みなさんこんにちは。
現在、水戸芸術館で行われている
「水戸岡鋭治の鉄道デザイン展 駅弁から新幹線まで」を見て、
鉄道の魅力に目覚めそうな学芸員Wです。
水戸岡さんは、JR九州新幹線「つばめ」や「ソニック」、特急「ゆふいんの森」などの
デザインを手掛けたことでも知られるデザイナーさんで、
世界最高の鉄道デザイン賞「ブルネル賞」を4度受賞なさっているそうです。
すごいですね!!
鉄道以外にも、駅舎、バスから家具まで、その仕事は幅広く、使う人のことを考えた
あたたかで心地よい空間デザインが魅力です。
「心地よい空間を作れば、人間はリラックスして、楽しくなり、笑顔になり、
一言しゃべりたくなり、歌いたくなる。そういう空間を作ることが、デザインの
仕事だと思います。(中略)豊かな対話というものは、精神的にも肉体的にも
心地よい環境でなければ、なかなか実現しません。そのために、素材、色、形、
使い勝手のすべてをデザインしなければなりません。それらがすべてそろったときに、
おのずと心地よさが生まれて、豊かな気持ち、対話が生まれると思います。」
(「メカライフな人々№24 (株)ドーンデザイン研究所代表 水戸岡鋭治氏」
『日本機械学会誌』2010.3 Vol.113より抜粋)
水戸岡さんのこの言葉を理屈抜きに実感できる展示で、デザインのおもしろさ、
奥深さを改めて感じました。
また、空間の大切さということも再認識しました。
予科練平和記念館が扱うような、歴史的でありながらとても個人的な資料を
展示するうえでも、空間は大切な要素だと思っています。
その資料が持つ意味をどうやったらうまく伝えることができるのか。
資料にとっても見てくださる方にとってもいい空間はどんなものなのか。
いろいろと考えることができた今回の展示でした。
あそべるしかけも考えられていて、展示室内でスタンプラリーが楽しめたり、
室内を走っているミニトレインに乗ると、係のおねえさんが手を振ってくれたりします。
車内の売店が再現されている展示室では、実際にものを買ったり食べたりすることも
できます。
私がうかがったときには、5~6名のお母様方が、ジュースを飲みながら
お話の花をたくさん咲かせていらっしゃいました。
「水戸岡鋭治の鉄道デザイン」展は、今月30日まで開催していますので、
みなさんもどうぞ足を運んでみてくださいね。
水戸芸術館
http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=330
さて、今日から9月。
8月半ば過ぎからは夏の終わりのさみしさを感じていましたが、
9月に入ったとたん秋への期待が強まってきました。
残暑の厳しさは変わらないのですが不思議なものです。
今夏、予科練平和記念館では初の試みとして、8月11日(土)と25日(土)の二日間、
夏休み中のお子さんを対象としたイベント
「ものしりおじいちゃんに聞こう!阿見の昔のはなし」を開催しました。
当館のブレーン、歴史調査委員さんたちが、お客様からの質問に
直接お答えするというものです。
一見、企業説明会のように見えますが、
夏休みの宿題を持ったお子さんがお話を一生懸命に聞いています。
戦争のこと、空襲のこと、戦争中の暮らしのこと。
いろんな質問をしています。
時にはマンツーマンでお話をします。
町内の小学生が町の歴史などを調べる「まちづくり探検隊」の隊員さんたちも
来てくれて、熱心に質問をしていました。
お子さん以外の方も。
ワイワイお話をするなかから新たな発見も出てきます。
今回お話をしてくださった歴史調査委員さんたちは、町で発行した図書『阿見と予科練』
『続・阿見と予科練』を執筆なさっており、町の歴史や戦時の歴史にとてもお詳しい方々です。
メンバーには元予科練生もいらっしゃいますので、ご参加くださったみなさんには、
普段の講演会などでは聞けないお話も聞いていただけたのではないでしょうか。
調査委員さんたちは、毎週水曜日に記念館に集まってお仕事をなさっています。
今回参加できなかったけど知りたいことがある、というみなさん。
よろしければ水曜日にお越しください。
4名のものしりおじいちゃんたちがいろいろと教えてくださいますよ!
現地調査ででかけていることもありますので、事前にお電話でお問い合わせ
いただくと確実です。