【開館10周年記念式典 感想文表彰作品】

2月 12th, 2020

それでは、表彰されました齋藤佑衣さんと鬼澤舞衣さんの感想文をご紹介させていただきます。

 

【阿見町立阿見第二小学校 6年 齋藤 佑衣さん感想文】

 

予科練平和記念館の皆様へ 

 

 本日はおいそがしい中お話を聞かせていただきありがとうございます。

 予科練の訓練のことや卒業し戦場へ出て行った人達のことなど様々なことを知れました。

 手紙や食事などを満足にできなくても一生懸命に戦う姿に心をうたれました。神風特攻隊の自爆特攻は残酷ながらも祖国のために散っていった人達のおかげで今平和に生きることができていると思い、それをふまえ今の自分達は、平和はどれほど敬うべきなのかを考え直す必要があると感じました。

 元予科練の方の「人災は防ぐことができる」「二度も死なせないでくれ」と言う言葉に現代ではそのことを軽くみている人が増えているので言われたことを大切にしていきたいです。

 もっと戦争のことを知り、平和を護りたいです。本日はありがとうございました。                                                                                                                                    

 

 

 

【土浦日本大学高等学校 3年 鬼澤 舞衣さんの感想文】

 

予科練平和記念館で得たこと

 

 予科練平和記念館を見学し、私はたくさんのことを得られた。

 まず、展示の説明を受けた時、手紙の話に心を打たれた。検閲を通し、その手紙の内容が規定に沿っていなかった場合、墨で塗りつぶされ、家族に送られるという厳しさに衝撃を受けた。本当に思っていることが伝えられないというのは、とても苦しくなる。それでも家族に手紙を送ろうとする予科練生がいてくれたからこそ、今の時代になっても当時の苦しさを見ることができるのだと思うと、彼らからの手紙は家族と今の私達へのメッセージだったのではないかと思う。

 次に、戸張さんの講演にとても心が打たれた。私は実際に戦争を戦う身として経験した方の話を聞くのは初めてだったので、とても緊張していた。

 予科練生だった時の日々の辛さを話して頂いた時、私と同じ年くらいだった戸張さんが経験したことはとても過酷なものだった。「みんなを見ていると思い出すなぁ」「同じ年くらいの時かなぁ」と昔を思い出しながら話して下さる姿に、その時どんな思いでいたのかと考えると今の私では想像もつかないくらいのものだったと思い、とても心が打たれた。戦争の時の話は心が痛むのであまり話さない方もたくさんいる。それでも、私たち高校生という戦争を知らない世代に話そうとして下さったことに深く感謝している。戦争を経験していない人が話す戦争より、一言一言の重みが違う。もちろん、経験していない人の話も大切だが、やはり世の中の戦争を深く知らない人は経験者の話を聞くべきだと思った。戦争の辛さ、悲惨さを聞いた私は、今の平和な世の中にたくさん感謝するようになった。何か小さな嫌なことがあった時、戸張さんの言葉を思い出し、ぜいたく言ってないで頑張ろう、と思うようになった。「感謝の心で生きる、生きるために生きる、生かされている」このことを絶対に忘れない。戦場に向かった予科練生達と直接のつながりはないかもしれないが、同じ日本に生まれた家族である。その人達の守りたかった日本を、平和に守っていくことが私達の役目だと思う。戸張さんが話して下さったことに深く感謝する。

 今回の講演は私の人生にとって、とても大切なものであった。

 

 

お二人とも、素晴らしい感想文をありがとうございました。

開館10周年記念式典が開催されました

2月 8th, 2020

【当館が存在した貢献=感想文】

 

今月2日に、開館10周年記念式典が厳粛かつ盛大に開催されました。

少し遅れましたが、その内容等について補足説明も兼ね順次ご報告いたします。

開館10周年記念式典をプロデュースする上で悩んだのが、「当館の存在が果たした貢献」をどのように表現するかでした。

開館10年周年を迎え、予科練平和記念館が地域や町民の方々に対し果たした貢献ということです。いろいろと話し合いを重ねましたが結論は、式典時に湯原教育長が説明された「感想文表彰経緯」ということになりましたので、ご紹介をさせていただきます。

なお、感想文というのはこの10年間にわたり当町の予科練歴史調査委員の方々、特に元予科練生であります戸張礼記委員が、平和教育普及事業の一環として取り組んでこられた講演会に対する児童生徒学生等からの感想文です。出張講演も含め回数にしますと実に330回を超え、小学生から中学、高校、大学、そして自衛隊武器学校、航空学校等々の延べ1万5千人を超える方々からの感想文です。阿見町内や茨城県内はもちろんのこと遠方は修学旅行で来館された北海道の中学生もおります。

 

【湯原正人教育長 感想文表彰経緯】(原文のまま)

 齋藤佑衣さん、鬼澤舞衣さん、おめでとうございました。素晴らしい感想文を朗読して頂きましてありがとうございました。

 それでは、本記念式典で感想文表彰を行うこととなった経緯について簡単に説明をさせて頂きます。

 現在でも「戦争と平和」というテーマは非常にデリケートなものでありますが、阿見町という一自治体が、予科練の地という責務をもって、予科練平和記念館を建設し10年間に渡って、平和を発信し運営してきたということは、非常に意義のあることであり評価できるものと思っております。

 その10周年記念式典に当たり、10年間の当館の存在がもたらした地域や町民の方々への貢献や評価というものを形や数値として表せるだろうかと考えましたが、なかなか当てはまるものがありませんでした。それは来館された個人個人がそれぞれに考え行動するものと思われるからです。

 その個人個人の内面に焦点を当てた時に思い浮かんだのが、感想文の存在でした。司会の方からもご説明がありましたように、予科練歴史調査委員の方々、特に元予科練生であります戸張先生の講演に対する児童生徒たちからの感想文の存在です。

 当町は、当館が建設されてから小学校6年生の社会科や中学生の平和教育事業の一環として当館の観覧を実施しています。戸張先生にはその児童生徒たちに対し、時間を割いて講演をして頂いております。先ずはそのことに対しまして、教育長として御礼を申し上げたいと思います。

 誠にありがとうございました。

 当館10年間の貢献を具体的に数値等で表すことはできませんでしたが、当館の存在は予科練歴史調査委員の皆様方の講演を通して、多くの子供たちの心にしっかりと刻まれたことと思っております。

 その心の表現が感想文であり、当館の存在の貢献と評価と考え、感想文表彰に至ったというのが経緯であります。

 その中で、只今朗読して頂いたお二人の感想文について、表彰をさせて頂いたものです。

 これも、それぞれの担任の先生方のご指導があったからこそと私は思っております。

 改めまして、お二人とご指導された先生方にお祝いを申し上げ、感想文表彰の経緯の説明といたします。

 誠におめでとうございました。

(引用おわり)

 

 

次回はお二人の感想文をご紹介させていただきます。

新年のごあいさつ

1月 5th, 2020

新年明けましておめでとうございます。

皆様におかれましては、令和最初のお正月を健やかにお迎えのこととお喜び申し上げます。

 

当館は本日4日より開館しております。

今年も職員一同分かりやすい展示や解説に努め、更なる平和発信に努力してまいる所存です。

皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております

年末のごあいさつ

12月 26th, 2019

クリスマスも終わり、今年もあと残すわずかとなりました。

 皆様にとりましては、2019年はどんな1年でしたでしょうか。

 

 予科練平和記念館は開館10年目の節目の年を迎え、改めて設立趣旨である歴史遺産の伝承と恒久平和に向け、皆様にご満足いただけますよう職員一丸となって1年を過ごしてまいりました。

 お陰様で、海原会様や歴史調査員の皆様、並びに大勢の皆様方のご協力をいただきながら、講演会活動をとおしての平和教育を中心に、事業展開ができたものと思っております。

 改めまして、ご協力をいただきました皆様、並びにご来館をいただいた方々には御礼を申し上げます。

 来年も皆様に満足いただけますよう職員一同邁進してまいります。

皆様が穏やかな新年を迎えられますよう、心からお祈り申し上げます。

新年は、1月4日(土)より通常どおり開館いたします。 

皆様のご来館をお待ちし申し上げます。

秋、到来

9月 13th, 2019

急に秋めいてまいりましたが、それもそのはずで今日は中秋の名月・一五夜です。すすきに月見団子をお供えして、涼しくなった今宵は名月をゆっくりと眺めてみたいです。

 

先日の台風15号の影響はいかがでしたしょうか。町内では約3,200戸が長時間にわたり停電となり、またビニールハウスの倒壊等で農作物に被害がありました。直撃となったお隣の千葉県ではまだ多くの地域で停電・断水が続いているなどの甚大な被害が出ております。

被災された方々には心よりお見舞い申し上げますとともに、 一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

 

 

連日30度を超える猛暑が続いておりましたが、行楽の秋になりましたので大勢のお客様にご来館いただいております。

 

今月21日(土)は講演会「アッツ島の戦い」を開催いたします。講師は阿見町予科練歴史調査委員の大橋良一さんです。アッツ島とはアメリカ合衆国アラスカ州のアリューシャン列島最西部に位置する島で、「玉砕(ぎょくさい)」という表現が日本で初めて公式発表されたのがこのアッツ島の戦いとのことです。玉砕とは、「玉が美しく砕けるように、名誉や忠義を重んじて、いさぎよく死ぬこと」とあります。

詳細は新着情報をご覧ください。

 

 

いきいき茨城ゆめ国体セーリング競技が、いよいよ当町特設会場で今月29日(日)から10月2日(水)の期間で開催されます。会場は着々と準備が整いつつあり、湖畔では練習する艇が多く見られるようになりました。全国都道府県から勝ち抜かれた353艇、575名の方々が参加される予定です。熱戦を期待しています。

 

セーリング競技開催期間中は当館も休まず開館しておりますので、この機会に是非ご来館されてはいかがでしょうか、皆様のお越しをお待ち申し上げます。

終戦記念日

8月 17th, 2019

8月15日は74回目の終戦記念日でした。

台風10号の影響で天気が不安定の中を大勢の方々にご来館いただきまして、ありがとうございました。

遠方よりお越しいただいた方、お子様連れの方、等々いろいろな方々がそれぞれの想いを持ってご来館され、予科練生という少年たちの青春群像を通して、「戦争」というものを改めて考えられたことと思います。

終戦記念日は日本人として決して忘れてはならないことであり、今日の平和が多くの犠牲のもとにあることを、私自身も改めて肝に銘じたいと思います。

当館においてもご来館者の方々とともに正午に黙祷を捧げ、戦没者を追悼し平和を祈念いたしました。

 

 

夏休みのお子様向けイベントのご案内です。

先ず明日18日(日)は、小中学生の宿題相談会「ものしりおじいちゃんに聞こう!阿見の昔のはなし」です。町の歴史や戦史、予科練について、当館の歴史調査員がいろいろと質問に答え教えてくれます。

続いて、24日(土)は、夏休み講演会「飛行機はなぜ飛ぶの?ブーメランの不思議な飛行」です。予科練生も勉強した航空力学についてブーメランを作りながら、当館の伊藤解説員が講演します。

夏休みも残すところあと2週間、自由研究等の宿題がまだ終わっていない小中学生で興味のある方は是非ご来館ください。

 

皆様方のご来館をお待ち申し上げます。

 

歴史調査委員のおじいちゃん

7月 15th, 2019

今日は「海の日」です。もうすぐ楽しい夏休みのはずが、当館から見えるのはどんよりとした曇り空。今年はいつになったら梅雨が明けるのでしょうか。

 

先週は歴史調査委員の方々との開館10周年記念事業の打ち合わせでした。来年2月で開館10周年となります。記念事業内容については決定次第HP等でお知らせするといたしまして、今回は「歴史調査委員」について少しお話させていただきます。

 

当館には歴史調査委員という予科練を中心とした近代阿見町の歴史を調査・研究している委員の方々がいらっしゃいます。御年91歳になられる元甲種第14期海軍飛行予科練習生の戸張委員をはじめ、元自衛官で教官等を務められた赤堀委員、中川委員、大橋委員の4名の方々です。

 

主な調査研究の成果としまして、これまでに「阿見と予科練」、「予科練ものがたり」、「続・阿見と予科練」、「海軍航空隊ものがたり」、「戦後70年記念特集『あの日あの時』」等を発刊し、その編纂に携わっていただいております。

私も先日、その成果としての阿見大空襲についての詳しい内容を伺いましたが、証言等による当時の様子とデータ等による科学的な根拠から、今その場所にいるような感じになったことを覚えています。本当に時間をかけて詳細に調査研究をされていると感じました。

 

また、日々の調査研究の傍ら、講演会講師や特別展への指導助言、ときにはやさしいおじいちゃんとなって小中学生の宿題等の歴史学習にも一役買っていただいております。特に戸張委員には当時の予科練生としての貴重な体験を、中高生等を対象に講演をしていただいております。同年代の中高生には何か感じるものがあるのではないでしょうか。

 

我々職員の業務においても相談にのっていただくこともあり、当館を影で支えていただいている方々でありなくてはならない存在です。失礼かもしれませんが、若い職員にはまさに「良きおじいちゃん」ではないでしょうか。

 

長引く梅雨による日照不足の影響でしょうか、今年の蓮の花は少し遅いようです。当館周辺の蓮田はまだほんの少しといった具合です。

今月20日(土)は「なつやすみミニイベント予科練こども会」を予定しております。

皆様方のご来館をお待ち申し上げます。

阿見大空襲の日と収蔵資料展

6月 16th, 2019

今年も6月10日を迎えました。

今から74年前の昭和20年(1945年)の朝に、当時予科練生が訓練を行っていた土浦海軍航空隊と周辺地区が米軍のB29爆撃機による大規模な空襲を受け、370余名の方が亡くなりました。

当時の様子を調査した当館歴史調査委員に伺いましたが、聞くに堪えがたい惨状であり、ただただご冥福を祈るのみでした。こののどかな町にも戦争による悲惨な出来事があったことを忘れてはならないと、改めて感じたところです。

当館ではその空襲の資料展示及び再現した映像を放映するとともに、その惨状を忘れず伝承するため毎年6月10日は無料開館日としております。

 

当館にはご遺族の方などから寄贈された遺品等の資料約1万5千点を収蔵しております。その中には予科練以外の資料も多数存在します。これらの未だ展示されていないものを中心に、毎年前後期2回の収蔵資料展を開催しております。

本年度前期の収蔵資料展は「それぞれの記憶」と題し、ご寄贈いただいた方々の資料に籠められた「記憶」や「想い」を感じ取っていただければと企画したものです。

9月1日まで開催しておりますので、ぜひご来館ください。

 

今年も平年並みの梅雨入りとなりました。体調管理には十分気を付けたいものです。

当館周辺のいたるところで紫陽花が色づきました、白、青、紫、ピンク・・・。

皆様方のご来館をお待ち申し上げます。

池太郎氏講演会と第52回予科練戦没者慰霊祭

5月 14th, 2019

皆様、10連休はいかがお過ごしになられましたでしょうか。当館には大勢の方にお越しいただきまして誠にありがとうございました。遠方からの方々も多数見受けられ、経済効果は十分にあったものと思われます。

桜が終わり新緑の季節となりましたので、これからバラが見頃を迎える季節となります。待望の開花までつぼみの膨らみに一喜一憂する毎日です。

 

新しい時代の幕開けとなった5月は、令和元年に相応しい講師の方をお招きしての講演会を予定しております。最新情報でもお知らせしておりますが改めて紹介をさせていただきます。

 

前海上自衛隊呉地方総監 海原会顧問 元海将池太郎氏による講演会を25日(土)に開催します。池氏と当館との関わりは、氏が海上自衛隊教育航空集団司令官時に、教育資料作成のための当館からの資料提供や、航空学生の教育一環としての当館見学研修を取り入れたこと、並びに退官後に海原会顧問に就任されたこと等があり、講演が実現することになりました。

題名である「伝統の継承」(海軍航空から海自航空へ)は正に海軍飛行予科練習生から現在の海上自衛隊航空学生へ引き継がれているものです。

また、6月2日(日)には海原会主催による第52回予科練戦没者慰霊祭が陸上自衛隊武器学校内の雄翔園で開催されます。式典は午前11時から国旗掲揚、海上自衛隊による儀仗(弔銃)、黙祷で始まり、献花、予科練生の遺書の朗読、遺族代表の挨拶、若鷲の歌奉唱など奉納行事が行われます。式典には一般の方も参加できます。なお、当日当館は無料開館日となっております。

とても過ごしやすい季節となりました。皆様方のお越しを心よりお待ち申し上げます。

着任しました

4月 16th, 2019

着任から2週間が過ぎましたが、当館敷地の桜はまだ綺麗に咲いています。

今日はまさに陽春そのもの。陽光の中を染井吉野の花びらが舞い、大島桜の美しい花の白と新緑の緑が今見ごろを迎えています。八重咲きの里桜は蕾がほころびはじめたばかりです。

このような穏やかな日が未来永劫続くことを願いたいものです。

 

4月の人事異動では私館長と館長補佐が代りました。また館内を案内する展示解説員は2名が新しい方となりました。只今猛特訓中で連休明け頃から解説開始を予定しております。

 

予科練平和記念館とその敷地である霞ヶ浦平和記念公園は、構想から約20年、開館から10年の節目の年を迎えようとしています。当館はこれまで数えきれない方々のご支援ご協力により建設運営がなされてまいりました。私自身も構想と基本計画に携わった人間として、また予科練が存在した自治体の使命として、改めて当館の目的である歴史遺産伝承と恒久平和実現を目指して運営していきたいと考えます。

来月より「令和」という新しい時代がスタートします。本日のような穏やかな日々の時代となることを願います。

 

4月27日から5月6日までの10連休は休まず開館いたします。なお、5月1日の即位の日は無料開館日となりますので、皆様方のご来館をお待ち申し上げます。