れる寒中祭です。

 参加者が皆乾布摩擦を「えいしょ、えいしょ」とするわけではなく、とにかくみんなで楽しく遊びましょう、ということが祭りの趣旨になります。

 今回は、予科練平和記念館のイベントには欠かせないミニトレインの運行はもちろん、県南生涯学習センターボランティアの方々にご協力をお願いし、たいへんにぎやかな遊びの集いとなりました。

 演目は以下の通りでした。

◇ミニトレイン

DSC_1702

◇腹話術

DSC_1750

◇マジック

DSC_1754

◇バルーンアート

DSC_1718

◇押し花しおり作り

DSC_1722

◇ストロー笛&紙ホイッスル

 DSC_1711

◇的当て

DSC_1735

◇パチンコ・迷路

DSC_1734

◇CDこま

DSC_1733

 当日はたいへん多くのお客様にお越しいただくことができました。

 予科練平和記念館に親しんでいただくことで、戦争を知らない人間がこれからの社会を作っていかなければならない、という大きな課題にも向き合っていただけるのではないかと考えております。

 今後も予科練平和記念館では各種のイベントを開催してまいります。

 皆さん、どうぞお気軽に遊びに来てください。

 ご来館を心よりお待ちしております。