謎の生物

9月 20th, 2010

みなさんこんにちは(*^^*)

うす曇りの空から時折日差しがのぞく予科練平和記念館です。


今日は秋の彼岸の入りですね。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、もうそろそろ

本格的に半袖をしまう気温になるのでしょうか。

スーパーなどでは、暖かい色合いの野菜や果物がたくさん

出回っていますが、記念館にも秋の訪れ?なのかな?と思うものが生えてきました。



芝生のところに点々と白い球形の物体が・・・!

しかも、生えてからしばらくすると茶色に変わってきます。


この謎の生物は何者だろう・・・?

名前を知りたくて調べてみたところ、「ホコリタケ(埃茸)」という

きのこのようでした。

しかも「担子菌門菌じん綱ホコリタケ目ホコリタケ科」に属するきのこという、

長い肩書きをお持ちでした。

熟成すると、頭からほこりのようなけむりのような菌を飛ばすので

この名前がついたそうです。

さらにはなんと食用!なのだとかΣ(゚Д゚ノ)ノ 

(皮をむくと中ははんぺんのような食感なのだそうで・・・

からしあえにしたりお鍋に入れたり、レシピもいろいろあるようです)

人間の食へのあくなき追求を思い知ったのでした。


これから涼しくなると食欲も増してきます。おなかを壊さない程度に

楽しく美味しいものを食べて、夏の疲れを癒したいですね。




そして今日は敬老の日。館内には、お年寄りとご一緒のご家族の姿も目立ちます。



70代からのシニア世代に「敬老の日には何がほしいですか?」というアンケートを

とったところ、

「こどもや孫とふれあう時間」が一位だったそうです。

反対に子ども、孫世代は「花や食べ物などを贈りたい」という人が一番多いという、

お年寄りからみると少しさみしい結果になりました。


もし、このブログをご覧くださっている方のなかで、おじいさんやおばあさん、

またはお父さんやお母さんにまだ何にもしていないという方がいらっしゃいましたら、

今すぐお電話してみてください。


お金なんてかけなくても、家族の「いつもありがとう」「元気でいてね」という言葉だけで、

こころがほっこりあたたまる、すてきな声のプレゼントになると思います。


日本は「言霊(ことだま)の幸(さき)わう国」。言葉に魂が宿る国です。

言葉でみんなを幸せにできるなんて、素敵な国だなぁと思います。


いい言葉をたくさんかけあって、シニア世代も若い世代も、お互いに元気に、そして

笑顔で幸せになりたいですね。


しきしまの 大和の国は 言霊の 助くる国ぞ 真幸(まさ)きくありこそ 

                     (万葉集 第3254番 柿本人麻呂)


オープンしました!

9月 16th, 2010

みなさんこんにちは(*’-’*)

今日の阿見町は朝から強い雨が降っていました。

気温も下がって、今までの暑さになれた体には

少し肌寒く感じられますね。

明日からは気温も上がるようですが、皆さんも体調管理には

十分にお気をつけくださいね。


さて、おとといより所蔵資料展「戦後の予科練」がオープンしました。


会場のようすをちらっとお見せします。



入り口です。

向って左側が第1部、戦後の予科練習生たちの同期会の資料や

元土浦海軍航空隊の中に建っている予科練記念館「雄翔館」や

慰霊の庭園「雄翔園」に関する資料を展示しています。


向って右側では、戦後予科練生が描いた油絵や、亡くなるまで作り続けていた

模型をご覧いただけます。



常設展示をご覧になった後に、ぜひご覧になってみてくださいね。


さて昨日は、NHKの方がお見えになりました。

平成23年3月から放送がはじまる連続テレビ小説「おひさま」の中に

予科練生が出てくるそうで、その調査をしているとのことでした。


この「おひさま」は、

「長野・安曇野と松本を舞台に戦争をはさんで、日本人が生き抜いてきた

昭和という激動の時代の中で、人々をおひさまのような明るい希望で照らす、

ひとりの女性のさわやかな一代記」

なのだそうです。(NHKのHPより)


昭和12年~15年頃の予科練の募集ポスターはどんなものだったのか。

こういうタッチのイラストは、当時の少年がよく目にする雑誌に多かったのか。

NHKの方から、いろんな質問が飛び出します。


予科練を志願する少年がポスターを見るという、

時間にすれば短いであろうそのシーンにリアリティを持たせるため、

いろんなことを調べる必要があるんですね。

たくさんの人が楽しみに見る番組は、たくさんの人の努力で作られるんだなぁと

思いました。



ヒロインの井上真央さんのキュートな笑顔が、朝を元気にしてくれそうですね。

またどのあたりでどんな風に予科練生のシーンがでてくるのか、気になるところです。


みなさんもぜひ、注目してみてくださいね!!



スタンバイ中

9月 12th, 2010

みなさんこんにちは(^^)/

昨日、今日とまた暑さが戻りましたね。

これから少しずつ涼しくなっていくのだとか。

もう少しの辛抱ですね。


さて、予科練平和記念館では、14日(火)より

館内20世紀ホールにて、所蔵資料展「戦後の予科練」を開催いたします。


これは、当館に寄贈されたなかから、戦後の予科練生の

活動に関する資料を展示するもので、二部構成になっています。


第一部では、陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(旧土浦海軍航空隊)に

ある予科練記念館「雄翔館」と、予科練之碑「予科練二人像」のある庭園

「雄翔園」建設に関する資料や、予科練同期の集まりに関する資料を

約25点展示します。


戦後も続く予科練生たちの強い絆をご覧いただければと思います。


第二部では、予科練生が描いた油絵や、作り続けた艦船の模型など約40点

を展示します。


特にこの模型は、元予科練生が亡くなるまで作り続けていたもので、

亡くなった後は同期生に引き取られ保管されていましたが、

この方も鬼籍に入られたため、別の同期生により当館に寄贈されました。

リレーのように元予科練生の想いが受け継がれて、

こうして皆さんにご覧いただけるようになるというのは、

やはりそこに込められた“想い”が強いのだろうなと思います。


今回は、保管している中から、空母や戦艦、重巡洋艦などの模型を展示します。

現在は収蔵庫の中でスタンバイしています。



この所蔵資料展「戦後の予科練」は、常設展チケットでご覧いただけます。

規模は大きくありませんが、来年の2月27日まで開催しておりますので、

ご来館の際はぜひご覧ください。


関連企画として、10月3日(日)の予科練戦没者慰霊祭にあわせ、

演劇鑑賞会と映画鑑賞会を、阿見町かすみ公民館(阿見町阿見2083-2 

029-888-8111)で行ないます。


また、あわせまして、当館は10月3日無料でご覧いただけます。

皆さんのご来館をお待ちしております。


詳しくはこちらをご覧ください↓↓↓

(予科練平和記念館HP 新着情報)

https://www.yokaren-heiwa.jp/kantan/?detail=true&id=38


「土門拳を訪ねて」

9月 8th, 2010

9月4日(土) 今日も暑い一日でした。

当館の常設展示で紹介しております土門拳の写真は、
彼が昭和19年6月に土浦海軍航空隊で予科練生と寝食を共にし、
撮影したものです。

そこで土門拳とは・・・・・・。
休日を利用し、山形県酒田市にあります土門拳記念館を
訪ねてみました。

この記念館は、酒田市街から南へ3km。飯森山公園の森林に囲まれ、
自然の風景と調和した中にひっそりと建っています。
建物の周りには池が配され、内部からその池を眺める空間に身をおくと、
心が自然と鎮まる、そんな雰囲気を感じさせられました。

展示されているものは、
「写真の鬼」といわれた土門が撮影した写真だけに、
どれも迫力満点のものばかりでした。
ものすごい集中力の中でシャッターを切った様子が、良く伺えました。

残念なことに、予科練生を被写体とした写真はありませんでした。
土門拳は、どのような思いで予科練生を撮影していたのでしょうか?
彼の胸中は、量りきれない深い意味があるように感じられました。
いつかその事が、解き明かされる時が来ると信じたいものです。

皆さんも機会があれば、訪ねてみてはいかがでしょうか?
池の周りには、アジサイが所狭しと植えられ、シーズンの6~7月には、
色とりどりの花を楽しむことができるそうです。
一度は行ってみる価値のある資料館だと感じました。

館 長  糸 賀 富 士 夫

 

土門拳記念館

軍刀の少年

9月 5th, 2010

みなさんこんにちは(*^-^*)

今日も厳しい暑さの予科練平和記念館です。

何日も雨が降っていないので、

館の周りの芝生が黄色っぽくなってきてしまいました。

夜に職員が水をまいたりしていますが、

なかなか連日の渇きを癒すことは難しいようです。

雨の神様、ここらでひとつみんなのために雨を降らせては

いただけませんでしょうか、と

空を眺めてお願いしてしまう毎日です。



さて、今日はとっても印象深いお客様がいらっしゃいました。

当館に展示してある、写真家土門拳が撮影した

予科練生の写真の被写体となった方です。


当館のエントランスホールから入って左側のロビー1には、

予科練生の制服であるつめ襟の七つボタンにちなんで、

土門拳の写真が7枚展示してあります。

そのなかでひときわ目立つ大きな写真には、七つボタンの白い制服を着た予科練の少年が

日本刀を手入れしている姿が写っています。


まだまなじりと頬のあたりにあどけなさを残した少年の表情と

無駄なく、すっとのびる日本刀の対比が印象的なこの写真、写っているのは

甲種第13期生の岡崎圭一郎さんです。

今日、この写真から66年後の岡崎さんがお見えになりました。

同期生から、お前の写真があるよと案内されてご来館くださったのだそうです。


白髪になられた岡崎さんにお写真をお願いすると

背広をきちんとお召しになり、背筋と腕をぴんっと伸ばして直立不動。

予科練時代に培われたすばやい動作はいまもご健在です。



面影がありますよね。

昭和3(1928)年生まれの岡崎さんは現在82歳。

栃木県の足利中学3年生、15歳のときに予科練を志願して、

昭和18(1943)年10月、甲種第13期生として土浦海軍航空隊(茨城県阿見町)に

入隊されました。


土門が撮影にやってきたのは昭和19(1944)年。岡崎さん16歳のときです。

この写真は、日曜日で外出から帰ってきたあと、

岡崎さん自身も知らない間に土門が撮っていたのだそうです。

手に持っている日本刀は入隊するときに自宅から持ってきたもので、

隊内では所持が認められていたとおっしゃっていました。



土門拳はどんな人だったんですか?とうかがってみました。


― 土門さんは弟子を連れてきていました。助手ですね。私と同じテーブルで

ご飯を食べていたんですよ。31分隊4班です。

 ・・・土門さんはまさに「写真の鬼」でした。同じことを何度も何度もやらされました。

疲れてきて、もう終わりになるかな・・・と思っても、自分が気に入る写真が撮れるまで

「もう一度」「もう一度」と何度もやらされました。


今、ご自分の予科練当時のお写真を見てどう思いますか?


― 若かったと思います。・・・でもあのころは純粋な気持ちで予科練に入ったんですよ。

ほんとうに、純粋な気持ちです。



岡崎さんは予科練を卒業後、鹿島海軍航空隊(茨城県美浦村)で飛行訓練を受けたのち、

山形の漆山派遣隊というところで特攻隊要員となり、訓練中に終戦を迎えました。

同期生は特攻で亡くなった方も多く、人間魚雷「回天」で最初に戦死した予科練生も

同じ甲種第13期生です。


復員した岡崎さんは中学校に戻り、卒業後は薬学の専門学校に入学して

薬剤師になりました。

東京の荻窪にお店を構えて、もう55年になるそうです。

現在も現役で、薬剤師の娘さんとお孫さんと一緒にお仕事をなさっているとのこと。

にこにことお薬を渡していただいたら、それだけですーっと

気持ちが軽くなるような穏やかな笑顔です。


なんと、昭和21年に行なわれた第1回目の国体(国民体育大会)では、

バレーボールの選手として出場なさったそうです。

ポジションはどこですか?とうかがうと、9人制で今とは違うけど・・・アタッカーです、と

教えてくださいました。

やっぱり予科練生は運動神経が抜群なんですね!


お話しをうかがいながら岡崎さんのお顔をじっと拝見したら、白いまつげが

あることに気づきました。

中国では、白いまつげは強運と幸運をもたらす証だそうです。

穏やかでとっても優しい岡崎さんが、いつまでもお元気でたくさんの方を治せる

お薬を調合してくださるように、きっとこのまつげが守ってくださると思います。

岡崎さん、いつまでもどうぞお元気で。

病気やけがに苦しむたくさんの方たちを治してくださいね。

本日はご来館いただけて、お会いできて本当に嬉しかったです。

展示解説員さんたちも喜んでおりました。

お忙しい毎日だと思いますが、紺屋の白袴とならぬよう

お体どうぞご自愛くださいね。

そしてまたぜひ、今度は同じ町会の同期生とご一緒に

お運びいただけたら嬉しいです。心よりお待ちしております。


実は館内にはもう一枚、岡崎さんが写っている写真があります。

みなさんもご来館の折には、66年後笑顔の優しい薬剤師になった少年を

ぜひ探してみてくださいね。


暑サニモマケズ

9月 2nd, 2010

みなさんこんにちは(*^-^*)

9月にはいり、まだまだ残暑厳しいですがいかがお過ごしですか?


予科練平和記念館には今日も強い日差しが照りつけていますが、

そのお陰で光と影の美しいコントラストが見られます。





今日は、予科練平和記念館の頑張り屋さんをご紹介したいと思います。

この暑さにも負けず、生まれついた逆境にもまけずに頑張っています。




ちょっとピントが別なところに合ってしまって見えにくいですね・・・(;△;)

アスファルトを突き破ってぐんぐん伸びている芝生兄弟です。


予科練生たちが訓練した場所の近くにいるだけあって、

さすが根性があります。

この暑さにももくもくと耐えて頑張って育っている姿を見ると

こちらまで元気になるような気がして、

近くを通るとつい気になります。


二百十日を過ぎ、来週は二十四節季の「白露」。

暦の上では大気が冷えて露のおりるころだそうですが、

予報ではまだまだ残暑が続くようです。


もしかしたら夏バテ中かもしれない皆さんに、

少しでも芝生兄弟のパワーが届きますように。


ラスト夏休み

8月 29th, 2010

みなさんこんにちは(*^-^*)

今日もまだまだ暑い予科練平和記念館です。

午後から曇ってきたので外に出てみると、もう秋の雲でした。



でもあと一週間は気温30度以上の暑さが続くそうですね・・・(*´Д`)=з

みなさんも熱中症には引き続きお気をつけくださいね。


今日は8月最後の日曜日です。

すこし寂しさも混じる今日ですが、みなさんは今年の夏、どんな思い出が

できましたか?夏にやり残したことはありませんでしょうか?


本日の予科練平和記念館には、ご家族でいらっしゃるお客様が多く、

館内には小学校にあがらない小さいお子さんの姿もたくさん見られました。



阿見町の小中学生は8月いっぱい夏休みなので、もしかしたら宿題の関係かな・・・?と

思われる中学生も来館しています。



8月最後の日曜日にご来館くださったお客様は、

どんなお気持ちでここにいらっしゃったのだろう・・・と、ふと思いました。


お客様は様々なところからいらっしゃり、当館で展示をご覧になった後、

またどこか、それぞれの場所へと戻られます。

それは、駅や高速道路のサービスエリアなどで感じる、

いろんな人がそれぞれの目的地へ行く途中、

今一瞬だけ同じところにいる、というちょっとわくわくする感覚に似ています。


駅もサービスエリアも、旅のよい思い出になる場所ですが、

予科練平和記念館も、お客様の人生という長い旅路のなかで、

思い出に残る場所でありたいと思っています。



館内では今日も展示解説員さんが一生懸命お客様をご案内しています。



こうしてお会いするのも一期一会。ご案内はお客様の思い出を左右する

大事なお仕事です。

解説員の皆さんは空いている時間に資料を読んだりして勉強をしています。

こつこつと知識を積み重ねる努力が、お客様の感動やありがとうにつながっていきます。

館内展示案内は無料で、ご予約をいただければ何名様でもご案内いたしますので、

これから来る秋の行楽シーズンにぜひご利用ください。

(お問い合わせ:029-891-3344)



秋の予科練平和記念館は、20世紀ホールで展示しています

所蔵資料の展示替えを予定しています。

(常設展示の展示替えではありません)

規模は大きくありませんが、常設展には展示していない資料をご覧いただけるよう

準備を進めています。

これに関連して、演劇鑑賞会や映画会なども予定しています。

詳細はHPやチラシ、ポスターなどでお知らせいたしますので、ぜひご覧ください。


「元予科練生の体験を聞く」

8月 24th, 2010

2010.8.22
猛暑の続く中、8月22日(日)に第二回目の
「元予科練生の体験を聞く会」を開催しました。

体験を語って頂いたのは、稲敷市在住の仲川武男さん(81歳)です。
仲川さんは、乙種第20期、当時14歳で予科練に入隊しました。

当日の会場は、老若男女を問わず大勢の人のご参加を頂き、
大盛況でした。ありがとうございました。感謝申し上げます。

戦後65年を迎えますが、「忘れてはいけないもの」
「語り継がなくてはいけないもの」
を、大切にしたいと思う人の多さに、改めて感銘を受けました。

話を聞かれた人から、
「予科練で鍛えられた人は、今でもすごく元気ですね」
と言われました。本当に頭の下がる思いです。

私たちも、先人の思いを感じ、いつまでも平和な日本でありますよう、
努力していきたいものです。

これからも、このような企画をより充実し、後世に語り継いで行きたいと
考えています。

館長 糸賀 富士夫

元予科練生の体験を聞く会

8月 22nd, 2010

みなさんこんにちは(^-^)

今日も残暑厳しい予科練平和記念館です。


本日は「元予科練生の体験を聞く会」がありました。

元乙種第20期予科練生の仲川武男さん(稲敷市在住)をお迎えして

予科練時代の体験や思い出に残っていることなどのお話をうかがいました。


仲川さんは1929(昭和4)年生まれの81歳。

14歳のときに予科練に合格しました。

その時の身長は147㎝ぐらいで、同期生の中でも小さいほうだったそうです。

お尻を叩かれ、頬をなぐられながら厳しい訓練の一日を終えると、夜ハンモックの中で

故郷を思い出し涙する予科練生もいたんだそうです。

実際私も泣きました、と仲川さん。


手旗や、バッターという野球のバットぐらいの固い木の棒、竹やりなどを

お持ちになり、実演も交えてお話をしてくださる姿を見ていると、

まるで実際の予科練生活を目にしているかのように感じられました。


これは、手旗で「ヨ・カ・レ・ン・ヘ・イ・ワ・キ・ネ・ン・カ・ン」を表現しているところです。



1944(昭和19)年にはいると、仲川さんは岡山県にあった倉敷海軍航空隊で

特別陸戦隊の訓練を受けるようになります。

”予科練”は、本来ならば飛行機に乗るための基礎訓練の時間であるはずですが、

もうそんなことが言っていられなくなった日本の厳しい状況がわかります。

ここでは竹やりで攻撃する訓練や、地面に穴を掘ってひそみ、棒地雷で

攻撃する訓練などをしていたそうで、実際に竹やりを使って実演もしてくださいました。


特攻隊の募集を受けたときの話や、広島の原爆を目撃した時の話・・・

短い時間の中でもいろんなお話をわかりやすく聞かせてくださり、

最後には暑い夏にぴったりな予科練にまつわるちょっとこわーいエピソードまで

披露してくださった仲川さん。

信じるか信じないかは皆さん次第ですよ!と、まるで都市伝説を語っているかの

ような名調子でした。


元校長先生だけあって、お話がとっても上手で、気が付くとあっという間に

時間が経っていました。

午前の会には150名、午後の会には110名がご参加くださり、立ち見になってしまった

方もたくさんいらっしゃいました。



終わった後も質問攻めだった仲川さん。昔の先輩や教え子の方もお見えになったようで、

握手を交わして旧交をあたためあう一場面もありました。

それが終わった後すぐに、取材に来ていたNHK水戸放送局の

インタビューに答えていらっしゃいました。


とってもハードな一日でお疲れだったと思いますが、仲川さんは始終にこやかに、

また私でできることがあれば何でもやりますから!!と言ってくださいました。

本当にありがとうございました。


当館ではこれからも、こうした予科練生の貴重な生の声を聞いていただける機会を

作っていきたいと思いますので、今回聞き逃してしまわれた皆さんも、もう一度

聞きたいという皆さんも、ぜひご参加をお待ちしております。


8月7日(土)・22日(日)の2日にわたって行ないました「元予科練生の体験を聞く会」。

激動の昭和を生きたかつての少年たちのお話は、ご来場くださった皆さんの心の中に

いつまでも残る夏の思い出になったのではないでしょうか。


「時をこえ」

8月 19th, 2010

みなさんこんにちは(*’ー’*)

今日は曇り空が広がって、いつもより少し涼しい予科練平和記念館です。

コヒルガオが、ちょっとほっとしたような顔で咲いています。



朝晩は大分涼しくなり、夜は虫の声も聞こえますね。

記念館のお隣さんのおうちの栗の木もイガイガが大きくなっていて、

着々と秋の準備を進めているようです。



先日の終戦記念日の8月15日には、入館料が無料になったこともあり、

たくさんのお客様がご来館くださいました。


アンケートには「終戦記念日を実感するために来ました」というご意見もありましたが、

戦後65年目の8月15日、皆さんにとってどんな一日でしたか?


私はその日の夜、NHKで放送されたドキュメント「僕らが伝えなきゃ 

HY 沖縄から“命”をうたう」を見ました。


皆さんはHYというバンドをご存知でしょうか。

10代後半でメジャーデビュー後、大ブレイクした沖縄出身の5人組で、

いばらきの夏の風物詩にもなっているひたち海浜公園

(茨城県ひたちなか市にある国営の広い公園です)

でのロックインジャパンフェスにもよく参加しています。

共感したり切なくなったり、心が温かくなったり考えさせられたり。

すてきな曲をたくさん聴かせてくれるバンドで、ライブもあったかくて

とても楽しいのですヽ(oゝω・o)ノ

メンバーが仲良しな雰囲気とか、地元の沖縄を愛している感じとかも

とってもほほえましいです。


彼らは今、ある曲を届けるため全国ツアーの真っ最中です。

アルバム「Whistle」の最後の曲「時をこえ」です。

キーボードの仲宗根泉さん(いーず)が、厳しくも優しい自分のおばぁの話を聞いたりして

書きました。

おばぁは、たくさんの人が亡くなった沖縄戦を経験しています。

いーずは、おばぁやおじぃたちが、希望を捨てずに辛い戦争の時代を

生き抜いたから、今こうして自分が生きている。

その想いを歌にしたのです。


「時をこえ」のレコーディングでは、英語のコーラスを入れるかどうかで

メンバー同士の意見が分かれたり、

ツアーのアンコールで、沖縄戦の話をして「時をこえ」を歌っても

真剣に聞いてもらえなかったり。

苦悩しながら、それでも“つながる命”を伝えるために全身で進んでいく彼らの姿が

とても印象的でした。

何よりも一番すばらしいのは、ひとごとにしていないところだと思います。

記憶を後世に、とか、若い世代に戦争を伝える、とよく言われますが、

それができるのは、年齢に関係なく、あなたもわたしも含めて、

今を生きている人みんなです。


自分たちで伝える。

あたりまえでいてとても難しいことです。

HYは自分たちができることを自分たちでやっていく。それも真っ直ぐに。

そういう姿勢がほんとにすてきだと思います。


より深く“つながる命”の響きを届けるため、

今回のツアーは、ライブハウスのように観客に近い会場を選んでいるそうです。

12月14(火)・15(水)にはつくばでもライブがありますので、

チケット入手が難しいかもしれませんが、行きたいなと思っています。

 みなさんもぜひ、ライブでもCDでも、HY聴いてみてくださいね。

「時をこえ」は、心の奥からあたたかい涙が流れてくるような曲です。


ツアーは来年の2月まで続きますので、きっと全国でたくさんの人たちが

HYの想いを受け取っていくのでしょう。

とってもハードなスケジュールだと思いますので、

メンバーの皆さんやスタッフの皆さんには、各地でおいしいものや

珍しいケンミン的なものも食べて、体に気をつけて、

すてきなステージを見せていただきたいなと思っています。

頑張れHY!


HYオフィシャルHP

http://www.hymode.net/index.html