ハスの花が咲いています

8月 11th, 2010

みなさんこんにちは(o・ω・o)ノノ゙

台風4号の影響なのか、今日は雲の多い予科練平和記念館です。



もっこもこの雲の上には、きれいな青い空が広がっています。

この先には広い宇宙があって、そこには宇宙飛行士の人たちがいるんですね。

人類はどこまでいくことができるのでしょうか。


さて、館の周りのハス畑には、今ハスの花がたくさん咲いています。



本当はもっと早くお知らせしたかったのですが、連日のあまりの暑さに

なかなか外に出る勇気がなかったのでした。

ちょっと盛りは過ぎ・・・かけ・・・かな?という感じですが、まだまだ

十分に楽しめます。



ハスは泥の中から美しい花を咲かせるので、仏教では聖なる花とされていますね。

仏像や仏画を見ても、仏様がハスの花をかたどった蓮華台に乗っていたり、

ハスの花を持っていたりと深い関係性を感じることができます。

最近あまり聞かなくなりましたが、「一蓮托生(いちれんたくしょう)」という

言葉もあります。

よい行いをした人は、亡くなった後極楽浄土の同じハスの葉の上に

生まれ変わるのだそうです。

なるほど確かに、ハスは花もきれいですが葉もやわらかで美しい形をしています。



間もなく終戦記念日です。

予科練平和記念館は、この日一日無料でご覧いただけます。

この機会にぜひご来館いただき、戦争の時代の少年たちに

思いを馳せてみてください。


お盆で里帰りをするご先祖様と一緒に帰ってきた予科練生たちも

もしかしたら館のまわりのハスの葉の上で笑っているかもしれません。



元予科練生の体験を聞く会

8月 7th, 2010

みなさんこんにちは( ^ ^ )/

暦の上では「立秋」の今日も、暑い暑い予科練平和記念館です。


さて、先日開館より5万人目のお客様をお迎えいたしまして、

館長より感謝のご挨拶です。


「開館来、6ヶ月が過ぎました。

お陰様を持ちまして、50,000人の入館者を迎えることができました。

予科練出身及びその遺族はもとより、県内外の各種団体のご来館が数多く、

好評を得ております。

最近になりまして、小・中・高等学校の生徒さんが授業の一環として

来館される様になりました。

同世代の予科練生を自分と重ね、何を感じているのでしょうか。

暑い8月がやってまいりました。65年前の少年達(予科練生)を見て下さい。

忘れがちなものを思い起こし、忘れることのなきよう次世代に語り継いでいきたいものです。」



今日は、戦後65年目の夏の企画として、「元予科練生の体験を聞く会」を行ないました。

午前11時からと午後2時からの2回、元予科練生の

戸張礼記さんを囲んで、予科練時代の体験談などをうかがいます。


戸張さんはこのブログでも度々登場されていますが、当館の資料調査委員として

勤務されるかたわら、ボランティアでご来館のお客様にお話をしてくださっています。



熱心に語りかける戸張さん。

あこがれの予科練に16歳で入隊した戸張さんですが、待っていたのは

「こんなとこに入らなきゃよかった・・・」と後悔するぐらい厳しい訓練の毎日。

「バッター」と呼ばれる太い棒でおしりを叩かれ叩かれ、それでも歯を食いしばって

必死で過ごした日々は、今も戸張さんの中にリアルに残っています。


午後の部は立ち見の方もいらっしゃるくらい大盛況で、会が終わった後も

戸張さんへ質問やお話をする方がたくさんいらっしゃいました。



時には笑いも交えながら、体験者でなければ語ることのできない貴重なお話を

たくさん聞かせてくださった戸張さん、本当にありがとうございました。


また、当館でこうした催し物を行なうのは初めてでしたので、いろいろ不手際も

あったと思いますが、午前の部には60名、午後の部には80名と多くの方に

ご参加いただくことができました。ご来場のみなさん、ありがとうございました。



昨日の広島の平和式典には、国連の事務総長や、核保有国の代表の方々も

参列されましたね。

一連のニュースを見ていて、「核」や「戦争」は、過去のものではなくて、

日本のみならず世界中で、複雑な歴史や状況をはらみながら進んでいる、

今、この時のものなのだということを改めて感じました。

そして、戦後65年経っても癒えることのない傷を心や体に負わされた

被爆者の方々、関係される方々の苦しみ、悲しみはいかばかりかと思いました。


この仕事をしていると、たくさんの元予科練生や戦争体験者の方にお会いしますが、

やっぱり、唯一の被爆国として、そしてたくさんの若者を戦争で失った国として、

あの時代の体験を語り継ぎ、伝えていくことが、これからの未来を考える上で

本当に必要だし、待ったなしの課題であると思います。


戸張さんも最後に、「特攻隊として亡くなった先輩たちが「あとは頼んだぞ」と言って

突っ込んでいった。先輩たちが守ってくれたお陰で今の自分がある。

たくさんの若い人たちに体験を語り継いでいきたい」とおっしゃっていました。


今月22日(日)には、別の元予科練生をお迎えして体験を聞く会があります。

違った角度から見た予科練のお話を聞くことができると思いますので、

こちらもぜひご参加をお待ちしています。


青空記念館

8月 5th, 2010

みなさんこんにちは(^^♪

先日の入館者5万人のニュースと、当館のディスプレイデザイン大賞受賞をお知りになって

お祝いを述べてくださるお客様がたくさんいらっしゃいます。

ディスプレイデザイン大賞という素晴らしい賞をいただけたのも、

展示デザインを担当した乃村工藝社さんが素晴らしかった

こともありますし、予科練平和記念館事業にご尽力いただいた

皆さんや元予科練生の皆さん、阿見町民の皆さん、

その他多くの皆さんからいただいたお力の結果だと思います。

深く感謝申し上げます。

これからもたくさんの方にご来館いただけるよう頑張ってまいりますので、

今後とも予科練平和記念館を宜しくお願い申し上げます。


社団法人日本ディスプレイデザイン協会HP

http://www.dda.or.jp/news/detail/news_100624



さて、今日も本当に暑い一日ですねε=(・д・`*)

気温が33度です、とか35度です、と言われることに慣れてきている自分に

ちょっと驚いています。

こんなに暑いと、いろんな虫たちのサイズが大きくなってしまうのではないかと

ひそかに心配です。


本日も予科練平和記念館上空は晴天なり、です。

展示解説員Hさんが、休憩時間にご自分の携帯で撮った記念館の写真を

見せてくれました。

そこには、雲一つないラムネ色の空と、亜鉛メッキ鉄板の外壁が空を映して

真っ青に染まっていて、まるで空と同化したかのような記念館が写っていました。


「予科練生は空にあこがれた少年たちだったので、この記念館では、彼らがあこがれた

空の色だけが映るように、外壁がステンレスではなくて鉄板なんですよ」と

お客様に説明しているんです、とHさん。


ご指名で案内のご予約をいただくこともあるHさんの言葉は、とっても説得力があって、

なるほどおっしゃるとおりだなと思いました。

みなさんにもお見せしたかったので、Hさんにお願いして撮っていただいたのがこれです↓




8月のカレンダー写真になっていそうな1枚です☆

光線の加減が一番いい場所だと、このようにきれいに撮れるんだそうです。

年代物の500万画素のデジカメで撮ったとは思えない素敵さですよね。

Hさん、暑い中ありがとうございました!



館内ラウンジの窓からは、水平線ならぬ雲平線になっている雲が見えました。

どこから来たのか、雲と同じぐらいの高さを旅客機がすーっと飛んでいきます。



外のモワァーやムシムシを忘れてしまうほど、

ラウンジでは穏やかな気持ちで夏空の美しさを堪能していただけます。

暑さでやりきれなくなったら、ぜひご来館ください。


今週末7日(土)・8日(日)は阿見町で「まい・あみまつり」、

お隣の土浦市では「キララまつり」が行なわれます。

お祭で熱く燃えたあとは、涼しい予科練平和記念館でのんびりと

祭りの余韻を楽しんでみてはいかがでしょうか。


5万人目のお客様

8月 4th, 2010

みなさんこんにちは(- -)“

毎日毎日暑い日が続いて、体も疲れ気味ではありませんか?

そんな暑さにも関わらず記念館には、毎日たくさんの人がお見えになっています。


予科練平和記念館は、今年2月2日の開館から早くも6ヶ月が過ぎました。 

開館してから156日目の8月3日午前10時50分に、5万人目のお客様をお迎えすることができました。


そのお客様は、阿見町の隣町の稲敷市にお住まいの黒田伸治(くろだしんじ)さん63歳です。 

記念館の前を走る道路を利用し、通勤していた黒田さんは、昨年の建設工事中から、何ができるのか興味を持っていたそうです。

開館後は、足しげくおいで頂き、今回で4回目のご来館だそうです。

 


「新聞やテレビで何万人達成というのはよく聞くが、この様な場面に、自分が遭遇するとはびっくりです。通ってみるものですね。」とおっしゃられて、テレビや新聞の取材を快く受けておられました。

 


記念のくす玉を割って頂き、記念品として町長より、赤とんぼの模型、ハンドタオル、ネックストラップ、予科練ものがたり、ボールペンなどを進呈しました。これらの品は、記念館の売店でも販売しています。

 


「来るたびに、このような資料がどこに埋もれていたか感心します。手紙などを見るたびに目頭が熱くなります。年齢を問わず、たくさんの人見てもらいたい施設です。たくさんの人に見てもらうためにたくさんPRしてください。私もPRしますから、」といって、今日も館内をゆっくりご覧になっていました。

オープンから記念館にいらしてくださった、たくさんの皆さま、ありがとうございました。

皆さまに支えられて5万人目のお客様をお迎えすることができました。

心より感謝申し上げます。


 これからも皆様にご満足いただけるよう、スタッフ一同努力してまいります。

そして、皆様のご来館を心よりお待ちしています。

69年前の少女

8月 1st, 2010

みなさんこんにちは☆

あっという間に8月に入りましたね。

お祭り、花火、音楽フェスなど、夏のイベント真っ盛りです。

予科練平和記念館でも、7日(土)に、元予科練生の体験を聞く会を

開催します。

当時、予科練生はどんなことを思って訓練していたのか、

どんな気持ちで入隊したのか、生の声を直接聞くことができる

貴重な機会です。

皆さんのご参加をお待ちしております。

詳細はこちらをごらんください。

https://www.yokaren-heiwa.jp/kantan/?detail=true&id=26


さて、今日はすてきなお客様にお会いすることができました。

展示室当番の解説員さんが、こういうお客様がお見えですよ、と教えてくれたので

お会いすることができた方です。

Kさんありがとうございます!


当館展示室5「交流」のパネルの中に、昭和16(1941)年、

霞ヶ浦に流入する桜川が氾濫して、土浦の街が大水に襲われたときの写真があります。

どんな写真かというと、土浦の大通りに面した商店の1階部分が

ほとんど水に浸かっていて、人々は2階に避難しています。

道路だったところは川のようになり、舟が通っています。

ちょっとびっくりするようなこの写真の中に、

小さなおかっぱの少女が一人映っています。


この写真におさめられた少女、増田和江さんがお見えになったのです。

当時10歳だった増田さん。大水の時のことを、こうお話ししてくださいました。


「昭和13年と16年と大水がありました。この時海軍さんが助けにきてくれて、

おにぎりをくれました。そのことを良く覚えています。」


当時、増田さんのお父さんは土浦の街中の大通りで家具屋さんを営んでいました。

写真の中で彼女がいるところが、そのお店の屋根の上です。

足元には幅広のはしごのようなものがあるのですが、これは、お見舞いに来てくれる人に

自分のお店がわかるようにと、お父さんがつけた看板だそうです。


この大水のとき、予科練生や海軍の人たちは、土浦の街を救出すべく、

桜川に土嚢を積むなどの作業にあたりました。

土浦の人たちは、今でもそのことを良く覚えていらっしゃるのです。


増田さんは、戦時中のご自身の体験もお話してくださいました。


3人兄弟の真ん中だった増田さんは、上と下の兄弟が疎開したので、父と2人で家具店を

守っていたそうです。

土浦の女学校に通い、当時は長男がどこの家でも出征してしまって、

田んぼや畑をつくる人手が足りなくなっていたので、他の女学生たちと一緒に、

勤労奉仕でそういう家を回って農作業をしていました。

食べ物はいつもジャガイモばかりで、連日アメリカ軍の飛行機が頭上を飛んできたので、

防空頭巾を被って家を出て、木の下や車の下などで寝たんだそうです。


あるとき、増田さんが病院の近くの坂を歩いていると、艦載機が彼女を狙って

機銃を撃って来ました。


「脇に逃げたりすればよかったんだけど、まだ小さかったから、もう親の元に帰ることしか

頭になくて。飛行機が来る!ってわかって、もう夢中で必死で逃げました。

桜川沿いを必死に走って家に飛び込みました。」


危機一髪難を逃れることができた彼女ですが、それにしても、まだ幼い少女が

戦闘機に命を狙われる時代が日本にあったのだということを考えると、

本当に恐ろしく、なんとも言えない気持ちになります。


「いろんな経験をしたからでしょうかね、今日までいろんなことがあっても

がんばってこれました。」


そういってにっこり笑う増田さんの笑顔はとっても穏やかで、深い優しさに満ちていました。


せっかくなので、昔のご自身と一緒に撮りませんか?とお誘いして

記念写真を撮らせていただきました。



10歳の増田さんと現在の増田さん。69年の時を経ての邂逅です。


息子さんと、お嫁さんと3人でいらっしゃった増田さん。

まだまだ暑い日が続きますが、お体に気をつけて、いつまでも優しい笑顔で

いらしてくださいね。

またお会いできたら嬉しいです。




平和の使者

7月 22nd, 2010

みなさんこんにちは(^o^)

今日も予科練平和記念館のまわりには熱風がそよいでいました。

連日「酷暑」日が続いていますね。

せめて夏休みの子どもたちが外で安心して遊べるくらい、もう少しゆるやかな暑さに

なったらいいのにな・・・と思ったりします。


今日は、お隣の牛久市から39名の中学生平和使節の皆さんが

来てくださいました。

今年もヒロシマの平和式典に参加されるそうです。


最初に元予科練生の戸張さんがご自分の体験談をお話します。



NHK水戸放送局の取材があり、戸張さんのお話にさらに熱がはいります。

予定していた時間をオーバーしてしまいましたが、生徒さんたちは

一生懸命に聞いてくださいました。


中学生ぐらいの年齢では、普段の暮らしのなかでなかなか戦争ということについて

ふれる機会はそう多くないと思います。

もしかしたら「昭和」という時代も、歴史の教科書に載っている昔のこと、という

感覚があるかもしれません。

でも、実際に戦争の時代を当事者として生きた戸張さんのお話を聞くことで、

知識としての理解ではないリアリティを持った現実として、激動の「昭和」という時代を

身近に感じていただくことができたのではないかなと思います。


各展示室は当館の解説員がご案内しましたが、戸張さんは展示室のところどころでも

ご自分の体験を語っていらっしゃいました。



思いを伝えたいという気持ちがよくわかります。


この模様は、夕方6時10分から放送される

NHKいばらき県域デジタル放送「ニュースワイド茨城」にて紹介されました。


牛久市中学生平和使節のみなさん、広島も暑いと思いますので、

熱中症には十分気をつけて、たくさんのことを心で学んできてくださいね。

予科練平和記念館も、みなさんのまたのお越しをお待ちしています。



梅雨明けのラムネ色

7月 19th, 2010

みなさんこんにちは(*^_^*)

連休の最終日、いかがお過ごしでしょうか。

関東地方も梅雨があけましたね。

予科練平和記念館の上にも、きれいに晴れ上がった空が広がっています。

水色というよりは、もう少し情緒があるブルーで、

勝手に「ラムネ色」と名前をつけました。

お祭や花火大会で買って飲むラムネの味に色をつけるとしたら

こんな感じじゃないかなと思っています。



梅雨明けと同時に各地からさまざまなお祭のニュースが聞こえてきましたね。

朝、館の近くで立派なお神輿が運ばれているのを見かけましたので、

このあたりも今日はお祭なのでしょうか。

30度を越す真夏日が続いていますので、みなさんもどうぞ熱中症にはお気をつけください。



除草作業の方も、小さな木陰で一休み中でした。



さて、(ちょっと前ですが)当館ラウンジに資料を検索できるパソコンがはいりました。



タッチパネルで画面に触れていくと、館内常設展示室内に展示してある

資料の情報を見ることができます。

資料の説明文字が小さくて見えなかったという方は、ぜひこちらでもご覧ください。


現在は資料の情報のみ検索していただけますが、順次図書情報も

整備してまいります。


ラウンジは無料でお入りいただけますので、熱中症対策の

避難場所としてもぜひご利用ください(^_-)-☆


夏休み前

7月 15th, 2010

みなさんこんにちは(^o^)丿

ここのところ、雲間からのぞく空がとてもきれいな水色をしていますね。

お祭で売っているソーダ味のドロップのような色です。

梅雨明けが近いのかなと思います。


今週は、夏休み前の授業で町内の中学生が見学にきてくれました。



阿見中学校の2年生はクラスごとに見学しました。

中学生にとっては難しい戦争の話ですが、一生懸命に聞いてくれます。

小学生よりは大人びているけれども、まだまだかわいらしい生徒さんの

顔を見て、予科練生もこのぐらいの年から入隊試験を受けることができたんだなと

思うと、とても複雑な気持ちになります。



竹来中学校1年生は自由見学でした。

元予科練生のお話を聞いて、係員の説明を聞いた後、

それぞれに見学します。

お話をしてくださった元予科練生は、この中学校の

初代校長先生でもあります。


約半数が、小学校卒業前に学校行事で当館を見学してくれた

生徒さんたちでしたので、

中学校に入学して、たった3ヵ月半でこんなに大きくなるんだなぁと思って

ちょっと感慨深いものがありました。


当館の解説員Tさんの息子さんもこの中にいたそうです。

お客様をご案内しているお母さんの姿をちらちら見ていたんだとか。

いつもと違うお母さんの姿は、どんな風に映ったのでしょうか。

R君、お母さんとっても頑張っていますよ!

笑顔がすてきで、とってもすばらしいお母さんですよ!



話はかわりますが、今年は戦後65年目の節目の年です。

当予科練平和記念館では、元予科練生のお話を聞く会を開催する予定です。

詳細が決まりましたらHP上でご案内いたしますが、今のところ、

8月上旬の土曜日と、下旬の日曜日、1日2回の計4回、

館内の20世紀ホールで行なう予定です。

お話を聞いた後実際に予科練生に質問をする時間もありますので、

日頃聞いてみたいことや疑問に思っていたことがありましたら、ぜひご参加ください。


夏休み中の中学生の皆さんも、ぜひお越しくださいね。

65年前の中学生がどんなことを考えていたのか聞いてみるのも、

皆さんにとって大切な夏の思い出になると思います。


姉妹展

7月 8th, 2010

みなさんこんにちは(^o^)

今日は気温が30度を越してとても暑くなりましたが、

久しぶりにきれいな青空が見えて嬉しいですね。

予科練平和記念館のまわりのハス田に白い花が咲き始めました。

館内からも見えますので、これから楽しみです。


4月8日のブログ(https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20100408)

でご紹介いたしました、吉岡玉子さんと熟田鶴江さんの

油絵姉妹展に先日お邪魔してきました。

お二人は、戦時中土浦海軍航空隊の近くにあった銭湯「亀の湯」で、

日曜日に外出してきた予科練生たちとよく遊んでいた姉妹です。


会場内には、お二人の絵がたくさん展示されています。


右側がお姉さんの玉子さん、左側が妹の鶴江さんの絵です。

過去の作品から最新作まで、とても見ごたえのある展示です。


お姉さんの玉子さんは、小さい頃から絵を描くのがお好きだったそうです。

描く対象の一番いいところをとらえて、優しくキャンバスに移しかえたような感じの

絵を描かれます。

光の表現も、まるで印象派の木漏れ日のようにやわらかで

あたたかい感じがします。

椿を描いた最新作は、ナイフを使った力強いタッチで花弁を表現しており、

落ち着いた深みのある画面の中に、静かな時間が流れています。


妹の鶴江さんは、お姉さんとは反対に小さい頃は絵が苦手で、

活発で行動的、いつも飛び回っているような女の子だったそうです。

具象画を描いていた初期から、すでにデザイン的な要素が見うけられますが、

現在は深い紺地のバックに鮮やかな赤の円、そして周りを取り囲むラインで構成された

画面の中に、いろんな素材のものをコラージュした、モダンで好奇心を感じる作品を

製作なさっています。


傘寿を超えてなおみずみずしい作品を生み出すお二人に、とても感動しました。

会場にはお祝いのお花がたくさん飾られていて、交流の広さがうかがえます。

これからもすばらしい作品を見せていただけたら、とても嬉しいなと思います。

予科練平和記念館のホールにも、お二人が予科練生を描いた作品が

展示してありますので、皆さんもご来館の際にはご覧になって

みてください。



お二人のこれまでを振り返る展覧会は今週日曜日までです。

お時間がございましたらぜひお立ち寄り下さい。


吉岡玉子 熟田鶴江 油絵姉妹展

2010年7月2日(金)~7月11日(日)

10:00~16:00(最終日は13:00まで)

阿見町立図書館2階視聴覚室及びギャラリー

(稲敷郡阿見町若栗1838-24 029-887-6331)



朗読劇

7月 4th, 2010

みなさんこんにちは(^^♪

予科練平和記念館の裏のハス田から、優雅な形の大きな葉っぱが

たくさん出て、風にわさわさそよいでいます。

そろそろハスの花も咲く時期になります。

とってもきれいなので、咲き出したらこちらのブログでご紹介しますね。


今日は、お隣の美浦村で「美浦平和のつどい」がありました。

美浦中央公民館の大ホールでは、『女優たちによる朗読「夏の雲は忘れない

ヒロシマ・ナガサキ 1945年」 』の公演があり、

予科練平和記念館も主催者の方のご厚意により、ロビーで

パネル展示をさせていただくことになりました。



館の紹介パネルと、予科練生が家族に宛てた手紙のダイジェストを

読めるようにしたものを展示させていただいたところ、手にとってくださる

方がけっこういらっしゃり、案内をお渡しすると「記念館行きました」と

声をかけてくださる方もいらっしゃいました。

ご覧下さった皆さん、どうもありがとうございました。

ちょうどプライベートで舞台を見に来ていた当館の展示解説員さんが

一緒に案内を配ってくれたので、たくさんの方に

予科練平和記念館をご紹介できたかなと思います。

Mさんどうもありがとう!



会場は開演前から長蛇の列です。

会場も満席。補助席も出ていました。


さてこの「夏の雲は忘れない」は、女優さん6人が、あの原子爆弾が落とされた夏の日、

きのこ雲の下でこの世の地獄を見た人たちの様々な手記を朗読していく舞台です。

その声は子どもになったりお母さんになったり先生になったり・・・

声にならなかった声になったり。

一瞬にして大切な家族や自分の命を失ってしまった

多くの人たちの声のアルバムを開いているような感じを受けました。

悲しい場面もたくさんありますが、それ以上に、人が生きるということについて

考えさせられます。


私が一番印象に残ったのは、原爆が投下されたその日の夜のヒロシマのお話です。


ろうそくの明かり一つない地下室にうごめく被爆者たち。

血のにおい、うめき声、「水をくれ」という叫び。

そんな地獄のような中で、若い母親が産気づきます。

真っ暗闇でお産を助ける道具もない中、

「私は産婆です。私がこの子を取り上げます」と言ったのは、

血まみれになってさっきまでうめいていた女性でした。

しらじらと夜が明けるころ赤ちゃんは産声をあげ、

産婆は静かに息を引きとります。

極限状態に生じたハレーションのような強烈な生と死の対比が、

声だけで表現されるのが本当にすごいと思いました。

多分このお話は、私が死ぬときまで覚えているのではないかと思います。


女優さんたちの語りかける声が、すっと胸の中に染みていくような舞台でした。

今の平和な生活の中で、私たちが決してないがしろにしてはいけないことに

もう一度目を向けさせてくれます。

これからもたくさんの場所で上演されるようですので、

ぜひ皆さんも一度ご覧になってみてください。


終焉後、大橋芳枝さん、大原ますみさん、長内美那子さん、山口果林さんの

4名が、お忙しい中時間をさいて当館に来てくださいました。

自分がさっき見た舞台に出演していた方とこんな近くでお会いできるなんて!と、

とても感激です。

やっぱり女優さんはすごいですね。目がとってもきれいで強いんです。

短い時間ではありましたが、皆さん時には涙しながら展示をご覧くださいました。

なんと、大橋芳枝さんのお兄さんは元予科練生なのだそうです。

こうしていらっしゃったのも、何かのご縁かもしれません。


女優の皆さん、関係者の皆さん、本日は本当にありがとうございました。

毎日暑いですがお体ご自愛くださり、多くの方に素晴らしい舞台を届けてください。

予科練平和記念館から応援しています。