調査中

12月 15th, 2010

みなさんこんにちは(^^)/


館内から見える霞ヶ浦の上には、銀灰色の雲がゆっくり流れていて、

夏には青々とした大きな葉っぱが揺れていたハス田には

茶色く枯れて折れた茎がさくさくとささっています。

冬の霞ヶ浦は旅情を誘いますね。


さて、現在館内のあちこちにはこのようなものが置かれています。



これは、あの茶色くてつやつやしていて、長い触角でカサカサ動く、

いわゆるGに入っていただくものに似ていますが、それ用ではありません。


館内の資料に害を与える虫が入ってきていないか、

どんな経路でどんな虫が入ってきているかなどを調査するためのものです。


現在予科練平和記念館では、館内の環境調査をしています。

これ以外にも、サーモグラフィーで建物に隙間がないかどうかや、

「虫の目カメラ」というもので、虫が好む光を出していないか、などの調査をしました。


多くの博物館、美術館でも、館内に侵入してくる虫などの対策には頭を悩ませています。

小さな虫を完全に防ぐのは不可能に近いことですが、進入経路を

調べて、なるべく入ってくるのを防ぐように努力しています。


予科練平和記念館でも、お客様に展示室内でのご飲食をご遠慮いただいて

おりますが、これも虫の侵入や繁殖を防ぐ目的もあってお願いしております。



こうした調査用のトラップを設置してから1週間以上過ぎました。

毎日、ちょっとこわいながらも何がいるかチェックしていますが、

入り口付近にはいわゆるゲジゲジがかかっていました。

細長い体に足がたくさんある虫で、インターネットで調べてみると、意外なほど高速で

走り回ると出ています。


・・・ゲジゲジ・・・おそろしい・・・。


想像するだけで体温が下がります。



寒くなるような話ついでに開館から今までのことを振り返ってみると、

ちょっと背筋が凍る侵入者がいたことがありました。


ある日の朝、スイッチを切った状態で記念館の入り口の自動扉を開けるため

(つまり開けっ放しにするため)玄関先へ向うと、

自動扉の内側に細くて長いへびが・・・。

小さなへびだったので、多分入り口の隙間から中に入り込んでしまったのでしょう。

スリムでとてもきれいな姿をしたそのへびには、黒目がちでつぶらな瞳だし、

小顔だし、と、かわいい要素はたくさんありました。

しかし、それよりも何よりも、人間はへびに危険を感じる情報が本能に刷り込まれて

いる、という説は本当なのだなと思いました。


息をのんで固まる私。

つられて固まるへび。


ほかの職員が休みの日だったので、誰にも助けを求めることができません。

入り口扉を開けて事務室へ逃げ込みました。


しばらくたって、もういないかもしれないという希望的観測で事務室を出ると、

なんとこちらに向ってそろそろと進入してくるへびが!

へびもこわごわ進んでいるらしく、ちぢれたらーめんのように

細かく波打っています。


もはやこれまで!と思ったとき、タイミングよく保守点検の業者さん(男性)が

にこやかにやってきました。


私「すいません・・・ちょっとお願いがあるのですが・・・へびを外に出してください・・・( iдi )」

業「えっ?へびですか?!!(へびを見つけ)うぉっ!!!Σ( ̄ロ ̄lll) 

 ・・・私へび苦手なんですよ~」

私「そこをなんとか・・・ 」

業「・・・わかりました・・・。じゃあ道具を取ってくるんで、ちょっと待っててください・・・(´Д`;)」


余計な仕事を頼まれてしまった業者さん。

ほうきを手に戻ってくると、「うわっ!」「ほわぁっ!」と言いながらへびを

外に掃きはじめました。

あきらかに腰が引けています。

うねうねしながら掃かれていくへび。

格闘すること約2分(?)。

業者さんのひときわ大きい「わぁぁぁ~!」という掛け声とともに、

まるで氷の上をすべるカーリングの石のように、へびはしゅるしゅるしゅる~っと

遠くへ掃き飛ばされていきました。


一仕事終えてほうきを手に帰還する業者さんのバックには、エアロスミスの

「I DON’T WANT TO MISS A THING(邦題:ミス・ア・シング 映画「アルマゲドン」

主題歌)」が流れているようでした。

勇敢な一人の男の活躍で、今日も地球の平和が保たれた、という感じです。



開館していく中には、いろんなことがありますね。

調査は今月下旬には終わりますが、調査結果をもとにして

よりよい展示環境づくりをしていきたいと思います。




受賞の重み

12月 9th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

今日も真っ青な冬空が頭上に広がっていた予科練平和記念館です。


さて、おかげさまで予科練平和記念館は、今年デザイン関係の賞を

3つもいただくことができました。

先日7日(火)に東京・六本木で授賞式がありましたので、その模様をお知らせします。



最初はディスプレイ産業賞の表彰です。

ディスプレイ産業賞は、社団法人日本ディスプレイ業団体連合会が主催するもので、

デザインが優秀であるものや、ディスプレイ産業や地域に貢献すると

認められた作品に贈られます。


応募総数812点の中から大賞(経済産業大臣賞)1点、優秀賞3点(経済産業省

商務情報製作局長賞)、特別賞1点(日本経済新聞社賞)、その他が選ばれ、

予科練平和記念館は特別賞をいただきました!!



賞状とたてです。おしゃれですね。



お昼をはさんで、午後からはディスプレイデザイン賞の授賞式です。



ディスプレイデザイン大賞は、社団法人日本ディスプレイ協会が主催するもので、

今年で43回目になる歴史ある賞です。

応募総数796点の中から、大賞1点、優秀賞・奨励賞各10点ほかが選ばれました。


次々と受賞作品と製作者の名前が発表され、受賞の喜びを語る晴れがましい雰囲気の中、

最後に予科練平和記念館の名が読み上げられました。

大賞贈賞のときだけ音楽が鳴らされ、それで一番上の賞をいただくんだなぁということを

実感しました。


展示、建築デザイン担当の(株)乃村工藝社の方々と一緒に壇上にあがらせていただき、

ステンレス製(さすがデザイン関係の賞だけあって、紙ではありません)の

賞状とスタイリッシュなトロフィ、今年度の受賞作、応募作をまとめた年鑑をいただいた

ときには、

仕事に追われプレッシャーにつぶされながら夢中で過した準備の日々を思い出して、

なんだかじーんとしてしまいました。



デザイン大賞はなかなかいただける賞ではないので、

予科練平和記念館を担当してくださったチーフデザイナーの吉永さんも

本当に嬉しそうで、スピーチからもそれが伝わってきました。


予科練平和記念館の受賞にあたっては、「予科練」と呼ばれた昭和の少年たちの

生き方を追った展示と、

彼らがあこがれた空を効果的に配した建築が融合して、全体が「命」のメッセージを

伝えるモニュメントになっている、という点が評価されたそうです。



お話しをいただいた長岡造形大学の豊口 協理事長です。

豊口理事長は、子どものころ予科練にあこがれていて、

小学校を卒業したら予科練に入りたいと思っていらっしゃったそうです。

白いマフラーをかっこよく巻いて大空を飛びまわる飛行機乗り。

これほど当時の少年たちの夢をかきたてたものはなく、戦争という悲劇がなければ、

予科練は空への夢を育む場であった、とおっしゃっていました。



ディスプレイデザイン賞とほぼ同時刻に、別な会場では

社団法人日本商環境設計家協会が主催するデザインアワード2010の

授賞式がありました。

これは優れた空間デザインに送られる賞で、日本のみならずアジア地域からも

作品を広く公募しているものです。

予科練平和記念館はこちらでも金賞をいただきました。



これまでたくさんの才能や力が集まり、多くの人たちの手によって形になった

記念館ですので、

こうして評価していただけたことを本当に嬉しく思います。


また、(財)海原会、元予科練習生をはじめ、たくさんの皆様のご協力によって

作られ、支えられている記念館ですので、これからも多くの方にご覧いただけるよう

職員一同頑張ってまいりたいと思います。


今後ともよろしくお願い申し上げます。





受賞報告

12月 5th, 2010

みなさんこんにちは(*^ー^)人(^ー^*)

今日は快晴。雲一つない青空です。

風は少し冷たい感じでしたが日差しがとてもあたたかく、予科練平和記念館も

ぴかぴかと光っていました。



外の芝生では、ピクニックしている若いご夫婦と小さいお子さんをお見かけしました。

幸せそうな姿がとってもほほえましくて、見ていてこちらまで幸せな気分になりました。



さて、おかげさまで予科練平和記念館は今年3つの賞をいただくことができました!!


2010ディスプレイデザイン大賞受賞!!

2010ディスプレイ産業特別賞(日本経済新聞社賞)受賞!!

JDCデザインアワード2010金賞受賞!!


これらは優れたデザインに贈られる賞で、予科練平和記念館の空間デザインや

コンセプトなどが評価されました。


ひとつのものがかたちになるということは、見えるところ、見えないところも含めて

たくさんの人たちの努力や支えがあってこそだと思います。

予科練平和記念館もそうしてできた施設ですので、評価していただけたことを

本当に嬉しく思います・:*:・°’★,。・:*:・°’☆


授賞式は明後日7日(火)です。

式の様子などは次のブログでご報告したいと思います。


まずは、これまで予科練平和記念館を応援してくださった皆さんに

心から御礼申し上げます。


「売店紹介」

11月 28th, 2010

11月28日(日)

今年も残すところ1ヶ月余りとなり、
朝夕の寒気が身にしみる頃となりました。
ここ予科練平和記念館界隈(かいわい)でも紅葉の真っ盛り、
目を楽しませてくれると同時に、何か物寂しさを感じさせる時節でもあります。
皆さんは、どんな晩秋をお過ごしですか?

予科練平和記念館は、今年2月のオープン以来、
今月で10ヶ月になりますが、7万人以上のお客様をお迎えし、
1年目としては、皆様のお力添えにより順調な滑り出しとなりました。
ありがとうございます。
今後とも満足いただける館運営に、努めてまいりたいと考えております。

さて今回は、予科練平和記念館内にあります売店を、
ご紹介いたいと思います。
この売店は、阿見町商工会で運営しており、
記念館の開館時間に合わせて開店しています。

こちらで取り扱う商品は、
予科練にちなんだ記念館グッズ(ハンドタオル・ストラップ・絵葉書など)から、
地元の特産品のお米やヤーコン茶を始め、
予科練の酒や赤とんぼプラモデル・民芸品など58点を販売しています。
記念館で編纂した図書も、この売店に販売してもらっています。

売店の売り子さんに聞いた売れ筋商品は、
予科練のまちクッキー(ヤーコン入り)・
予科練のまち(茨城産の美山錦100%の純米酒)・携帯ストラップ、
それに図書では、公式ガイドマップや
予科練ものがたり(小学生にも解る予科練本)などだそうです。

ご来館の際には、是非立ち寄って頂きたいコーナーです。
また、売店は、入館料無料でご利用頂けますので、
ご贈答品、ご挨拶のお土産品に、
予科練平和記念館の商品をご利用してはいかがでしょうか?

秋の柔らかな日差しが差し込む記念館で、
スタッフ一同お待ちしております。どうぞお立ち寄り下さい。

今シーズンの冬は、寒さ厳しいと長期予報で発表されました。
皆様お体には十分気をつけて師走をお過ごし下さい。

館長 糸賀 富士夫

 

売店紹介1

売店紹介2

売店紹介3

 

若葉の頃を過ぎて

11月 25th, 2010

みなさんこんにちは☆彡

肌寒い曇り空の下に、ちょっと寒そうに建っている予科練平和記念館です。


11月23(火)・24(水)は館内修繕工事のため臨時休館とさせていただき、

ご来館予定をたてていただいた皆さんには、大変ご迷惑をおかけいたしました。


本日もまだ少し塗料のにおいが館内にただよっています。

ちょうど一年前の今ごろは展示工事の真っ最中で、同じようなにおいがしていました。

次々と展示パネルやケースが運び込まれて、どんなふうになっていくのかわくわくする反面、

無事に開館できるのだろうかというプレッシャーでつぶれかけながら

仕事に追われる毎日でした。


今こうして毎日お客様をお迎えすることができるのは、本当に有難いことだなぁと

改めて思います。



さて、先日20日(土)の夕方にはレコード鑑賞会を行ないました。



写真は、元予科練生の戸張さんがお話しをしているところです。

中央に写っているのが卓上型蓄音機「ビクトローラ」。

1932(昭和7)年ごろにつくられたもので、とても味のある優しい音を聴かせてくれます。


10月23日(土)の回と同じ内容でお送りいたしましたので、詳しくはこちらをご覧ください。

 https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20101027


前回の最初は、グノー作曲の「アヴェ・マリア」でしたが、

今回はリストの「ラ・カンパネッラ」にしました。

超絶技巧で知られたイグナーツ・フリードマン(1882-1948)の演奏です。

「ラ・カンパネッラ」の響きが晩秋の夕暮れに合うような気がしましたので、

独断と偏見で選んでみました。

今年度のレコード鑑賞会はこれで終わりとなりますが、次年度以降も

また新しい企画を行なっていきたいと思いますので、皆さんのご参加を

ぜひお待ちしております。



予科練平和記念館のまわりのハス田では、れんこんの収穫作業が続いています。



夏には青々と大きな葉っぱがゆれていたハス田は、今こんな感じです。

この下にはおいしいレンコンが隠れているんですね。

今日は白鷺もやってきて、しばらく佇んでいました。


もうすぐ12月。いつの間にか外は冬の姿に衣替えしていました。


アルマ

11月 14th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

本日は時々薄日が射すくもり空。ややアンニュイな感じの予科練平和記念館です。


先日12日(金)の土浦市立博物館さんの企画に外部講師として

参加させていただいた霞ヶ浦クルーズの様子を、

昨日13(土)に茨城新聞さんが記事にしてくださいました。

ありがとうございます!


来週20日(土)には、土浦市文化課の学芸委員さんが、民俗学的見地からみた

霞ヶ浦についてお話をしてくださいますので、

お時間がございましたら、ぜひお運びくださいね。

普段とはちょっと違った霞ヶ浦の姿が見えてくると思います。


同じ20日(土)の夕方5時半から、予科練平和記念館では

昭和のレコード鑑賞会を行ないます。

前回の様子はこちらのブログ

https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20101027

をご覧ください。


前回はグノー作曲「アヴェ・マリア」を最初にかけましたが、今回は別の

ピアノ曲をお届けしたいと思っております。

その他は前回と同じ曲をおかけしますので、聴きそびれてしまった方、

もう一度聴いてみたい方、ぜひご参加をお待ちしております。

入場は無料です。(展示もご覧になる方は午後4時半までにご入館ください。

展示室は午後5時で閉まります)



さて今日は、1冊の本をご紹介したいと思います。


ちょっと前ですが、ヴィレッジヴァンガード(面白い雑貨や本が独特な雰囲気で並べてあって、

かなり楽しいお店です!)をうろうろしていた時に見つけた、

『さよなら、アルマ』(水野 宗徳著)という本です。


帯には、「祝 出征 アルマ号」と書かれたのぼりのとなりに、

寄せ書きがされた日の丸をつけたシェパードが座っている写真があります。

『さよなら、アルマ』は、著者の水野さんが図書館で偶然見たこの写真から紡ぎ出された物語です。


戦時中、人間と同じようにたくさんの犬が軍用犬として戦地に送られました。

詳しい記録が残っていないため正確な数字はわからないものの、その数は

10万頭以上ともいわれているそうです。

試験に合格して訓練を終えると第一線に送られ、様々な任務につきます。

飼い主のもとに戻れたのは、ほとんどいなかったそうです。


大学予科に通う主人公朝比奈太一は、ひょんなことからシェパードの

「アルマ」の面倒を見ることになります。

国民学校(今の小学校)生徒の健太とチッチにとっても、アルマは大の仲良しでした。


戦争が始まり、人間の食べ物も少なくなるなか、居候学生の太一には肉を中心とした

アルマの食事を用意することが難しくなってきます。

社会の雰囲気も、次第に普通の雑種犬を飼うことさえもこそこそと陰口を言われるような

ギスギスしたものになっていきます。


すばらしい身体能力と頭脳をもったアルマの能力を最大限に発揮させて

あげるにはどうしたらいいのか。


悩んだ太一が出した結論は、アルマを軍用犬にすることでした。

健太やチッチの反対を押し切って受けた軍用犬試験に、アルマは見事合格。

「金剛号」と名前を変えられ、戦地へ送られていきます。


自分のしたことは本当に正しかったのか。

悩んだ太一はある決心をします。


物語の最後にはぐっと胸が痛くなり、もし犬を飼っている方でしたら

すぐに愛犬のもとに飛んでいってぎゅーっとしたくなります。

ふかふかの毛皮に顔をくっつけて、こうして一緒にいられて嬉しいなぁと

しみじみ思われると思います。



なんと、『さよなら、アルマ』は12月にNHKでドラマ化されるそうです。

放送日時は、NHK総合で2010年12月18日(土)夜9時から10時18分

NHK教育では12月13(月)~16(木) 夕方6時15分~40分の4回連続です。


アルマ役のシェパードは、警察犬の訓練を受けていたわんちゃんだそうで、

写真を見るとアルマそっくり!

こども店長加藤清四郎くんも出演します。


『さよなら、アルマ』は予科練平和記念館のラウンジにも備え付けてあります。

ラウンジは無料でお入りいただけますので、ぜひお立ち寄り下さいね。


水先案内人

11月 12th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

「立冬」を過ぎて、朝晩だいぶ寒さが増してきましたね。

街のあちこちにツリーやサンタさんが飾りつけられて、もうすっかり

クリスマスの装いです。

予科練平和記念館の館内にも、展示解説員Oさんが作ってくださった

かわいらしい布のツリーが飾ってあります。



クリスマス気分が盛り上がってきました♪


さて本日は、土浦市立博物館さんの企画で、霞ヶ浦を参加者の方と一緒にクルージングしながら

お話しをさせていただきました。


土浦港から遊覧船「ホワイトアイリス号」に乗って30分のクルーズのところ

ラクスマリーナさんのご好意で40分間、ゆっくりとカモメと一緒に霞ヶ浦を遊覧しました。

今日は波もおだやかで、すてきなクルージングになりました。


霞ヶ浦は、はるかな昔より周辺に住む人たちに大きな恵みをもたらしてきました。

また霞ヶ浦の水運によりたくさんのものや人が行き来していきました。

『常陸国風土記』では、霞ヶ浦は「流れ海」と表現され、海とつながった場所、広い世界への

玄関口という捉え方をされていたことがわかります。

江戸時代には、江戸からの物資が船で霞ヶ浦を通ってたくさん運ばれてきました。


霞ヶ浦は日本の航空史においても重要な役割を担います。

沿岸に旧日本海軍の大きな飛行場ができ、一帯は横須賀に次ぐ海軍の

一大拠点となりました。

国際的な飛行場は開戦後には空襲の目標となり、

終戦の2ヶ月前には、B29の大編隊による大規模な空襲がありました。

湖底にはまだその時の爆弾の破片や練習機が沈んでいるそうです。

美しい霞ヶ浦の景色の底には、こうした悲しい歴史の事実もひそんでいます。

こうしてゆっくり霞ヶ浦をクルージングできるというのは、とても幸せなことだと思います。


・・・といったようなお話しをしてまいりましたが、なにぶん半人前の私ゆえ

しどろもどろになってしまってうまくお伝えできず・・・。


帰ってきてから、あれも話せばよかった、これも話せばよかったと後悔しきりです。


それでも、サプライズで展示解説員Sさんが参加してくださり、緊張しいな私は

Sさんの優しい笑顔にとても励まされ、また私のつたない話をじっと聞いてくださった

皆さんのおかげで、とても幸せな時間を過すことができました。


こうした機会をくださった土浦市立博物館の木塚学芸員さんはじめ皆さんに、

心から感謝申し上げます。

またいろいろとよくしてくださったラクスマリーナさん、励ましてくださった

土浦観光ボランティアさん、そしてご参加の皆さん、本当にありがとうございました。


この企画はあと3回あります。

土浦市の学芸員さんたちが、毎回ためになるお話をしてくださいます。

お時間がございましたら、ぜひご参加お待ちしております。


第2回:11月20日(土) 第3回:11月26日 第4回:12月4日(土)

13:30~14:10

詳しくは土浦市立博物館(029-824-2928)へお問い合わせ下さい。



木塚さんには、なんと「れんこんサブレー ハスだっぺ」までいただいてしまいました。

ありがとうございます!恐縮です。


実は個人的に「ハスだっぺ」の大ファンで、以前からよく買って食べていました。

出会いは6年ほど前、前の職場でお土産にいただいたときからです。

レンコンが入ってレンコンの輪切りの形をしていて、そのうえ「ハスだっぺ」のネーミング。

ツボを押されまくって今にいたります。


皆さんもぜひ「れんこんサブレー ハスだっぺ」召し上がってみてくださいね。おススメです。



緊張の糸が切れて、まるで泳いだあとのようなぼんやり感のなか記念館に戻ってくると、

予科練平和記念館の前の桜の木が、小さいながらもきれいに色づいているのが

なんだかはっきりと見えました。

私も頑張って大きくなるね、と心の中で声をかけてみました。



土浦市立博物館さんはこちら↓↓

http://www.city.tsuchiura.lg.jp/section.php?code=43


株式会社 ラクスマリーナさんはこちら↓↓

http://www.lacusmarina.com/


れんこんサブレー ハスだっぺはこちら↓↓

http://tutiura.727.net/kau/index.html#01


ドロシー計画前夜

11月 4th, 2010

みなさんこんにちは(*’-^*)ゞ

今日はとても冷え込んでいる予科練平和記念館です。

木々が色づいて、目に映る風景がすっかり優しい表情になりましたね。

館の周りの桜の木も、小さいなりにめいめいが秋色にお召しかえています。



さて今日はお知らせを一つ。

現在、土浦市立博物館(土浦市中央1-15-18 029-824-2928)では、

企画展「ふたつの霞ヶ浦-カワをわたった人・モノ・情報」

http://www.city.tsuchiura.lg.jp/index.php?code=2856

を開催中です。


期間中、観光船「ホワイトアイリス号」に乗って、

学芸員が案内をしながら霞ヶ浦をクルージングするという企画があります。

この企画「霞ヶ浦を船からながめよう」に、私も呼んでいただけることになり、

11月12日(金)午後1時30分からの回で、みなさんをご案内させていただくことになりました!


土浦市の名だたる学芸員さんたちに混じってちっぽけな力不足の私ですが、

一生懸命頑張りたいと思います!


どのような内容にしようか今考えておりますが(間に合うのか・・・)

身近な歴史でありながら見過ごされがちな、昭和初期の霞ヶ浦の姿を

知っていただけるようなお話ができればと思っています。


お時間がございましたら、ぜひご参加下さい。


見学会「霞ヶ浦を船からながめよう」 ※各日ともクルージング時間は13:30~14:10


第1回 11月12日(金) 担当:予科練平和記念館学芸員

第2回 11月20日(土) 担当:土浦市教育委員会学芸員

第3会 11月26日(金) 担当:上高津貝塚ふるさと歴史の広場学芸員

第4回 12月4日(土) 担当:土浦市立博物館学芸員


ご参加申し込み : 土浦市立博物館にお電話またはご来館の上お申し込み下さい

料金 : 大人1,500円 こども750円(一般運賃と同じです)

集合場所 : ラクスマリーナ「ホワイトアイリス号」のりば(土浦市川口2-13-6 029-822-2437)

集合時間 : 13:20までにご集合ください


詳しくは、土浦市立博物館(029-824-2928)へお問い合わせ下さい。



さて、明日もしかしたら地球の未来が変わるかもしれないプロジェクトが行なわれることを

ご存知でしょうか。

その名も「ドロシー計画」。


日本時間の11月5日(金)21:00から、世界5大陸12カ国19の学術機関及び天文台で

いっせいに地球外文明からの電波を観測するのだそうです。

オカルトとかそういう類ではなくて、学術的に真剣な

全地球規模でのプロジェクトです。


これは、1960年にコーネル大学の天文学者フランク・ドレイク(現SETI研究所名誉教授)が

行なった電波による地球外知的生命体探索「オズマ計画」から50周年を迎えたことを

記念して行なわれるもので、

計画の中心になっているのは、なんと日本人です。


プロジェクトリーダーの鳴沢真也さん(西はりま天文台)は、もし地球外文明と電波がつながったら

どうしたいですか?というインタビューに、


―どうしたら平和になるのか聞いてみたいです。


と答えていらっしゃいました。


もし、本当に地球外文明からの電波をキャッチすることができて、

「地球のこと、どう思いますか?」と聞いてみることができたら、

どんな答えがかえってくるでしょうか。


このプロジェクトで電波がキャッチされ、確実に地球外文明からのものであると確認された場合、

速やかにマスコミを通じて全世界にニュースが配信されるそうですので、

ちょっと楽しみですね。

ちなみに1977年には、地球外からの通信電波と思われる電波が、アメリカの

オハイオ・ウェスリアン大学の電波望遠鏡で受信されたことがあるそうです。

そのあまりのことに、プリントアウトされた受信記録に「Wow!」と書かれたことから

「Wow(ワオ)シグナル」と言われています。


今回の好奇心にあふれるプロジェクトも、「Wow!」な結果が出るのでしょうか。

ちょっとドキドキですね。


同時に、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」という詩(教科書にも

載っていましたね)をふと思い出しました。



プチ話題

10月 31st, 2010

みなさんこんにちは(*’-‘*)ノ

昨日の台風は大丈夫でしたでしょうか”(ノ´・д・)ノ


こちらも特に大きな被害はなかったようですが、

川が増水していたり、地盤がゆるんでいたりするかもしれませんので、

引き続き気をつけて楽しい日曜日をお過ごしくださいね。



先日、記念館に北海道のある会社の会長様がお見えになりました。

にこやかな笑顔のその方は元予科練生。

16歳で土浦海軍航空隊(現在の陸上自衛隊土浦駐屯地。当館のお隣です)に

入隊、特攻隊にも志願し、

昭和20(1945)年6月10日に阿見町にあった大きな空襲も経験なさったそうです。

記念館建設にあたっては、たくさんご協力をいただきました。


そんな会長様より、北海道のお土産といえばコレ!の銘菓「白い恋人」をいただきました♪

なんと、「白い恋人」には、会長様の会社で卸している小麦粉が使われているんだそうです。

北海道の銘菓は予科練生が支えていたんだー!とびっくりです。


お客様が多く忙しい一日でしたので、スタッフみんなでありがたくいただきました。

疲れた体に甘いものは嬉しいですね。

また、ちょうど北海道がご実家の解説員Mさんが、「じゃがポックル」という数年前から

大ヒットしている北海道のお土産を持ってきてくださったので、

プチ北の大地気分を満喫させていただきました。

たまにこういうことがあると、とっても楽しいですヽ(*’-^*)。



同じ日に、阿見町にある霞南至健中学校1・2年生が見学にいらっしゃいました。

特に1年生にとっては、昭和の歴史はまだ勉強していないので難しかったようです。

案内を担当させていただきましたが、うまく伝えることができたかちょっと心配です'(;・ ・)


それでも、試験の倍率や通信簿、入隊者を増やすために制服をかっこよくしたよ、という

ことなどにみなさんとっても興味を持たれたようです。

第1期生の試験倍率が約73倍だったことをお話しすると“おー!”と声があがりました。


予科練生がお母さんに宛てたお手紙や遺書を紹介したときには、静かに聞いてくれました。

霞南至健中学があるのは元の予科練の敷地ですので、

自分たちの学校があった場所で訓練していた同じくらいの少年たちの姿を見て、

どんなことを思ったでしょうか。


帰りがけに、先生が一人の女の子を紹介してくださいました。

展示室6の空襲の映像の中で、当時の体験を語ってくださっているYさんという

おばあちゃまのお孫さんだそうです。

この方のだんな様は元予科練生。お二人とも大変なご経験をなさっておられます。

映像を撮影したのはとても暑い日で、

暑い上にさらに照明をあてられて本当に大変だったと思うのですが、

Yさんは、空襲を経験なさったときの辛い思い出を、心からの言葉で

お話ししてくださったことを思い出します。

だから展示室6の映像は、何度見てもその度にはっとさせられます。


撮影の合間には、にこにこして編みかけの帽子を見せてくださったことを思い出します。

以前編み物の先生をなさっていただけあって、きっちりそろったきれいな編み目でした。


Yさんのお孫さんは、ニットの帽子をかぶって手足がすらりと伸びた、

かわいらしい女の子でした。



命は続いていくんですね。



「昭和の音色」

10月 28th, 2010

10月23日(土)の午後5時30分、日が沈み辺りが夕闇に包まれるころ、
記念館のラウンジにおいて、当館初のレコード鑑賞会を開催しました。

太平洋戦争の真只中、土浦海軍航空隊でたくさんの予科練生が、
訓練に明け暮れ、束の間の休日に、
聞き入ったであろう昭和初期の歌や音色を、
当時のままお届けできればと企画したものです。

訪れた皆さんは、40名弱と少人数でしたが、
それぞれ当時の情景や思い出を回想させながら、聞き入っておられました。

歌は、世につれ、世は歌につれと申します。
時の流れ、世の移り変わりを、歌は刻んでいるものです。
戦後生まれの我々にも、その当時の情景を、
思い浮かべることができる不思議な力を持っています。
最新のデジタル録音技術の音質には程遠いものですが、
当時の蓄音機とレコードを使用したせいもあって、
その趣のある音色は心に沁み、歴史の重みをも感じることができした。

静まり返った館内に響く音色は、予科練生や兵士たちが、
郷里を想い、家族を想い口ずさんだであろうと思うと、
悲しさと懐かしさの入り混じる不思議な感銘を覚えました。

秋の夜長に、ラウンジを包む空気が、哀愁漂うひと時となりました。

次回は、11月20日(土)午後5:30より記念館で開催する予定ですので、
是非ご来館頂き、ご鑑賞下さい。

館 長 糸賀 富士夫