おはようございます。こんにちは。もしくは、こんばんは。
5月も今週で終わり、来週からは6月です。
6月と言えば、衣替えの季節。登下校中の中学生、高校生の制服も涼しげになることでしょう。
かく言う予科練平和記念館でも一足先に衣替えを行っておりまして、5月から阿見町役場 統一基準のクールビズとなりました。
男性陣はネクタイが外され、女性陣も制服の上着を脱いでおります。
皆様はお気づきになられたでしょうか。
歴史を紐解けば、平安時代の宮廷行事には既に衣替えがありました。時代が下り、鎌倉時代の衣替えでは、服どころか調度品まで替える一大イベントになっています。
今とは気合いの入れ方が違いますね。
旧暦なので現在の日付(6月1日)とは暦がずれて、4月1日からの衣替えですが、もはや一種の文化行事です。
昔の人の気構えを思い、私達も薄着と言う事で、だらしない恰好にならないよう気を付けていきたいと思います。
ちなみに、日本海軍が参考にしたイギリス海軍では衣替えはありません。そもそもイギリスでは季節での寒暖の差があまりなく、英語自体に、「衣替え」という意味の言葉がないのです。
明確な日付がないので、一般の人々等は寒ければ長袖、暑ければ半袖と、めいめい勝手に服を替えているそうです。
さて、そんな日本の風物詩である衣替えですが、もちろん予科練生にも衣替えがありました。
6月1日に一斉に行われるのは現在と同様ですが、一度に夏服から冬服へと完全に変わった訳ではないようです。
当館で活動している歴史調査員の方に伺ったところ、まず6月1日に上半身は夏服、下半身は冬服の、通称「ハンクロ」スタイルに衣替えします。
このハンクロは、漢字にすれば「半黒」と書きましょうか。
夏服である第2種軍装の上着の色は白で、冬服である第1種軍装のズボンの色は黒。
(正確には濃紺ですが、この場合は黒と呼んだようです)
「半分だけ黒」だから「ハンクロ」ですね。
そして、一ヶ月後の7月1日に、もう1度衣替えをして上下共に夏服となります。
6月では、まだ肌寒い日もあると言う事でこういった移行期間があったようです。
近年は温暖化の影響なのか、6月は既に夏と言う気もしますが、昭和の6月はどうだったのでしょう。
暑かったのか、寒かったのか、暖かかったのか。
季節の変わり目は体調を崩しやすいですし、日射病、熱射病の恐れもある時期です。
予科練生のように、余裕を持った衣替えで、お体ご自愛くださいませ。