あけまして2011年

1月 4th, 2011

みなさんこんにちは(*^-^*)

新しい年、2011年がはじまりましたね。

今年はうさぎ年。みなさんにとって、飛び跳ねるように

楽しいことがたくさん起こる一年になりますよう、お祈り申し上げます。


この年末年始は有意義にお過ごしでしたでしょうか。

楽しかったお休みが終わってしまい、今日から頑張ってお仕事!という方も

たくさんいらっしゃることと思います。


予科練平和記念館も今日から通常通り開館しています。

新年の開館初日はとびっきりの快晴!

すがすがしく穏やかな青空が広がっていました。

外は冷えますが、ラウンジには大きな窓から暖かい日差しが降り注いで

ぽかぽかととても暖かく、

窓の外にはわんちゃんと一緒にのんびりお散歩をしているおじいちゃまが見えました。

とても幸せな風景だなぁ・・・と思いました。



朝一番にご来館くださったお客様には、ささやかですが当館のガイドブックを

プレゼントさせていただきました。

本日はご家族連れのお客様や初詣帰りの団体様で、館内はなんとなくほのぼのとした

雰囲気です。



さて、一年の計は元旦にあり、と申しますが、今日は予科練平和記念館の

今後のスケジュールをお知らせしたいと思います。


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1月10日(月)       

成人の日で祝日のため開館します。

翌11日(火)は休館日です。


2月2日(水)       

開館1周年記念日

予科練平和記念館の2年目がスタートします。


2月13日(日)       

平成23年度生涯学習講演会『「予科練」と呼ばれた少年たち』 開催


14:00~15:40

茨城県県南生涯学習センター 中講座室1

(土浦市大和町9番1号 ウララビル5階  ℡:029-826-1101)

先着60名 入場無料

1月13日(木)9:00~ 県南生涯学習センター窓口またはお電話・FAXにて

お申し込みの受付を開始します。

電話:029-826-1722    FAX:029-826-1728

           

元甲種第14期予科練習生で、このブログでもおなじみの

戸張礼記さんのお話とともに、「予科練」とはどういったものであったのかを    

やさしく解説します。

会場が予科練平和記念館とは別の場所になりますので、

お間違えなくどうぞ。

お問い合わせは茨城県県南生涯学習センターへお願いします。


茨城県県南生涯学習センターHP

http://www.kennan.gakusyu.ibk.ed.jp


2月14日(月)~18日(金)

館内で資料の整理消毒作業を行ないますので、臨時休館になります。

 ご迷惑をおかけいたしまして、大変申し訳ございません。

人体に影響を及ぼす可能性のあるガスを使用しますので、記念館周囲の

敷地内が一部入場規制になる場合があります。


2月27日(日) 

第2回所蔵資料展「戦後の予科練」展最終日

 3月より第3回所蔵資料展がはじまります。


春休み期間中 

ご来館のお子様に、紙でつくる九三式中間練習機キットをプレゼント!

ちょっと難しいかもしれませんが、ご家族でぜひ挑戦してみてください!


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このほかにも、4月以降、元予科練習生のお話し会やレコード鑑賞会、

開館1周年記念特別展など様々な事業を行なってまいります。

こちらのブログでも逐次ご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。



予科練平和記念館は、今年もご来館のお客様に色々なことをたくさん考えていただき、

時には戦時を生きた少年たちの姿に、うさぎのように目を赤くして深く感じていただける

施設でありつづけたいと思っておりますので、

今年もどうぞご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。


2010年最後の開館日

12月 28th, 2010

みなさんこんにちは(^^)/

暮れもいよいよ押し迫ってきましたね。

大掃除やお正月の準備でお忙しい毎日を送っていらっしゃるでしょうか。

風邪が流行っていますので、頑張りすぎずお体ご自愛くださいね。


今日は予科練平和記念館の今年最後の開館日です。

静かな一日が暮れようとしています。



朝一番に、これから休館になるから、と、売店にある千人針をモチーフにしたお守りを

お求めになるためにご来館くださったお客様がいらっしゃり、なんとなく年の瀬を感じました。



今年一年をふりかえると、2月2日の開館から今日まであっという間でした。

元予科練生をはじめ、全国からたくさんのお客様にご来館いただけたことを、

本当に嬉しく思っております。

また、たくさんの方にご支援をいただき、こうして毎日無事に開館できることに

深く感謝しております。

毎日が試行錯誤の連続で、お客様にはご迷惑をおかけしたところも

多々あったことと思います。

来年は今年の至らなかったところを反省し、良かったところはさらに伸ばして

お客様により気持ちよくご来館いただけますよう、頑張ってまいりたいと思います。



また、今年はディスプレイデザイン大賞はじめ3つの賞をいただけたことも

大きな喜びでした。

紙上で展開されていたプランが実際に形になるまでには、こんなにもたくさんの人の知恵と

労力が必要なのだ、ということを実感した準備の日々でしたが、

このように評価していただけてとても嬉しく、光栄に思います。

これからも受賞に恥じない記念館でありたいと思います。




外に出て見ると、館の前にある桜の木に、春に芽吹く若葉の固いつぼみがついていました。

この桜がまた花をつける頃、私たちはどのようになっているのでしょうか。


できれば今よりもたくさんの人が笑顔でありますように、と、願っています。


皆さんもどうぞよいお年をお迎えくださいね。

新しい年がよきものとなりますよう、お祈りしています。


今年一年、本当にお世話になりました。

来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


戦場のクリスマス

12月 22nd, 2010

みなさんこんにちは(*^-^*)

あちこちでとってもきれいなイルミネーションを見ることができて、

クリスマス時期は夜がとっても楽しげな感じになりますね☆ミ

デパートや百貨店などだけではなく、個人のお宅でも

きれいに飾り付けられているのを見ると、暮らしを楽しむ気持ちの余裕って

大切だなと思います。


先日ディスプレイデザイン大賞をいただいた授賞式でも、

受賞者に渡されたコサージュは、通常使われるバラではなくて、

クリスマス仕様のポインセチアでした。



さすが日本を代表するデザイナーさんたちが集まる授賞式。

季節感を取り入れておしゃれです。



皆さんもよくご存知のとおり、クリスマスはイエス・キリストの降誕日ですが、

日本では明治時代あたりから、百貨店の宣伝戦略にのって

都市部でクリスマスの概念が普及しはじめ、昭和時代の初め頃には年中行事の一つとして

生活の中に定着していったようです。

日本の文化は重層的であるとよく言われますが、

古代から「楽しいこと」とか「素敵なこと」「新しいこと」を自分たちの文化に

うまく取り入れてきたご先祖様のおかげで、今の日本の不思議で興味深い文化が

あると思うと、この国に生まれてよかったなぁと思います。


さて、クリスマスに話しを戻しますが、実は予科練平和記念館に展示している資料の

中にも「クリスマス」の言葉を見つけることができるんです!


戦時中の資料にそんなのがあるのかな、と思われるかもしれません。

私も見つけたときはちょっとびっくりして、そして心を動かされました。

当時日本の軍人として戦った人の、心の深いところに触れたような気がしたからです。


それでは皆さん、できましたら坂本龍一作曲の「戦場のメリークリスマス

(Merry Christmas Mr. Lawrence)」を頭の中で流していただいて、

この先をお読み下さい。



予科練平和記念館の展示室4「飛翔」の出口付近に、胸ポケットに入るサイズの

小さな茶色の手帳があります。


これは、太平洋戦争中の1942(昭和17)年10月から翌1943(昭和18)年1月にかけて

海軍の飛行機乗りだった篠原政男(しのはらまさお)さん、という方が

前線での日々を記していた日記です。

篠原さんはこの時、奥さんと2歳になる娘さんを日本に残して、

南太平洋ソロモン海に浮ぶショートランド諸島で、

死と隣り合わせの日々を送っていました。

篠原さんは予科練出身者ではありませんが、この日記は、

当時のパイロットがどのような行動をしていたのか、どのようなことを考えていたのかを

知ることができる貴重な資料ですので、当館では手にとって自由にご覧いただけるよう

本にして展示をしています。


日記のページをめくっていくと、

はるばる船でたどり着いた前線基地で、時には空襲に肝を冷やし、

時には妻や娘の姿を夢に見ながら出撃を続ける篠原さんの姿が

簡潔で短い文章から伝わってきます。

このころ、海軍はガダルカナル島周辺で激しい戦いを繰り広げ

たくさんの人が命を失っていました。


近々大きな戦闘があることを予期しながら迎えた12月25日、

クリスマスの日の篠原さんの日記です。


一七・一二・二五

大正天皇祭

〇六一五遥拝式なれ共「ムンダ輸送隊」の対潜直ちに出たるため

機上にて遙に北方を拝す「クリスマス」

いよいよ暮も迫り今日を期して反撃を予期したるも何等の反撃なし

少々物足りなさを覚ゆ



12月25日は大正天皇崩御の日で、当時は大正天皇祭として祝日でした。

この日は午前6時15分に皇居を遥拝(=遠くから拝むこと)する式典が

ある予定でしたが、篠原さんは朝早くから敵の潜水艦攻撃を警戒するために

出撃したので、飛行機の中から遥か北の日本を拝した

クリスマスの日であった、と書かれています。


この「クリスマス」という言葉、前後の文面からみると少し唐突な感じがありませんか?


私の勝手な想像なのですが、この頃すでに「クリスマスはこどもがプレゼントを

もらえる日」という認識があったようですので、もしかしたら篠原さんは、

南海の機上から拝したはるか遠くの日本で、

小さなわが子がクリスマスプレゼントをもらって喜ぶ姿を想像なさっていたのかな、

という気がするのです。

いつ永遠の別れになるかわからない状況にある篠原さんにとって、

家族の幸せそうな笑顔は何にもかえがたい宝物であり、

その気持ちを「クリスマス」という言葉に凝縮して記されたような気がしてならないのです。


 ・゜・。・*:.。.:*・゜


篠原さんの戦地での日記は、新年あけて1月15日まで続いています。

日記の最後の日、運命の1月15日。

篠原さんは味方の機とともにアメリカ軍の戦闘機B-17・P-39と

激しい空中戦になります。

乗っていた飛行機は攻撃を受けて空中分解、自身も深手を負ってパラシュートで脱出します。


死を覚悟しながら海へ向って落ちていく篠原さん。

そこに、一つの奇跡が起きます。

家族への想いが引き起こした、命の奇跡です。


続きはぜひ、予科練平和記念館展示室4でご覧になってみてください。


ちなみに、篠原さんは戦後新聞記者となって活躍されました。

娘さんは予科練平和記念館建設に大変お力添えをいただき、

今もときどきご来館くださって、お父様の日記をじっとご覧になっていらっしゃいます。


 ・゜・。・*:.。.:*・゜



さて、搭乗員の日記に残されていた68年前のクリスマスをご紹介しましたが、

皆さんは今年、どのようなクリスマスをお過ごしになるのでしょうか。

せっかくご先祖様が取り入れてくださった楽しい年中行事ですので、

できればどうぞ、ご家族やお友達、大切な人と楽しくお過ごしくださいね。


そして、昭和のあの時、クリスマスに家族を遠くから想うことしかできなかった

方たちがたくさんいたことも、少し思い出してみてくださいね。


調査中

12月 15th, 2010

みなさんこんにちは(^^)/


館内から見える霞ヶ浦の上には、銀灰色の雲がゆっくり流れていて、

夏には青々とした大きな葉っぱが揺れていたハス田には

茶色く枯れて折れた茎がさくさくとささっています。

冬の霞ヶ浦は旅情を誘いますね。


さて、現在館内のあちこちにはこのようなものが置かれています。



これは、あの茶色くてつやつやしていて、長い触角でカサカサ動く、

いわゆるGに入っていただくものに似ていますが、それ用ではありません。


館内の資料に害を与える虫が入ってきていないか、

どんな経路でどんな虫が入ってきているかなどを調査するためのものです。


現在予科練平和記念館では、館内の環境調査をしています。

これ以外にも、サーモグラフィーで建物に隙間がないかどうかや、

「虫の目カメラ」というもので、虫が好む光を出していないか、などの調査をしました。


多くの博物館、美術館でも、館内に侵入してくる虫などの対策には頭を悩ませています。

小さな虫を完全に防ぐのは不可能に近いことですが、進入経路を

調べて、なるべく入ってくるのを防ぐように努力しています。


予科練平和記念館でも、お客様に展示室内でのご飲食をご遠慮いただいて

おりますが、これも虫の侵入や繁殖を防ぐ目的もあってお願いしております。



こうした調査用のトラップを設置してから1週間以上過ぎました。

毎日、ちょっとこわいながらも何がいるかチェックしていますが、

入り口付近にはいわゆるゲジゲジがかかっていました。

細長い体に足がたくさんある虫で、インターネットで調べてみると、意外なほど高速で

走り回ると出ています。


・・・ゲジゲジ・・・おそろしい・・・。


想像するだけで体温が下がります。



寒くなるような話ついでに開館から今までのことを振り返ってみると、

ちょっと背筋が凍る侵入者がいたことがありました。


ある日の朝、スイッチを切った状態で記念館の入り口の自動扉を開けるため

(つまり開けっ放しにするため)玄関先へ向うと、

自動扉の内側に細くて長いへびが・・・。

小さなへびだったので、多分入り口の隙間から中に入り込んでしまったのでしょう。

スリムでとてもきれいな姿をしたそのへびには、黒目がちでつぶらな瞳だし、

小顔だし、と、かわいい要素はたくさんありました。

しかし、それよりも何よりも、人間はへびに危険を感じる情報が本能に刷り込まれて

いる、という説は本当なのだなと思いました。


息をのんで固まる私。

つられて固まるへび。


ほかの職員が休みの日だったので、誰にも助けを求めることができません。

入り口扉を開けて事務室へ逃げ込みました。


しばらくたって、もういないかもしれないという希望的観測で事務室を出ると、

なんとこちらに向ってそろそろと進入してくるへびが!

へびもこわごわ進んでいるらしく、ちぢれたらーめんのように

細かく波打っています。


もはやこれまで!と思ったとき、タイミングよく保守点検の業者さん(男性)が

にこやかにやってきました。


私「すいません・・・ちょっとお願いがあるのですが・・・へびを外に出してください・・・( iдi )」

業「えっ?へびですか?!!(へびを見つけ)うぉっ!!!Σ( ̄ロ ̄lll) 

 ・・・私へび苦手なんですよ~」

私「そこをなんとか・・・ 」

業「・・・わかりました・・・。じゃあ道具を取ってくるんで、ちょっと待っててください・・・(´Д`;)」


余計な仕事を頼まれてしまった業者さん。

ほうきを手に戻ってくると、「うわっ!」「ほわぁっ!」と言いながらへびを

外に掃きはじめました。

あきらかに腰が引けています。

うねうねしながら掃かれていくへび。

格闘すること約2分(?)。

業者さんのひときわ大きい「わぁぁぁ~!」という掛け声とともに、

まるで氷の上をすべるカーリングの石のように、へびはしゅるしゅるしゅる~っと

遠くへ掃き飛ばされていきました。


一仕事終えてほうきを手に帰還する業者さんのバックには、エアロスミスの

「I DON’T WANT TO MISS A THING(邦題:ミス・ア・シング 映画「アルマゲドン」

主題歌)」が流れているようでした。

勇敢な一人の男の活躍で、今日も地球の平和が保たれた、という感じです。



開館していく中には、いろんなことがありますね。

調査は今月下旬には終わりますが、調査結果をもとにして

よりよい展示環境づくりをしていきたいと思います。




受賞の重み

12月 9th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

今日も真っ青な冬空が頭上に広がっていた予科練平和記念館です。


さて、おかげさまで予科練平和記念館は、今年デザイン関係の賞を

3つもいただくことができました。

先日7日(火)に東京・六本木で授賞式がありましたので、その模様をお知らせします。



最初はディスプレイ産業賞の表彰です。

ディスプレイ産業賞は、社団法人日本ディスプレイ業団体連合会が主催するもので、

デザインが優秀であるものや、ディスプレイ産業や地域に貢献すると

認められた作品に贈られます。


応募総数812点の中から大賞(経済産業大臣賞)1点、優秀賞3点(経済産業省

商務情報製作局長賞)、特別賞1点(日本経済新聞社賞)、その他が選ばれ、

予科練平和記念館は特別賞をいただきました!!



賞状とたてです。おしゃれですね。



お昼をはさんで、午後からはディスプレイデザイン賞の授賞式です。



ディスプレイデザイン大賞は、社団法人日本ディスプレイ協会が主催するもので、

今年で43回目になる歴史ある賞です。

応募総数796点の中から、大賞1点、優秀賞・奨励賞各10点ほかが選ばれました。


次々と受賞作品と製作者の名前が発表され、受賞の喜びを語る晴れがましい雰囲気の中、

最後に予科練平和記念館の名が読み上げられました。

大賞贈賞のときだけ音楽が鳴らされ、それで一番上の賞をいただくんだなぁということを

実感しました。


展示、建築デザイン担当の(株)乃村工藝社の方々と一緒に壇上にあがらせていただき、

ステンレス製(さすがデザイン関係の賞だけあって、紙ではありません)の

賞状とスタイリッシュなトロフィ、今年度の受賞作、応募作をまとめた年鑑をいただいた

ときには、

仕事に追われプレッシャーにつぶされながら夢中で過した準備の日々を思い出して、

なんだかじーんとしてしまいました。



デザイン大賞はなかなかいただける賞ではないので、

予科練平和記念館を担当してくださったチーフデザイナーの吉永さんも

本当に嬉しそうで、スピーチからもそれが伝わってきました。


予科練平和記念館の受賞にあたっては、「予科練」と呼ばれた昭和の少年たちの

生き方を追った展示と、

彼らがあこがれた空を効果的に配した建築が融合して、全体が「命」のメッセージを

伝えるモニュメントになっている、という点が評価されたそうです。



お話しをいただいた長岡造形大学の豊口 協理事長です。

豊口理事長は、子どものころ予科練にあこがれていて、

小学校を卒業したら予科練に入りたいと思っていらっしゃったそうです。

白いマフラーをかっこよく巻いて大空を飛びまわる飛行機乗り。

これほど当時の少年たちの夢をかきたてたものはなく、戦争という悲劇がなければ、

予科練は空への夢を育む場であった、とおっしゃっていました。



ディスプレイデザイン賞とほぼ同時刻に、別な会場では

社団法人日本商環境設計家協会が主催するデザインアワード2010の

授賞式がありました。

これは優れた空間デザインに送られる賞で、日本のみならずアジア地域からも

作品を広く公募しているものです。

予科練平和記念館はこちらでも金賞をいただきました。



これまでたくさんの才能や力が集まり、多くの人たちの手によって形になった

記念館ですので、

こうして評価していただけたことを本当に嬉しく思います。


また、(財)海原会、元予科練習生をはじめ、たくさんの皆様のご協力によって

作られ、支えられている記念館ですので、これからも多くの方にご覧いただけるよう

職員一同頑張ってまいりたいと思います。


今後ともよろしくお願い申し上げます。





受賞報告

12月 5th, 2010

みなさんこんにちは(*^ー^)人(^ー^*)

今日は快晴。雲一つない青空です。

風は少し冷たい感じでしたが日差しがとてもあたたかく、予科練平和記念館も

ぴかぴかと光っていました。



外の芝生では、ピクニックしている若いご夫婦と小さいお子さんをお見かけしました。

幸せそうな姿がとってもほほえましくて、見ていてこちらまで幸せな気分になりました。



さて、おかげさまで予科練平和記念館は今年3つの賞をいただくことができました!!


2010ディスプレイデザイン大賞受賞!!

2010ディスプレイ産業特別賞(日本経済新聞社賞)受賞!!

JDCデザインアワード2010金賞受賞!!


これらは優れたデザインに贈られる賞で、予科練平和記念館の空間デザインや

コンセプトなどが評価されました。


ひとつのものがかたちになるということは、見えるところ、見えないところも含めて

たくさんの人たちの努力や支えがあってこそだと思います。

予科練平和記念館もそうしてできた施設ですので、評価していただけたことを

本当に嬉しく思います・:*:・°’★,。・:*:・°’☆


授賞式は明後日7日(火)です。

式の様子などは次のブログでご報告したいと思います。


まずは、これまで予科練平和記念館を応援してくださった皆さんに

心から御礼申し上げます。


若葉の頃を過ぎて

11月 25th, 2010

みなさんこんにちは☆彡

肌寒い曇り空の下に、ちょっと寒そうに建っている予科練平和記念館です。


11月23(火)・24(水)は館内修繕工事のため臨時休館とさせていただき、

ご来館予定をたてていただいた皆さんには、大変ご迷惑をおかけいたしました。


本日もまだ少し塗料のにおいが館内にただよっています。

ちょうど一年前の今ごろは展示工事の真っ最中で、同じようなにおいがしていました。

次々と展示パネルやケースが運び込まれて、どんなふうになっていくのかわくわくする反面、

無事に開館できるのだろうかというプレッシャーでつぶれかけながら

仕事に追われる毎日でした。


今こうして毎日お客様をお迎えすることができるのは、本当に有難いことだなぁと

改めて思います。



さて、先日20日(土)の夕方にはレコード鑑賞会を行ないました。



写真は、元予科練生の戸張さんがお話しをしているところです。

中央に写っているのが卓上型蓄音機「ビクトローラ」。

1932(昭和7)年ごろにつくられたもので、とても味のある優しい音を聴かせてくれます。


10月23日(土)の回と同じ内容でお送りいたしましたので、詳しくはこちらをご覧ください。

 https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20101027


前回の最初は、グノー作曲の「アヴェ・マリア」でしたが、

今回はリストの「ラ・カンパネッラ」にしました。

超絶技巧で知られたイグナーツ・フリードマン(1882-1948)の演奏です。

「ラ・カンパネッラ」の響きが晩秋の夕暮れに合うような気がしましたので、

独断と偏見で選んでみました。

今年度のレコード鑑賞会はこれで終わりとなりますが、次年度以降も

また新しい企画を行なっていきたいと思いますので、皆さんのご参加を

ぜひお待ちしております。



予科練平和記念館のまわりのハス田では、れんこんの収穫作業が続いています。



夏には青々と大きな葉っぱがゆれていたハス田は、今こんな感じです。

この下にはおいしいレンコンが隠れているんですね。

今日は白鷺もやってきて、しばらく佇んでいました。


もうすぐ12月。いつの間にか外は冬の姿に衣替えしていました。


アルマ

11月 14th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

本日は時々薄日が射すくもり空。ややアンニュイな感じの予科練平和記念館です。


先日12日(金)の土浦市立博物館さんの企画に外部講師として

参加させていただいた霞ヶ浦クルーズの様子を、

昨日13(土)に茨城新聞さんが記事にしてくださいました。

ありがとうございます!


来週20日(土)には、土浦市文化課の学芸委員さんが、民俗学的見地からみた

霞ヶ浦についてお話をしてくださいますので、

お時間がございましたら、ぜひお運びくださいね。

普段とはちょっと違った霞ヶ浦の姿が見えてくると思います。


同じ20日(土)の夕方5時半から、予科練平和記念館では

昭和のレコード鑑賞会を行ないます。

前回の様子はこちらのブログ

https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20101027

をご覧ください。


前回はグノー作曲「アヴェ・マリア」を最初にかけましたが、今回は別の

ピアノ曲をお届けしたいと思っております。

その他は前回と同じ曲をおかけしますので、聴きそびれてしまった方、

もう一度聴いてみたい方、ぜひご参加をお待ちしております。

入場は無料です。(展示もご覧になる方は午後4時半までにご入館ください。

展示室は午後5時で閉まります)



さて今日は、1冊の本をご紹介したいと思います。


ちょっと前ですが、ヴィレッジヴァンガード(面白い雑貨や本が独特な雰囲気で並べてあって、

かなり楽しいお店です!)をうろうろしていた時に見つけた、

『さよなら、アルマ』(水野 宗徳著)という本です。


帯には、「祝 出征 アルマ号」と書かれたのぼりのとなりに、

寄せ書きがされた日の丸をつけたシェパードが座っている写真があります。

『さよなら、アルマ』は、著者の水野さんが図書館で偶然見たこの写真から紡ぎ出された物語です。


戦時中、人間と同じようにたくさんの犬が軍用犬として戦地に送られました。

詳しい記録が残っていないため正確な数字はわからないものの、その数は

10万頭以上ともいわれているそうです。

試験に合格して訓練を終えると第一線に送られ、様々な任務につきます。

飼い主のもとに戻れたのは、ほとんどいなかったそうです。


大学予科に通う主人公朝比奈太一は、ひょんなことからシェパードの

「アルマ」の面倒を見ることになります。

国民学校(今の小学校)生徒の健太とチッチにとっても、アルマは大の仲良しでした。


戦争が始まり、人間の食べ物も少なくなるなか、居候学生の太一には肉を中心とした

アルマの食事を用意することが難しくなってきます。

社会の雰囲気も、次第に普通の雑種犬を飼うことさえもこそこそと陰口を言われるような

ギスギスしたものになっていきます。


すばらしい身体能力と頭脳をもったアルマの能力を最大限に発揮させて

あげるにはどうしたらいいのか。


悩んだ太一が出した結論は、アルマを軍用犬にすることでした。

健太やチッチの反対を押し切って受けた軍用犬試験に、アルマは見事合格。

「金剛号」と名前を変えられ、戦地へ送られていきます。


自分のしたことは本当に正しかったのか。

悩んだ太一はある決心をします。


物語の最後にはぐっと胸が痛くなり、もし犬を飼っている方でしたら

すぐに愛犬のもとに飛んでいってぎゅーっとしたくなります。

ふかふかの毛皮に顔をくっつけて、こうして一緒にいられて嬉しいなぁと

しみじみ思われると思います。



なんと、『さよなら、アルマ』は12月にNHKでドラマ化されるそうです。

放送日時は、NHK総合で2010年12月18日(土)夜9時から10時18分

NHK教育では12月13(月)~16(木) 夕方6時15分~40分の4回連続です。


アルマ役のシェパードは、警察犬の訓練を受けていたわんちゃんだそうで、

写真を見るとアルマそっくり!

こども店長加藤清四郎くんも出演します。


『さよなら、アルマ』は予科練平和記念館のラウンジにも備え付けてあります。

ラウンジは無料でお入りいただけますので、ぜひお立ち寄り下さいね。


水先案内人

11月 12th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

「立冬」を過ぎて、朝晩だいぶ寒さが増してきましたね。

街のあちこちにツリーやサンタさんが飾りつけられて、もうすっかり

クリスマスの装いです。

予科練平和記念館の館内にも、展示解説員Oさんが作ってくださった

かわいらしい布のツリーが飾ってあります。



クリスマス気分が盛り上がってきました♪


さて本日は、土浦市立博物館さんの企画で、霞ヶ浦を参加者の方と一緒にクルージングしながら

お話しをさせていただきました。


土浦港から遊覧船「ホワイトアイリス号」に乗って30分のクルーズのところ

ラクスマリーナさんのご好意で40分間、ゆっくりとカモメと一緒に霞ヶ浦を遊覧しました。

今日は波もおだやかで、すてきなクルージングになりました。


霞ヶ浦は、はるかな昔より周辺に住む人たちに大きな恵みをもたらしてきました。

また霞ヶ浦の水運によりたくさんのものや人が行き来していきました。

『常陸国風土記』では、霞ヶ浦は「流れ海」と表現され、海とつながった場所、広い世界への

玄関口という捉え方をされていたことがわかります。

江戸時代には、江戸からの物資が船で霞ヶ浦を通ってたくさん運ばれてきました。


霞ヶ浦は日本の航空史においても重要な役割を担います。

沿岸に旧日本海軍の大きな飛行場ができ、一帯は横須賀に次ぐ海軍の

一大拠点となりました。

国際的な飛行場は開戦後には空襲の目標となり、

終戦の2ヶ月前には、B29の大編隊による大規模な空襲がありました。

湖底にはまだその時の爆弾の破片や練習機が沈んでいるそうです。

美しい霞ヶ浦の景色の底には、こうした悲しい歴史の事実もひそんでいます。

こうしてゆっくり霞ヶ浦をクルージングできるというのは、とても幸せなことだと思います。


・・・といったようなお話しをしてまいりましたが、なにぶん半人前の私ゆえ

しどろもどろになってしまってうまくお伝えできず・・・。


帰ってきてから、あれも話せばよかった、これも話せばよかったと後悔しきりです。


それでも、サプライズで展示解説員Sさんが参加してくださり、緊張しいな私は

Sさんの優しい笑顔にとても励まされ、また私のつたない話をじっと聞いてくださった

皆さんのおかげで、とても幸せな時間を過すことができました。


こうした機会をくださった土浦市立博物館の木塚学芸員さんはじめ皆さんに、

心から感謝申し上げます。

またいろいろとよくしてくださったラクスマリーナさん、励ましてくださった

土浦観光ボランティアさん、そしてご参加の皆さん、本当にありがとうございました。


この企画はあと3回あります。

土浦市の学芸員さんたちが、毎回ためになるお話をしてくださいます。

お時間がございましたら、ぜひご参加お待ちしております。


第2回:11月20日(土) 第3回:11月26日 第4回:12月4日(土)

13:30~14:10

詳しくは土浦市立博物館(029-824-2928)へお問い合わせ下さい。



木塚さんには、なんと「れんこんサブレー ハスだっぺ」までいただいてしまいました。

ありがとうございます!恐縮です。


実は個人的に「ハスだっぺ」の大ファンで、以前からよく買って食べていました。

出会いは6年ほど前、前の職場でお土産にいただいたときからです。

レンコンが入ってレンコンの輪切りの形をしていて、そのうえ「ハスだっぺ」のネーミング。

ツボを押されまくって今にいたります。


皆さんもぜひ「れんこんサブレー ハスだっぺ」召し上がってみてくださいね。おススメです。



緊張の糸が切れて、まるで泳いだあとのようなぼんやり感のなか記念館に戻ってくると、

予科練平和記念館の前の桜の木が、小さいながらもきれいに色づいているのが

なんだかはっきりと見えました。

私も頑張って大きくなるね、と心の中で声をかけてみました。



土浦市立博物館さんはこちら↓↓

http://www.city.tsuchiura.lg.jp/section.php?code=43


株式会社 ラクスマリーナさんはこちら↓↓

http://www.lacusmarina.com/


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ドロシー計画前夜

11月 4th, 2010

みなさんこんにちは(*’-^*)ゞ

今日はとても冷え込んでいる予科練平和記念館です。

木々が色づいて、目に映る風景がすっかり優しい表情になりましたね。

館の周りの桜の木も、小さいなりにめいめいが秋色にお召しかえています。



さて今日はお知らせを一つ。

現在、土浦市立博物館(土浦市中央1-15-18 029-824-2928)では、

企画展「ふたつの霞ヶ浦-カワをわたった人・モノ・情報」

http://www.city.tsuchiura.lg.jp/index.php?code=2856

を開催中です。


期間中、観光船「ホワイトアイリス号」に乗って、

学芸員が案内をしながら霞ヶ浦をクルージングするという企画があります。

この企画「霞ヶ浦を船からながめよう」に、私も呼んでいただけることになり、

11月12日(金)午後1時30分からの回で、みなさんをご案内させていただくことになりました!


土浦市の名だたる学芸員さんたちに混じってちっぽけな力不足の私ですが、

一生懸命頑張りたいと思います!


どのような内容にしようか今考えておりますが(間に合うのか・・・)

身近な歴史でありながら見過ごされがちな、昭和初期の霞ヶ浦の姿を

知っていただけるようなお話ができればと思っています。


お時間がございましたら、ぜひご参加下さい。


見学会「霞ヶ浦を船からながめよう」 ※各日ともクルージング時間は13:30~14:10


第1回 11月12日(金) 担当:予科練平和記念館学芸員

第2回 11月20日(土) 担当:土浦市教育委員会学芸員

第3会 11月26日(金) 担当:上高津貝塚ふるさと歴史の広場学芸員

第4回 12月4日(土) 担当:土浦市立博物館学芸員


ご参加申し込み : 土浦市立博物館にお電話またはご来館の上お申し込み下さい

料金 : 大人1,500円 こども750円(一般運賃と同じです)

集合場所 : ラクスマリーナ「ホワイトアイリス号」のりば(土浦市川口2-13-6 029-822-2437)

集合時間 : 13:20までにご集合ください


詳しくは、土浦市立博物館(029-824-2928)へお問い合わせ下さい。



さて、明日もしかしたら地球の未来が変わるかもしれないプロジェクトが行なわれることを

ご存知でしょうか。

その名も「ドロシー計画」。


日本時間の11月5日(金)21:00から、世界5大陸12カ国19の学術機関及び天文台で

いっせいに地球外文明からの電波を観測するのだそうです。

オカルトとかそういう類ではなくて、学術的に真剣な

全地球規模でのプロジェクトです。


これは、1960年にコーネル大学の天文学者フランク・ドレイク(現SETI研究所名誉教授)が

行なった電波による地球外知的生命体探索「オズマ計画」から50周年を迎えたことを

記念して行なわれるもので、

計画の中心になっているのは、なんと日本人です。


プロジェクトリーダーの鳴沢真也さん(西はりま天文台)は、もし地球外文明と電波がつながったら

どうしたいですか?というインタビューに、


―どうしたら平和になるのか聞いてみたいです。


と答えていらっしゃいました。


もし、本当に地球外文明からの電波をキャッチすることができて、

「地球のこと、どう思いますか?」と聞いてみることができたら、

どんな答えがかえってくるでしょうか。


このプロジェクトで電波がキャッチされ、確実に地球外文明からのものであると確認された場合、

速やかにマスコミを通じて全世界にニュースが配信されるそうですので、

ちょっと楽しみですね。

ちなみに1977年には、地球外からの通信電波と思われる電波が、アメリカの

オハイオ・ウェスリアン大学の電波望遠鏡で受信されたことがあるそうです。

そのあまりのことに、プリントアウトされた受信記録に「Wow!」と書かれたことから

「Wow(ワオ)シグナル」と言われています。


今回の好奇心にあふれるプロジェクトも、「Wow!」な結果が出るのでしょうか。

ちょっとドキドキですね。


同時に、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」という詩(教科書にも

載っていましたね)をふと思い出しました。