霞ヶ浦に映るもの

2月 5th, 2012

 寒中お見舞い申し上げます。

  「寒いなぁ」「寒いわねぇ」という朝の挨拶は、今年の寒さを如実に表していたことがわかります。10年に1度とも、20年に1度とも言われる寒波が日本上空にやってきているとのこと。風が強い日には、耳がたちまちに切れそうな感じさえします。

 インフルエンザもこの寒さに乗じて暴れ回っている様子。今年は(今年も?)大流行のようですが、私たち人間も、毎年様々に試されていると言えそうです。

 しかし、雪国に住む方々がたいへんなご苦労をされていることを考えると、乾燥していようが風が冷たかろうが、予科練平和記念館のある阿見町に雪がないことはやはり幸運と言わなければなりません。  

 

 この寒さを知る手掛かりは天気予報ばかりではありません。 

 私が毎朝通る道からも霞ヶ浦を眺めることができます。予科練平和記念館は「阿見坂下」に位置しますが、「阿見坂上」にやって来ると霞ヶ浦が見えてきます。この水の色で私は寒さなどを知ることができるのです。 

 霞ヶ浦は、まるで喜怒哀楽を天真爛漫に表すかのように色を変えて見せます。暖かい日差しが降り注ぐときは青く、寒いときには鶯(うぐいす)色に、ひとしきり雨が降ると土色に変わります。

 本当に霞ヶ浦は心をもっているかのようです。また「晴れていても人の心は曇り」などと言われるように、自身の気持ちの有り様を確認させてくれる鏡でもあるようです。

  霞ヶ浦を控える阿見町には、水陸両用の訓練が行える場所ということで、かつて霞ヶ浦飛行場が開設され、海軍航空隊も置かれました。予科練は初め横須賀で始まりましたが、最後は霞ヶ浦湖畔の土浦海軍航空隊が母なる土地となりました。霞ヶ浦は大きく水をたたえるその存在感ゆえに、人間の営みをこれまた大きく引き寄せ続けているのです。

 

  このたび、阿見町のプレミアムアウトレットから一直線に霞ヶ浦湖畔の国道125号線まで出られる県道が開通しました。島津、という土地に出てくるのですが、その途中からも霞ヶ浦がよく見えるようになります。 

 予科練平和記念館へは突きあたりのT字路を左折してください。霞ヶ浦が湖畔に打ち寄せる片男波を目に入れ、また筑波山を仰ぎ見ながら5分ほどで、当記念館に到着いたします。

 皆様のお越しを、心よりお待ちしております。

お忘れなきよう

1月 26th, 2012

みなさんこんにちは。

学芸員Wです。

日本海側では大雪だそうですね。

予科練平和記念館も冷たい空気にぴりっと冷やされています。

今朝は駐車場の植え込みに背の高い霜柱が立っていました。

 

 

みなさんはこどものころ、霜柱をさくさく踏んで遊んだご経験はありますか?

 

 

ここのところずっと寒さが厳しいのですが、2日前には雪が降りました。

今年に入ってはじめての雪でした。

 

 

 

この日の朝は館の前の道路が大渋滞してしまい、路線バスや観光バスが

急遽お手洗い休憩に立ち寄られる一幕もありました。

 

私Wも出勤するのに車で3時間弱かかってしまいました。

スタッドレスにしておけばよかった・・・と後から後悔しましたが、

ゆっくり走ると、見慣れた景色の中にも思わぬ発見があって、

これはこれでなかなか楽しいものかもしれませんね。

真っ青な空を背景にして、雪化粧した筑波山がとてもきれいでした。

 

 

こんなに寒くても、今日もわんちゃんたちが元気に記念館のまわりをお散歩しています。

窓が多いので、館内から嬉しそうに歩くわんちゃんたちの姿が見えて、

解説員さんともどもなごませていただいています。

 

ほとんどの方はマナーを守ってくださっていますが、ときどき、

お忘れ物をなさる飼い主さんがいらっしゃるようです。

 

楽しいお散歩の後は、わんちゃんのお忘れ物落し物のないよう

今一度お確かめいただければ幸いです。

 

 

 

時間によっては、館のまわりにこんな楽しい影が現れます。

最近お散歩がマンネリ化してきたな・・・と思う飼い主さんと、

新しい世界を開拓したいわんちゃんは、ぜひ記念館にお散歩に

いらしてくださいね☆

お待ちしております。

 

描き出される「心」

1月 20th, 2012

 昨年末頃から茨城には雨が降りませんでした。この前降ったか降らないかというお湿りがありましたが、最近も晴れていました。澄み切った冬空を見上げながら、冬らしい冷たい風が通り過ぎる一角に身を置くこともまた気持ちよいものですが、雨が降らないことがどうも気になっていた、のですけれど…。明日は大寒というこの日、久しぶりに朝から雨に「恵まれている」と言ってよいでしょう。しかも、雪がちらつくかもしれないとのこと。

 仏教で「竜」は水を司る存在なのですが、さて、今年の竜はどのような計画を立てているのでしょうか?

  

 そのような中でも、桜は怠りなく日に日に開花の準備を進めているようです。記念館前の桜も蕾をずいぶん生長させました。私は12月になると桜の蕾に気付きます。それだけ大きくなっているわけです。厳寒への突入口に、来る春を感じられると和みが生まれます。一年をかけてゆっくりと準備を続け、命ある限りその営みを続ける植物の悠久さ。人間の営みにも是非とも取り入れたいものです。

 

 そのようにあくせくと生きている感ありの人間にもミクロコスモス(小宇宙)が広がっていると言われます。

 写真は次の展示を待つ展示スペースの様子ですが、皆さんどのようにお感じになるでしょうか。予科練平和記念館の7つの展示室も、その他ホールなども、もともとは何も存在しない「のっぺらぼう」なのです。その前に立つと茫漠とした気持ちにもなります。

 展示、という行為は、そうした空間に仕掛けを作っていくことと言ってもよいでしょう。それは、例えば真っ白なキャンバスに色、形を置き、ある世界を形作ることと同じと言えます。

 今、皆さんに記念館にお越しいただくと、それぞれの部屋・場から、いろいろな内容を感じていただけることと思います。物や映像などを通して表しているものは「心」です。心というものの在りかを科学的に尋ねると全身の細胞一つ一つが心になるのかもしれませんが、そのような意味でも、また一つの手掛かりからこの世の真理に広くたどり着こうとする働きからも、「心」をミクロコスモスと捉えることにご共感いただけるでしょうか。

 何もないところに色・形を作り出す行為は藝術的活動と言えます。予科練平和記念館は、予科練、戦争の歴史や遺物などを通して平和社会実現を訴えるという藝術の場です。表される藝術性、つまり精神的な内容は「平和を実現する心」です。

 この記念館には強力な援護部隊が備わっています。お隣の敷地には写真のような公園が広がっています。この砂場や芝生の上に、日々異なる絵が描かれているのです。

  子どもたちの足跡、自転車のタイヤ跡、可愛らしいアンパンマンが描かれているときもあります。芝生の上には、時としてゲートボールが、また親子で興じるキャッチボール、サッカーなどなどが元気よく描かれます。こういったものも、未来への明るい希望を灯す藝術の数々と言えるでしょう。

 

 このように藝術とは決して難しく考える必要がないものです。阿見町でも様々な展覧会が公民館などで開かれますし、茨城県内にも大小様々な博物館、美術館があります。どうぞ、広く足をお運びいただいて、いろいろなミクロコスモスに触れていただきたいと思います。

 そして、もちろん身近な私たちの足跡にも目を向けていただくことをお忘れないように。

館長日記    ー母ー

1月 18th, 2012

 早、松の内も過ぎ辰年の活動開始です。

 今年の松の内は例年になく寒さの厳しい日々でした。

 今年も初日の出を楽しみにしておりましたが、曇りの朝となり残念でしたが気持ちを新たに頑張ります。

皆様にとりまして、すばらしい一年でありますよう心からお祈りいたします。

 

 元日を大正月(男の正月)、15日までを松の内と、そして15日を小正月(女の正月)とよびました。

三が日を大変忙しく働いた女の方(母)に休んでいただくことで、この日を女の正月としたそうです。

また、この日は元服の儀式(年齢12~16歳男子が社会的に一人前の扱いを受ける)とされ、

これが後の成人の日となったそうです。成人の日は昭和23年に制定されたされました。

 

 1月12日(木) 北海道帯広市より母(47歳)、子(男ー14歳)の訪問を受けました。

少年が是非とも行きたいとの事であったようです。少年は大変満足され、感激したようでした。

その様子を見た母は少年がとても立派に育ったと感じたそうです。

少年が立派に見えましたが、伴に来館された母親はもっとすばらしい人に思われました。

 

  予科練生の思いが伝わったかも知れませんね。  やはり、母は偉大です。

予科練生も母を慕い、尊敬しておりました。

  母と子の関係がよいほど、平和な家庭があるのではと実感しました。

 

  今の平和な時代にこそ、予科練生の思いが少しでも伝わればと地道ではありますが一歩一歩と全国の皆さんに

発信して行きたいと考えております。

 

  春の音も少しづつ近づいております、記念館の四季折々の風情も楽しんでいただければと思っています。

  今年もよろしくお願いいたします。          ご来館をお待ちしております。

 

元気なアートコラボラボ2012

1月 17th, 2012

みなさんこんにちは。

学芸員Wです。

 

今日は展覧会のご紹介をさせていただきたいと思います。

 

 

元気なアートコラボラボ2012・桜川芸術祭vol.13

「晴れときどき、お散歩アート。 ~障害者とアート、

ぼくらが見つけたもの~」

 

1月17日(火)~22日(日) つくば美術館第2展示室

(〒305-0031 茨城県つくば市吾妻2-8 029-856-3711)

 

 

去年11月10日に、予科練平和記念館に遊びにきてくださった

美術家の出町光識さんと、真壁厚生学園・授産学園・心身障害者

福祉作業所 時計台のみなさんの作品が展示されています。

 

みなさんは、アートワンコというお手製のわんこちゃんたちといっしょに

茨城県近代美術館や予科練平和記念館を巡っていらっしゃいました。

当館に来てくださったときの様子は、下記のブログでもご紹介しています。

https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20111110

 

 

 

 

いろんなところを元気にお散歩したアートワンコたちが

会場内におすましして並んでいます。

 

アートワンコ製作の様子やお散歩の映像がモニターに映し出されており、

予科練平和記念館に来てくださったときの様子もご覧いただけます。

 

お恥ずかしながら学芸員Wもちらりと映っておりますので、

機会がありましたらご覧いただければ嬉しいです。

このほかにもすてきな作品があり、いつもとは違った時間と

空間を体験していただける展示だと思いました。

お近くのお越しの際には、ぜひお立ち寄りくださいね。

期間が6日間なので、お早めにどうぞ。

 

 

茨城県つくば美術館

http://www.tsukuba.museum.ibk.ed.jp/

 

出町光職さんHP

http://www.mitsunoridemachi.com/

 

 

本当は午前中のオープニングからお邪魔したかったのですが、

取材があったので、午後からになってしまいました。

ちょうど城彰浩(たち あきひろ)さんのワークショップ 「思いっきりアフリカン」に

間に合いました。

 

最後はみんなで布をぶんぶん。楽しそうでした。

 

 

 

約30分間激しくアフリカンダンスを踊り続けた城さんの姿に、

会場からは大きな拍手が起こっていました。

私の頭の中は、Lou Bega の「Dance like an African」が

エンドレスでリピートしていました(^^ゞ

 

会期中1月21日(土)には、以下のイベントも行われます。

10:00~12:00

ワークショップ おとなだって、カミタマン土面をつくろう

つくば美術館講座室 定員20名

講師 出町光識(美術家)

申込み要 FAX 0296-23-8522 

またはメール m-kimijima@city.sakuragawa.lg.jp

 

14:00~

特別イベント 現代美術家折元立身さんといっしょにガイコツパレード

つくば美術館および美術館周辺

参加ご希望の方は、13:00までにつくば美術館第2展示室集合

 

こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

 

今年も宜しくお願いいたします

1月 13th, 2012

みなさんこんにちは。

今年初めてのブログを書かせていただいている学芸員Wです。

 

今年も予科練平和記念館のイベントや日常のできごと、学芸員Wのつぶやきなどを

ブログにのせて発信していきたいと思っておりますので、

お暇なときにでもおつきあいいただけたら嬉しいです。

どうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

 

 

朝イチで撮った予科練平和記念館です。

空気は冷えていますが澄んでいて、空がとても青いです。

筑波山もくっきりと見えています。

 

 

1月も気付けばもう半ばになりましたね。

今週末のセンター試験に向けて頑張っていらっしゃるみなさんも多いことと思います。

頑張る全ての方に、見たこともないほどきれいなサクラが咲きますよう、

予科練平和記念館から応援しております。

後悔しないように気持ちを奮い立たせて。

そしてあとで自分をうんと誉めてあげてくださいね☆

 

 

さて、今年は年のはじめからビッグニュースがありましたね。

サッカー女子日本代表の澤選手が、年間最優秀選手を選ぶFIFAの

バロンドール賞を見事受賞!

なでしこジャパンの佐々木監督、日本サッカー協会もそれぞれ受賞!

日本サッカーの歴史の中でも、長く語りつがれる歴史的な快挙ですね!

 

今年の干支の龍のように、雄々しく、堂々とピッチをかける澤選手の座右の銘は、

「夢は見るものではなく叶えるもの」だそうです。

 

 

世界中に夢の国を作ったウォルト・ディズニーも、次のような言葉を残しています。

 「夢を追う勇気さえあれば、すべての夢は叶えられる」

 

うそでしょ?という方向け(?)に、ウォルトはこうも言っています。

 「夢を叶える秘訣は4つのCに集約される。好奇心・自信・勇気。そして継続である。」

(好奇心:Curiosity 自信:Confidence 勇気:Courage 継続Constancy)

 

 

なでしこジャパンのこれまでは、決して恵まれたものではありませんでした。

そんな中でのワールドカップ優勝。

澤選手の叶えた夢は、3.11後の日本にたくさんの希望と笑顔をもたらしてくれました。

 

みなさんの夢も、きっとたくさんの人を笑顔にしてくれると思います。

今年の夢、目標は何ですか?

 

 

 

私Wも、今年の行動の基本にしたいと思う言葉があります。

 

「小才は縁に出会って縁に気付かず

中才は縁に気づいて縁を生かさず

大才は袖すり会うた縁をも生かす」 (柳生石舟斉 やぎゅうせきしゅうさい)

 

ある本で紹介されていたのですが、あぁ本当だな、と心にすとんと落ちました。

特に、学芸員の仕事はいろんな方たちに支えていただくことが多いので、

袖が触れるような小さなものでも、良いご縁は大事にしていくことを今年の目標に決めました。

 

去年は、予科練1期生の伊藤進さんをはじめとして、

たくさんのすばらしい方々にお会いすることができて本当に勉強になりました。

人だけではなく、新しい考え方、すてきなもの、いろんな出会いがありました。

今年はどんなご縁でどんな出会いがあるのか、とても楽しみです。

 

それから、震災から10ヵ月経ってもなお、癒えることのない大きな傷を抱えて

日々を送る人たちがいることを想い続けることが、

今年の自分への約束です。

 

夢はないしょです。

 

 

 

・・・とはいえ、年の初めからマスクのお世話になっていますので、

風邪とは早く縁を切りたいものです。

 

そういえば、特に必要がないのにマスクをつける人が若年層で増えているそうですね。

顔が隠れるから楽なのだとか。

マスク時間が長くなってくると、なんとなくその気持ちもわかる気がします。

 

・・・話しがそれてしまいましたが、寒くて乾燥した日が続きますので、

みなさんもどうぞ、風邪には十分お気をつけくださいね。

 

 

 

当館に展示している昭和初期のマスクです。

衛生兵や看護婦さんたちも、こういうマスクを使っていたんでしょうね。

 

ガーゼで作られていて、耳にかける部分は紐を結んで長さを調節します。

どんなかけごこちか、ひそかに気になっています。

 

幸い多き一年に。

1月 4th, 2012

 あけましておめでとうございます。

 本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。

 

 本日4日より、予科練平和記念館は平常通りの開館を再開いたしました。これまでに賜りましたご愛顧を、本年も引き続き賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 今日は風も穏やかで、光の暖かさを感じられる日和です。思えば冬至から約2週間が経とうとしています。どれだけ日が長くなっただろうと夕方注意していると、私にはやはり少し日が延びたように感じられます。写真のようにこの朝には未だ人影のないお隣の児童公園ですが、少し延びた昼間をすくい取ろうとばかり、夕暮れまで子どもたちが元気に遊んでいます。「早く帰ろうよ」というお母さんの声も空しい子供の元気さ。子どもは風の子、その姿を見ては明るい希望が常に開かれていることを私は感じます。

 

 ところで「今年はよいことがありますように」と、皆様も神仏にお願いしたでしょうか。今年の初詣で私はその言葉をふと思い出しました。

 よいことがありますように、良い年になりますように…、何があればあるいは起これば皆様にとって「よく」なるでしょうか。

 

 予科練平和記念館にとっては、やはり1人でも多くの方にご来館いただくことが「よいこと」になるでしょう。予科練の歴史、また戦争があったという歴史をよく知ることは、現在に幸せをもたらす大きな力になると言って間違いありません。

 ですから「1人でも多くの方にご来館いただけるように」私たち職員は現実的な課題を1つ1つ丁寧に解決していきたいと考えています。予科練平和記念館には「こうあってほしい」また、「このようなことをやってほしい」などのご要望がありましたら、当記念館ホームページ下段にある「お問い合わせ」からでも、またご来館いただいたときにアンケートでお知らせいただいても、あるいはまた直接職員にご意見を言っていただいても結構です。多くのご意見をお寄せ下さい。

 今年は辰年です。十二支に唯一入っている想像上の生き物「龍」の年です。様々な福をもたらす存在として中国で考え出され、日本にも定着してきました。

 難しく考えず、またのんきに「今年はたくさんよいことに恵まれる」と思い、この一年を走り出しませんか。

今年最後の開館日

12月 28th, 2011

みなさんこんにちは。

2011年も残すところあとわずかとなりましたね。

もう冬休みにはいってのんびりしていらっしゃる方、今日が仕事納めの方、

海外へ飛び立とうとなさっている方、さまざまいらっしゃると思います。

 

今日は今年最後の開館日ですが、風邪を引いて迎えてしまった学芸員Wです。

どうしてこんなに風邪を引きやすいのか・・・来年こそはもう少し

強くなりたいと思っています・・・実は毎年思っています・・・。

 

 

お昼過ぎに、浮世絵の波のような雲が浮んでいました。

これで千鳥でもいたら、着物の柄にでもなりそうな感じでした。

 

 

 

 

冬の日が落ちるのは早いもので、1時間後には夕日を受けて光っていました。

予科練平和記念館にとって、今年最後の一日が暮れていきます。

 

 

 

年末なので、収蔵庫の中も何日かかけてお掃除しました。

今日は、解説員Oさんがとってもきれいにお掃除中。

こざっぱりした収蔵庫の中で、心なしか資料も嬉しそうでした。

 

 

今年を振り返ると、未曾有の大災害によって多くのものが失われました。

地震の前と後では、まるっきり世界が変わってしまったかのようにも感じられます。

予科練平和記念館も、この地震で38日間の休館を余儀なくされました。

建物のあちこちに被害が出て、修復までにいろいろと大変なこともありました。

 

それでも、まだ再開することが難しい館があるなかで、予科練平和記念館は以前と同じように

全国からお客様をお迎えすることができます。

本当にありがたいことだと思います。

 

今日は最後の開館日だから、とおっしゃって、仙台にお住まいの元予科練生が

お疲れ様のお電話をくださいました。

こうして記念館を気遣ってくださる方がいらっしゃることも、本当にありがたいことです。

仙台は雪が降って寒いとのこと。

どうぞ暖かくして、よいお年をお迎えください。

 

今年一年、皆さんにとってどのような年だったでしょうか。

 

良かった方はそれが続きますように。

良くないと思われた方は、良くなる前には悪い膿がたくさんでることがあるそうです。

それが出きったら、きっと良くなります。

トンネルはいつか抜ける、と、私Wも信じております。

 

 

今年一年、予科練平和記念館をご支援くださいましてありがとうございました。

新しい年が良いものでありますよう、心から願っております。

 また新年にお会いしましょう!

 

予科練平和記念館年末年始休館

2011年12月29日(木)~2012年1月3日(火)

 

おおらかに生きる②「阿見上空の飛行機」

12月 22nd, 2011

 今年も師走を迎えました、と、このブログで書きましたが、はや年の瀬を迎えようとしています。「もう夏か」「もう秋か」と同じようなことを言い続け、そうなるだろうと思っていた通り「もう正月か」と言うことになりました。光陰矢の如し…。しかし時の経つのが早く感じられるのは、今成すべきことが多いという裏返しなのでしょう。その意味で「中年真っ盛り」の私は、積んできた経験を自身に、またお世話になってきた方々へ一所懸命に還元していることを、むしろホッとするべきなのだと考えています。そういう時を迎えられることが、ありふれたようでも、人生にとって最も大切なことかと中年の私は思います。

 

 とは言え、仕事に忙殺されていると心に余裕を持てなくなります。人間、パンのみにて生きるに非ず。日々温かい人情に触れ、また現在の冬景色からも美しさを感じ取り、平凡ながらも今生きていることに安心する、ひいては感謝する気持ちを持ちたいものです。

 

 私が予科練平和記念館に勤務していて癒されるものの1つに、上空を飛ぶ飛行機があります。

 

 

 阿見町には飛行機を管制する誘導塔があるためか、町上空を通過する飛行機の数が多いようです。もう少し南に位置する龍ヶ崎市あたりでは、成田空港への着陸態勢に入っている飛行機、離陸して間もない飛行機がそれこそ機影も大きく飛び交っており、まだ視力に恵まれている私には飛行機会社のマークさえよく見えるのですが、阿見町上空の飛行機はそこまで高度を下げてはいないようです。

 

 

 しかし、最近、当記念館の真上あたりを低空で旋回する飛行機が増えています。成田あるいは羽田への着陸待ちをしているのだろう、と私は見ていますが、そのときの機影はずいぶん大きく映ります。日本の会社で言えばJAL、ANAなどのロゴが私にはよく見えますし、会社名は知らない外国機も確認できます。

 

  

 

 飛行機っていいなぁ、と私は思ってしまいます。なんだか悠々としている。例えば地面を走ればここ阿見町から成田空港までもそれなりの時間がかかりますが、空の常識ではその距離などあってないようなものなのかもしれません。サッとどこにでも行けるとはこのようなことか、と飛行機を羨ましく思ってしまいます。事故が起きないよう様々な取り決めがあって飛ぶための空は狭くなっているのかもしれませんが、私のような素人は自由に空間を切り取って移動していくように見たがるのでしょうか。地にいて私は、大空に、飛行機に憧れます。

 

 

 

 飛行機を見ていると、自分が行ってみたい世界中の景色を自然と思い描き始めるのは私だけでしょうか。「日曜日には地図を見よ。そうすれば、旅する気持ちで日曜日が過ごせるよ」とイギリスの作家が書いていたのを思い出します。空と飛行機は、なんと大きな力を内蔵していることでしょうか。

 

 かつて大空に憧れて入隊した予科練生も多いと聞いています。自由に飛んで、思いのままに移動してみたい、とは、人間が誕生したときから心の奥底に潜む根本的な欲望なのかもしれません。

 

 空を飛ぶことは今日、平和を作り出すためにのみ利用されている手段ではありません。しかし、空飛ぶ飛行機を見て理屈なしに「ああ、いいなぁ」と思う気持ちを私は大切にしたいと思います。

 夢が膨らむ、とはこのような気持ちを表すのではないでしょうか。

予科練生の思い

12月 14th, 2011

 70年前の昭和16年12月8日。

日本は米、英に対し宣戦布告をしました。太平洋戦争の始まりです。

 この時、土浦海軍航空隊には予科練生4954名が在籍し、訓練をしておりました。

開戦を知らされ、彼らはどう受け止めたでしょうか。

開戦時における彼らの感じたことは、とても少年とは思えないほどの考えを持ち、

自分たちが国を守るという強い信念を持ったようです。

 他人のことはどうでも自分だけ良ければの今の時代ではとても考えられないことでしょう。

 15~20歳前後の少年たちが国の平和、家族の平和を願い

何を思い、厳しい訓練に耐え、身を挺して国難に立ち向かっていったのか・・・・、

今の平和がこの様に多くの犠牲のうえにあること・・・・、

いつまでも忘れてはいけない歴史ではないでしょうか。

 歴史を後世に伝え、命の尊さ、平和の大切さをこらからも発信してまいります。

 また、今年は大変な年にもなりました。

忘れもしない、3月11日の東日本大震災の発生です。

まもなく新年を迎えますが、被災地ではまだまだ、大変な生活を送られている人がたくさんおられます。

普段の正月が迎えられますよう願うばかりです。

 これまでそして今も救援活動をされている人々には、ほんとうに頭の下がる思いです。ご苦労様です。

 

 今年一年、皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。

 新しい年を迎えるにあたり、更なる繁栄と平和を願い、皆様のご多幸をお祈り申しあげます。