第3回所蔵資料展がはじまりました

4月 26th, 2011

みなさんこんにちは。

今日の予科練平和記念館の窓からは、流れる雲の隙間から

青灰色の空がのぞいているのが見えます。

時々鳥が横切っていきます。


今日はチェルノブイリ原発事故から25年目の日だそうです。


この間の日曜日でしたでしょうか。記念館に福島からの

お客様がいらっしゃいました。

ご自宅が原発から20キロ以内だそうです。


もう、戻れないんだよ・・・。


とおっしゃっていました。


何とも申し上げることができず、いたたまれない気持ちでいっぱいでした。


記念館の窓口では、東日本大震災義援金への募金箱を置いておりますが、

現在までの6日間で、47,688円が集まりました。ご協力ありがとうございます。

みなさんのお気持ちは、必ず、被災されて苦しんでおられる方々の

お役にたつものと思います。


先日、記念館でも職員が少しずつ出し合って

茨城新聞社さんを通じて寄附させていただきました。


みんなで、できることを続けていく。

とても必要で、とても良いことだと思います。




さて、本日より第3回所蔵資料展「予科練生の資料館―銀田コレクション展」が

はじまりました。

震災の影響で、1ヶ月遅れでのスタートになります。


今回は、甲種第15期生だった銀田捷(まさる)さんが、戦後50年かけて収集していた

旧海軍関係の資料や図書、模型など205点を展示しています。


銀田さんは、新潟県の自宅の2階に収集した資料約780点を展示しており、

仲間からは「銀田予科練資料室」と呼ばれていたそうです。

残念ながら、ご本人は平成8年にお亡くなりになりましたが、

残された資料は、7年後の平成15年に奥様より阿見町に寄贈されました。

七畳半という広さだった銀田資料室に少しでも近い雰囲気でご覧いただけるよう、

会場を狭くして資料を展示しています。




制服類をケースに入れずそのまま展示していますので、

会場内はそこはかとなく古い衣類のにおいがして、なんとなくリアルな展示になっています。


甲種第15期生は1944(昭和19)年9月から、4回に分けて36,717人が入隊しています。

戦局の悪化により訓練は途中で中止されてしまい、練習生は航空隊の警備にあたったり

本土防衛のための陸戦隊となったりしました。

そうした経過があるぶん、予科練や海軍、飛行機などに対して強い想いが

あるのかもしれません。

彼らがどのような気持ちで戦後を過していたのか、想像していただけたらと思います。


会期は6月12日(日)までです。

ご来館の際にはぜひご覧下さい。

館のとなりの公園のつつじもきれいに咲き始めました。



共に生きよう

4月 21st, 2011

みなさんこんにちは。

今日はうす曇。すこし肌寒い予科練平和記念館です。

茨城新聞、常陽新聞朝刊に記事を載せていただいたおかげか、

昨日はたくさんのお客様がお見えになりました。

ありがとうございます。


大きな被害を受けた地域の方たちは言わずもがなですが、ここ茨城でも

まだまだ余震が続き、不安な日々を送っていらっしゃる方も多いと思います。

当館では、皆さんを応援する気持ちもこめまして、

4月26日(日)まで無料でご覧いただいております。

よろしければ、ぜひお運びください。



また、窓口では、東日本大震災義援金の募金も行なっております。



お預かりした支援のお気持ちは、日本赤十字社の東日本大震災

義援金に全額寄附させていただきます。

ご来館の際には、ご協力いただけましたら幸いです。


窓口で、本日は無料でご覧いただけますとご案内すると、

じゃあ、チケット代人数分ねとおっしゃって、その金額を寄附してくださる

お客様がたくさんいらっしゃいます。

帰りがけに入れてくださるお客様もいらっしゃいます。

とても嬉しいですね。


・・・と、嬉しそうに伝えてくれる窓口担当の展示解説員さん。

お客様の善意で、我々スタッフも元気をいただいております。

本当にありがとうございます!



そういえば、海外で活躍する日本のサッカー選手が出演していたCMが

ひとときよくテレビで流れていましたが、皆さんはご覧になられたでしょうか。

ドイツ・シャルケ04で活躍している内田篤人選手のシャツに、

「共に生きよう」と書かれていたのが印象的でしたね。

「頑張れ」とか「信じてる」という言葉は、なんとなく少しクールな感じが

しないでもないのですが、

「共に生きよう」は、苦しみや悲しみを引き受けて分かち合う、

とてもあたたかくて強い言葉だなと思って、感動しました。



予科練平和記念館で募金をしてくださるお客様のお気持ちも、

同じ日本に「共に生きる」ということの一つの表れなのだと思います。



シャルケは、現在欧州チャンピオンズリーグで4位。

インテル・ミラノの長友選手との日本人対決は話題になりましたね。

(ちなみにこの試合の観客数は5万3千人とか・・・阿見町の人口を軽く超えています。)


内田選手は以前鹿島アントラーズ(本拠地:茨城県鹿嶋市)に所属していたこともあり、

こうして世界を相手に活躍している姿を見られるのは、いち茨城県民としてとても嬉しいです。



アントラーズのホームスタジアムである「鹿島スタジアム」も、残念ながら

今回の地震で被害を受けてしまいました。

 日本のサッカー界にもいろいろと影響がでているようですが、

厳しい世界で頑張る内田選手の姿が、日本中の人に勇気を

与えてくれるのみならず、

鹿島でプレーする選手や地元の人たち、Jリーガーやサッカー選手を夢見る

たくさんの子どもたちにも大きな励みになっていると思います。

 子どもが好きだというやさしい内田選手。

26日(火)のマンチェスターユナイテッド戦、応援しています。



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さて、話しはかわりますが、予科練平和記念館のラウンジに新しい絵本がはいりました。



色とりどりの表紙が、ラウンジにいろどりを沿えてくれています。



一見こわいお話しかなと思いきや、最後はほのぼのしてみたり、

かわいらしい絵につられてみていると、とても重いテーマを扱っていたり。

絵本の世界は奥が深いですね。

個人的には、レオ=レオニの「あいうえおの き」が素敵だなと思っています。


今、被災地に絵本を送るプロジェクトが行なわれています。

絵本はお子さんの心を安定させてくれるそうです。

大人の心も癒してくれそうですね。

ラウンジはチケットが必要ありませんので、どうぞお気軽に読みにいらしてくださいね。

お待ちしております。


再開日が決まりました

4月 15th, 2011

みなさんこんにちは。

ここ何日か、福島~茨城~千葉~長野~新潟あたりで

大きな余震がありましたね。

みなさんのいらっしゃるところは大丈夫でしょうか。

まだまだ予断を許さない状況が続いています。

どうぞお気をつけてお過ごし下さい。


さて、予科練平和記念館は、東日本大震災後長らく臨時休館させていただいておりましたが、

4月19日(火)より再開の見通しとなりました。

ご迷惑をおかけいたしまして、大変申し訳ございませんでした。

なお、4月19日(火)から24日(日)までは入館料が無料となりますので、

この機会にぜひご来館ください。



今、予科練平和記念館は春まっさかりです。

この写真は3日前に撮影したものです。




今日はこんな感じです。

ここしばらく暖かく、風が少し強かったので、花びらが芝生に散ってしまっています。

その代わり、若葉が顔をのぞかせてきました。




館の裏手の臨時駐車場の土手から、たくさんのつくしが顔を出していました。



近くのハス田では、ぽかぽかの太陽のもとで白鷺がじっと佇んでいて、

どこからかカエルの鳴き声が聞こえます。


東北からも桜の便りが届くようになりました。

春の暖かさと命が芽吹く力強さが、少しでも被災された方の心をあたためてくれますように。


桜が咲きました

4月 7th, 2011

みなさんこんにちは。

新年度を迎えて、いかがお過ごしでしょうか。

新しい学校、新しい職場、新しい部署などで新たな生活を

スタートさせた方も多いことと思います。


予科練平和記念館でも、館の建設に携わっていた職員が異動になりました。

準備段階から担当していた方でしたので、とても残念ですが、

新たに迎える職員とともに頑張っていきたいと思いますので、

今後とも予科練平和記念館をよろしくお願いいたします。



さて、ここ2~3日春らしい暖かい日が続いたおかげで、

予科練平和記念館でも桜が開花しました。

なんだかすごい構図の写真になってしまいましたが・・・こんな感じです。



まだ1分咲きといったところですが、今日もぽかぽかとあたたかいので、

ブログを書いているこの時にも、まさに花開いていくつぼみがあるかもしれません。


冬の間、枯れた色になっていた周りの芝生にも、新しい葉が少しずつ

顔をのぞかせてきました。

あたたかさの違いなのか、縁石に近いほうから色が変わってきています。



目に見える春がきてくれたことが、本当にうれしいです。


福島、宮城、岩手では、桜の開花予想が4月20日ごろとなっています。

東北に桜の便りが届く頃には、より多くの方に少しでも日常が戻っていますよう、

ニュースを見て毎日感じる不安や胸の痛みが少しでもなくなっていますよう、

祈っています。


春だといふ

3月 31st, 2011

 みなさんこんにちは。

東日本大地震から、20日が経とうとしています。

毎日様々なニュースが飛び交う中、各地の復興を伝えるニュースも

少しずつ多くなってきました。

その一方で、東京電力福島第一原子力発電所では、今この時も

厳しい戦いが続けられています。

ガソリンがなくて、十分な支援が届かない避難所や地域がまだまだたくさんあり、

長引く避難生活で体長を崩される方も少なくないようです。

先の見えない不安が、長く雪を降らせる灰色の雲のように

気持ちのどこかを覆っているような感じがします。


そんな中、先日東京で桜が開花したとのニュースがありました。

3月11日以降、すっかりそうした感覚が抜け落ちてしまっていましたが、

気がつけば、確実に春がやってきていました。

みなさんも、まわりに春の訪れを感じていらっしゃるでしょうか。


予科練平和記念館に植えられた桜も、蕾が少しずつふくらんでいますが、

まだまだ冷たい風が吹いているので、しっかり重ね着をしている感じです。



みなさんに開花のニュースをお届けできるのは、もう少し

先になりそうです。



桜といえば、3月25日付け読売新聞の「編集手帳」をお読みになった方も

多いのではないでしょうか。

今回のブログでは、そこで引き合いに出されていた山村暮鳥の詩を

ご紹介したいなと思います。



「櫻」


さくらだといふ

春だといふ

一寸(ちょっと)、お待ち

どこかに 泣いている人もあらうに



山村暮鳥(やまむら ぼちょう)は、明治大正期に生きた詩人であり、

キリスト教の伝道師として東北から茨城にかけて歩いた人です。

詩の中に、あたたかく、のどかな田舎の風景を多く読み込んだ暮鳥は、

その生涯を、今度の津波で大きな被害を受けた茨城県大洗町で閉じています。

まさに今回地震の被害にあった地域を見、その足で歩いてきた暮鳥の詩の中には、

もしかしたら失われてしまったかもしれない美しい風景が

永遠に刻まれているとも言えます。


お花見自粛論の賛否にしても何にしても、感じ方は人それぞれでよいと思いますが、私

個人としては、これから桜を見るたびに、この詩を思い出すような気がします。

また、その気持ちを形にして、少しでも避難生活を続けている方に届けたいと思います。



さて、記念館の近くではこんな春の訪れも見られます。

予科練平和記念館の前の通り、旧125号線を1㌔弱東へ向ったところの風景です。




菜の花畑の奥が霞ヶ浦で、この写真には入っていませんが、

空気が澄んでいる日には、左方向に筑波山も見えます。

富士山には月見草が似合うかもしれませんが、

筑波山には菜の花が似合うような気がします。

もう少し暖かくなると、菜の花1本1本ががもっともっと大きくなって、

暮鳥のこんな詩がぴったりくるような眺めになります。



「風景」


いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

かすかなるむぎぶえ

いちめんのなのはな


これから桜に気持ちが向きがちですが、

お近くにお越しの際には、ぜひこの菜の花もご覧になってくださいね。

このブログでも、できる限りご紹介していきたいと思います。



明日から新しい年度がはじまります。

東日本大地震から3週間目の日でもあります。

今日よりも、少しでもよい明日になるように、毎日願っています。



予科練平和記念館は明日以降も当面の間休館となり、

みなさんには大変ご迷惑をおかけしております。

開館日程は、決まり次第館のホームページのほかお電話でもご案内いたしますので、

お手数ですがご確認いただけましたら幸いです。


お隣の陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校内の雄翔館(予科練記念館)と雄翔園は

自衛隊正門からお入りいただけます。(9:30~16:30)

詳しくは、陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(℡:029-887-1171)まで

お問い合わせください。



ハチドリのひとしずく

3月 24th, 2011

3月11日(金)に発生した東日本大地震で被災された方々に

心よりお見舞い申し上げます。

また亡くなられた多くの方々やご家族の皆様には、心よりお悔やみ申し上げます。


今このときも、不安を抱えながら1分1分を一生懸命生きている方が

どれだけいらっしゃることでしょうか。

あまりに大きな被害、そして失ったものの大きさを思い、

日々飛び込んでくるニュースに、茫然自失となることもしばしばです。


予科練平和記念館がある茨城県も、各地で大きな被害を受けました。

地震や津波による直接的な影響だけではなく、放射性物質により

生産者の方たちにも大きな影響が出ています。

県内の文化財も多数被害が報告され、中でも福島県との県境に位置する北茨城市にあった

日本画家岡倉天心ゆかりの六角堂(国の登録有形文化財)は

丸ごと津波にさらわれてしまいました。

あの美しい風景が今なくなっていることが、にわかには信じられません。

六角堂は海に向ってせり出した高い岸壁の上に立てられているので、

そこまで津波がきたのかと思うと、改めてその力の大きさと激しさを感じます。


地震があったとき、予科練平和記念館にいらっしゃったお客様は全員ご無事でした。

館の職員にもさいわいけがはありませんでした。

館内ロビーの壁面にひびがはいったり、照明がぶら下がってしまったりしましたが

館自体には大きな被害はありませんでした。

資料にも大きな損傷はなく、ほっとしておりますが、被災地の文化財は

大丈夫だったろうかと心配もしております。


予科練平和記念館は今月末まで臨時休館とさせていただいております。

今後の開館スケジュールにつきましては未定ですが、

決まり次第館のHPなどでお知らせいたしますので、どうぞご覧ください。



3月11日を境に、多くの方の生活が一変してしまいました。

この度のことで、あたりまえに続いていくと思っていた日常は、思いもよらない時に予告もなく

大きく変わってしまうのだ、ということをまざまざと思い知らされたように思います。

津波などで大きな被害を受けた地域の方々や、そのご家族縁者の方々の

辛さや苦しさには及びもつきませんが、私も被災した一人として、

このことは一生忘れないと思います。


地震のあと、停電で真っ暗で寒い中、すぐに逃げられるよう服を着たまま

余震におびえながらラジオを聞いて、どれだけ眠れずに過したでしょうか。

「壊滅的被害」という言葉がラジオから繰り返し聞こえてくる中、

さえぎる光のなくなった空にはたくさんの星がまたたいていました。


割れた道路、くずれた屋根瓦や塀。

めちゃくちゃにものが散乱した家の中。

信号がついていない道路の恐さ。

生活必需品が手に入らない大変さ。

電話がつながらない不安。

電気や水のありがたさ。


地震が起きてからただ今までのいろいろなことが、どこか体の奥深くに

刻まれ続けているような気がしています。

今この時も、この先がどうなるのか誰にも分からない状況にありますが、

東京電力福島原子力発電所で作業されているたくさんの方々、

自衛隊、消防、警察、レスキュー、自治体職員、医者、看護士、企業、ボランティア、NPO

海外からの方々、その他たくさんの皆さんが

昼夜をわかたず現地で頑張っていることだけは確かです。

どうかご無事でと、祈らずにはおれません。


震災以来、自分の生活のほどんどが、誰かのおかげで成り立っていたことが

よくわかりました。

こうしてブログを書くことができるのも、「おかげさま」なのだと思います。



数年前、「ハチドリのひとしずく」という絵本が話題になりました。

南アンデス地方に伝わる話を、明治学院大学の辻 信一先生が訳したものです。

それは、こんなお話です。



森が燃えていました

森のいきものたちは、われ先にと逃げていきました

でも、クリキンディという名のハチドリだけは、いったりきたり

口ばしで水のしずくをいってきずつ運んでは

火の上に落としていきます


動物たちがそれを見て

「そんなことして いったい何になるんだ」

といって笑います


クリキンディは こう答えました

「わたしは わたしにできることを しているだけ」


(「ハチドリのひとしずく  -いま、私にできること」 辻信一(監修) 光文社 2005)



ハチドリは、体長10センチほどしかない小さな小さな鳥です。

今改めて、このお話を思い出している方も多いと思います。

クリキンディのように飛び回っている方もたくさんいらっしゃることでしょう。


私も、私にできることを精一杯しようと思います。


虫もおどろく雪化粧

3月 8th, 2011

みなさんこんにちは(*’‐’*)

いろんなところで桜とイチゴ味のお菓子がたくさん売られていて、

こんなところでも春を感じる毎日です。

桜味のお菓子には塩漬けされた桜の花がよく乗っていますが、

日本を代表する伝統の桜スイーツといえば、こしあんぱん。

おへそが桜の塩漬けですよね。


このこしあんぱん(木村屋さんでは「桜あんぱん」)を最初につくったのは、

木村安兵衛さんという方で、

「キムラヤのパン」で有名な「銀座木村屋総本店」の創業者です。

実はこの安兵衛さん。茨城にとてもゆかりが深い方で、

予科練平和記念館がある阿見町のお隣にある牛久市のご出身です。

ちょっと嬉しいですね☆


135年前の明治8(1875)年4月4日のこと。

時の明治天皇が、東京・向島の水戸藩下屋敷(今の隅田公園 桜の名所です)で

お花見をなさるときに、当時話題になっていたあんぱんを召し上がっていただこう!!

という話しになったそうです。

そのままではどうしても外国のものというイメージがあったパンに、

日本らしさと季節感を取り入れるため、

安兵衛さんは、桜の名所である奈良県の吉野に咲いた八重桜を

塩漬けにしたものをパンにつけたそうです。

これがあんと絶妙にマッチして、とってもおいしい「桜あんぱん」が誕生しました。

この桜あんぱんは、明治天皇、皇后両陛下にとても喜ばれて皇室御用達になったそうです。

きっと楽しいお花見になったことでしょうね。

なんだかほっこりするお話しです。


暖かくなって桜が咲いたら、少し小ぶりで奥ゆかしい木村屋の桜あんぱんを持って

お花見にでかけるのも楽しいですね。


さて、先日6日は二十四節気の一つ「啓蟄」でした。

「啓蟄」は、地面が暖まって冬ごもりをしていた虫が這い出してくるころだそうですが、

昨日7日(月)は雪になり、

土の中から出かかった虫も思わず頭をひっこめてしまうのでは、と思うほど寒い一日でした。

雪まみれになって撮影してみました。



お隣の公園も真白です。



休館日を利用しての館内点検や修繕などがありましたが、

来てくださった業者さんたちも大変そうでした。

みなさんお疲れ様でした。



なんだか雪が降ると写真を撮りたくなりますが、昔の人もそうだったのでしょうか。

当館には、雪化粧をした土浦海軍航空隊の写真が残っています。

お持ちになっていた予科練生から推測するに、昭和15~17年頃の様子と思われます。



木にも地面にも雪が降り積もっていて、広い練兵場(グラウンド)も

きっと真白になっていたことでしょう。

予科練生たちは冷たい雪の寒い中でも訓練をしていたのでしょうか。

雪国出身の練習生などは、故郷を思い出して雪にはしゃいだかもしれませんし、

暖かい地方出身の練習生は、早く暖かくなるといいなぁなんて

思っていたかもしれませんね。

撮影された時期も分からない写真ですが、いろいろ想像してみるのも楽しいものです。


来週からはまた少し暖かくなるそうですので、今度こそ

土の中の虫たちも安心して顔を出せそうですね。

三寒四温で体調を崩しやすい時期でもありますので、

みなさんもどうぞ、体調管理には十分お気をつけください。


第2回所蔵資料展が終わりました

3月 1st, 2011

みなさんこんにちは(*^^*)

3月がスタートしましたね。

日々近づいてくる春に向って、いかがお過ごしでしょうか。


今日はしとしと冷たい雨が降っている予科練平和記念館です。


昨日は前日のぽかぽか日和から一転、雪交じりの雨が降る

寒い一日でした。

予科練平和記念館は閉館日でしたが、運営協議会が開かれて、今年度事業の

報告と来年度に向けての話し合いが行なわれました。

会議の内容は、後程館のHPにて公開されると思いますので、ご興味のある方は

ぜひご覧下さい。



さて、先日2月27日(日)をもちまして、第2回所蔵資料展「戦後の予科練」が

終了いたしました。

ご覧くださいました皆さん、ありがとうございました。


現在は資料を撤収して、このような感じです。



特別展仕様のホールを見慣れてしまっているので、ちょっとさみしいような

感じもしています。

次の所蔵資料展までのしばらくの間、20世紀ホールは団体のお客様ご案内スペース兼

休憩スペースとなります。


次回の所蔵資料展は、3月末からを予定しております。

個人の収集した予科練関連の資料を展示する予定です。

詳しい内容などは、今後このブログでも紹介するほか、館の

HPでもご案内いたしますので、ぜひご覧下さい。


★。、:*:。.:*:・’゜☆。.:*:・’゜★。、:*:。.:*:・’゜☆。.:*:・’゜★。、:*:。.:*:・’゜


追伸その1

先日、このブログで、茨城の梅どころとして筑波山梅林や水戸の偕楽園を

ご紹介いたしましたが、

先週土曜日に、テレビ東京「出没!アド街ック天国」で水戸が紹介され、

偕楽園の様子も映っていました。

梅は現在5分咲きだそうで、今週末5日(土)の夜には、梅のライトアップや

花火などが楽しめる「夜梅祭」が行なわれます。

私も行ったことがあるのですが、夜の梅林は全身梅の香りに包まれるようで、

昼間とはまた違った風情があってとても素敵です。

足元がキャンドルでライトアップされて、ちょっとほっこりした気持ちになります。

お時間のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。この時期の茨城のおすすめスポットです。



追伸その2

こちらも先日のブログでご紹介しました就職活動中の女子学生Oさんから、

お礼のお手紙をいただきました。

大きくしっかりした字で丁寧に言葉が綴られており、彼女の素直な人柄が

うかがえます。

元予科練だったおじいさんの三回忌に、当館にご来館くださったときのお話しを

なさるとのこと。

きっとおじいさんのご兄弟も喜ばれることと思います。

お忙しい中書いてくださったであろうお手紙、とても嬉しかったです。

ありがとうございました。


私が就職活動をしていたころも(大分前のことですが・・・)氷河期と言われておりましたので、

厳しい状況のなかでも頑張るたくさんの学生さんたちを、心から応援したい気持ちで

いっぱいです。


「うしおととら」(藤田和日郎著)というマンガの中に、こんな感じのせりふがありました。

私は辛いとき、いつも思い出します。


辛いときってよ

トンネルの中にいるみたいだよな

ひとりぼっちで暗くってよ

でもな

トンネルは いつかぬけるんだぜ



Oさんにも、頑張るたくさんの皆さんにも、今のトンネルを抜けた先には

大声でさけびだしたいくらいきれいな桜の花がたくさん咲いて待っていると思います。

体に気をつけて、自分をあきらめないで、ゆっくりでもいいから進んでいってくださいね。

微力ですが、心より応援しています。


先日の講演会

2月 24th, 2011

みなさんこんにちは(*ゝω・)ノ

今日は雨が降ったり止んだりと安定しないお天気でしたが、

厳しさのゆるんだ空気に、ほっぺもゆるむ気持ちの予科練平和記念館です。


朝一番で、就職活動中のかわいい女子学生さんがお見えになりました。

予科練平和記念館をデザインしてくださった乃村工藝社さんの会社説明会に参加するため、

なんと徳島から夜行バスでいらっしゃったのだそうです!

また、お祖父様が予科練だったということで、とても熱心に、

丁寧に展示をご覧になってました。

こうした熱意と行動力が、きっと彼女の未来の扉をどんどん開けていくのだろうと思います。


スタッフもお父さん、お母さん&お姉さんの気持ちになって、一生懸命

応援させていただきました。

素直な笑顔が素敵なOさん。

お名前のとおり、大きく羽ばたいてくださる方だと思います。

来月の入社試験でも、Oさんのいいところがたくさん伝えられるといいですね!

心から応援しています。


 *・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*


さて今日は、先日2月13日(日)茨城県県南生涯学習センターでの

講演会の様子をレポートしたいと思います。


この講演会は、お隣の土浦市にある県南生涯学習センターの多目的ホールで行ったもので、

ご担当Tさんはじめセンターの皆さんには、準備段階から大変お世話になりました。

ありがとうございました。


最初の30分は、予科練平和記念館学芸員が、霞ヶ浦地域と海軍のかかわりや

予科練の歴史などについてお話をさせていただきました。

実はこうしたかたちで大勢の方の前でお話しをさせていただくのは初めてのことで、

とても緊張しておりましたが、

当館の展示解説員さんが何名か聞きにきてくれましたので、客席にその姿を見つけて

とても心強く、なんとか無事時間内にお話しをすることができました。


休憩をはさみ、いよいよ真打の登場です。

元甲種第14期予科練生の戸張礼記さんです。

この日の戸張さんは、ブルーのシャツにピンクのネクタイ。

きまっています。


最初に、「皇国の母」という戦時中の歌を流して雰囲気作りをする戸張さん。

戦地で亡くなった夫の忘れ形見の赤ちゃんを育てていくというお母さんの歌です。


当時の気分になったところで、戸張さんの子ども時代のお話しや

なぜ予科練を受験したのか、予科練の訓練の様子や終戦時の気持ちなどを

パワーポイントを使ってお話ししてくださいました。

このパワーポイントの資料も、全部戸張さんが作ったものです。

すばらしいです。


訓練のお話しのところでは、実際に行なわれていた「バッター」の実演つき。

「バッター」とは、野球のバットを太くしたような固い木の棒で、通信の授業で

聞き取れなかったり、競争に負けたりすると、これでお尻をたたかれます。


教官役の戸張さんと、予科練生のモデルになってくださった県南生涯学習センターの

職員さんです




この方は、実は戸張さんの講演中、舞台の袖で音響も担当してくださっていました。

表に裏にのご活躍、ありがとうございました。


戸張さんは時間をいっぱいまで使っての熱の入った講演で、最後には会場の皆さんと

「千の風になって」を合唱されていました。


当日会場には、84歳になる戸張さんのお姉さんもかけつけ、花束を

渡されていました。

講演後もたくさんの人に囲まれた戸張さん。本当にお疲れ様でした。

充実の表情です。



これからもお元気で、たくさんの方に予科練のお話しをしていただきたいと

思っています。

予科練平和記念館でも、戦争体験者のお話を聞く会を開催してまいります。

詳細は館のHPやブログ、新聞等でお知らせいたしますので、

ぜひご覧ください。



余談になりますが、戸張さんが使用する「バッター」を手に持って

土浦駅の西口を歩いて県南生涯学習センターへ向ったのですが、

スーツ姿でこんなにゴツい木の棒を持ち歩く人間は、すれ違う人に

どう見えているのだろうと思い、

そんな状況の自分におかしくなりました。

もちろん「軍人精神注入棒」という文字のところは紙でくるまれて隠れておりましたけれども。


人間はいろんな体験をするものですね。




燻蒸作業が終わりました

2月 20th, 2011

 みなさんこんにちは(*^-^*)

14日(月)から18日(金)まで、資料燻蒸(くんじょう)作業のため

臨時休館とさせていただき、ご予定を立てていただいた皆さんには

大変ご迷惑をおかけいたしました。

お陰様で無事に作業が終わり、ご寄贈いただいた資料を

収蔵庫におさめることができました。


予科練平和記念館の館内には、温湿度を一定に保ち、

資料をより長く保管できるように設計された「収蔵庫」という部屋があります。

寄贈された資料は、「燻蒸」という保存消毒作業を経て、この収蔵庫にて

永年保管されます。


燻蒸作業は、今後もだいたい年に1度のペースで行なう予定です。

この作業にはガスを使用いたしますので、どうしても全館休館になってしまい、

ご迷惑をおかけしてしまいますが、

資料を永く保存していくための大切な作業ですので、何卒ご協力をお願いいたします。

今後の臨時休館の予定は、予科練平和記念館のホームページや

町広報誌「広報あみ」などでお知らせしてまいりますほか、

お電話でもご案内いたしますので、ぜひご確認下さい。


また、先日の13日(日)に行ないました講演会の様子は

次回レポートしたいと思います。



さて、今日はうすぐもりながら、吹いてくる風の中にかすかに

梅の香りを感じる予科練平和記念館です。


筑波山の梅林では昨日から、梅の名所、水戸の偕楽園では

今日から梅まつりがはじまりました。

偕楽園の梅は現在4分咲きだそうで、咲き始めの風情を感じられるころでしょうか。

千波湖に向いている南斜面の紅梅などは、大分咲いているかもしれません。


皆さんも身近なところで春の訪れを感じていらっしゃることと思います。

まだまだ空気が冷たい中でも、確実に春は始まっているので、

いろんなものの始まりや芽吹きを見逃さないように、いつもより小さな変化に

敏感になりたいなと思う今日この頃です。


当館にも遠方からの団体のお客様が増えてまいりました。

「命の大切さ」がテーマの一つである予科練平和記念館ですので、

コースの一つに加えていただけると、自由に観光できる楽しさやありがたさに

改めて気付かれるかもしれません。


茨城には筑波山、水戸の偕楽園、弘道館などの梅の名所がたくさん

ありますので、県外にお住まいの皆さんも、ぜひ春を探しに茨城にお越し下さいね。

派手さはありませんが、のんびりほっこり楽しめると思います。

当館から筑波山へは一般道で約1時間、偕楽園へは常磐自動車道水戸IC

ご利用で約1時間です。(道路状況等によりかわります。)



筑波山梅まつりオフィシャルサイト(社団法人 筑波観光コンベンション協会)

http://www.umematsuri.jp/


山の斜面にありますので、歩きやすい靴でいらっしゃるとよいと思います。

梅越しに山腹からの眺望が楽しめます。

梅林の入り口にある休憩所では、冷えた体に嬉しい梅茶の無料サービスがあります。



偕楽園オフィシャルHP

http://www.koen.pref.ibaraki.jp/park/kairakuen01.html


東門からお入りいただくのが一般的ですが、もしお時間があれば表門をご覧いただいて、

竹林を通ってから梅林をご覧いただくと、より深く偕楽園を楽しんでいただけます。

(偕楽園・桜山駐車場から梅桜橋を渡ってお入りいただくのがおすすめですが、

ちょっと歩きます。)

園内の好文亭からの景色は本当に最高ですので、お時間がありましたら

ぜひ入ってみてくださいね。



弘道館公園(茨城県営公園都市公園オフィシャルサイト)

http://www.koen.pref.ibaraki.jp/park/kodokan01.html


弘道館公園は、偕楽園を造園した水戸藩九代藩主徳川斉昭が作った藩校跡地の

公園です。

斉昭の息子で、江戸幕府最後の将軍となった徳川慶喜もここで学びました。

当時の建物も残っていますので、梅だけでなく、当時の水戸藩の藩士達の精神も

感じていただけると思います。

偕楽園にお越しの際はこちらもぜひどうぞ。