アルマ

11月 14th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

本日は時々薄日が射すくもり空。ややアンニュイな感じの予科練平和記念館です。


先日12日(金)の土浦市立博物館さんの企画に外部講師として

参加させていただいた霞ヶ浦クルーズの様子を、

昨日13(土)に茨城新聞さんが記事にしてくださいました。

ありがとうございます!


来週20日(土)には、土浦市文化課の学芸委員さんが、民俗学的見地からみた

霞ヶ浦についてお話をしてくださいますので、

お時間がございましたら、ぜひお運びくださいね。

普段とはちょっと違った霞ヶ浦の姿が見えてくると思います。


同じ20日(土)の夕方5時半から、予科練平和記念館では

昭和のレコード鑑賞会を行ないます。

前回の様子はこちらのブログ

https://www.yokaren-heiwa.jp/blog/?m=20101027

をご覧ください。


前回はグノー作曲「アヴェ・マリア」を最初にかけましたが、今回は別の

ピアノ曲をお届けしたいと思っております。

その他は前回と同じ曲をおかけしますので、聴きそびれてしまった方、

もう一度聴いてみたい方、ぜひご参加をお待ちしております。

入場は無料です。(展示もご覧になる方は午後4時半までにご入館ください。

展示室は午後5時で閉まります)



さて今日は、1冊の本をご紹介したいと思います。


ちょっと前ですが、ヴィレッジヴァンガード(面白い雑貨や本が独特な雰囲気で並べてあって、

かなり楽しいお店です!)をうろうろしていた時に見つけた、

『さよなら、アルマ』(水野 宗徳著)という本です。


帯には、「祝 出征 アルマ号」と書かれたのぼりのとなりに、

寄せ書きがされた日の丸をつけたシェパードが座っている写真があります。

『さよなら、アルマ』は、著者の水野さんが図書館で偶然見たこの写真から紡ぎ出された物語です。


戦時中、人間と同じようにたくさんの犬が軍用犬として戦地に送られました。

詳しい記録が残っていないため正確な数字はわからないものの、その数は

10万頭以上ともいわれているそうです。

試験に合格して訓練を終えると第一線に送られ、様々な任務につきます。

飼い主のもとに戻れたのは、ほとんどいなかったそうです。


大学予科に通う主人公朝比奈太一は、ひょんなことからシェパードの

「アルマ」の面倒を見ることになります。

国民学校(今の小学校)生徒の健太とチッチにとっても、アルマは大の仲良しでした。


戦争が始まり、人間の食べ物も少なくなるなか、居候学生の太一には肉を中心とした

アルマの食事を用意することが難しくなってきます。

社会の雰囲気も、次第に普通の雑種犬を飼うことさえもこそこそと陰口を言われるような

ギスギスしたものになっていきます。


すばらしい身体能力と頭脳をもったアルマの能力を最大限に発揮させて

あげるにはどうしたらいいのか。


悩んだ太一が出した結論は、アルマを軍用犬にすることでした。

健太やチッチの反対を押し切って受けた軍用犬試験に、アルマは見事合格。

「金剛号」と名前を変えられ、戦地へ送られていきます。


自分のしたことは本当に正しかったのか。

悩んだ太一はある決心をします。


物語の最後にはぐっと胸が痛くなり、もし犬を飼っている方でしたら

すぐに愛犬のもとに飛んでいってぎゅーっとしたくなります。

ふかふかの毛皮に顔をくっつけて、こうして一緒にいられて嬉しいなぁと

しみじみ思われると思います。



なんと、『さよなら、アルマ』は12月にNHKでドラマ化されるそうです。

放送日時は、NHK総合で2010年12月18日(土)夜9時から10時18分

NHK教育では12月13(月)~16(木) 夕方6時15分~40分の4回連続です。


アルマ役のシェパードは、警察犬の訓練を受けていたわんちゃんだそうで、

写真を見るとアルマそっくり!

こども店長加藤清四郎くんも出演します。


『さよなら、アルマ』は予科練平和記念館のラウンジにも備え付けてあります。

ラウンジは無料でお入りいただけますので、ぜひお立ち寄り下さいね。


水先案内人

11月 12th, 2010

みなさんこんにちは☆ミ

「立冬」を過ぎて、朝晩だいぶ寒さが増してきましたね。

街のあちこちにツリーやサンタさんが飾りつけられて、もうすっかり

クリスマスの装いです。

予科練平和記念館の館内にも、展示解説員Oさんが作ってくださった

かわいらしい布のツリーが飾ってあります。



クリスマス気分が盛り上がってきました♪


さて本日は、土浦市立博物館さんの企画で、霞ヶ浦を参加者の方と一緒にクルージングしながら

お話しをさせていただきました。


土浦港から遊覧船「ホワイトアイリス号」に乗って30分のクルーズのところ

ラクスマリーナさんのご好意で40分間、ゆっくりとカモメと一緒に霞ヶ浦を遊覧しました。

今日は波もおだやかで、すてきなクルージングになりました。


霞ヶ浦は、はるかな昔より周辺に住む人たちに大きな恵みをもたらしてきました。

また霞ヶ浦の水運によりたくさんのものや人が行き来していきました。

『常陸国風土記』では、霞ヶ浦は「流れ海」と表現され、海とつながった場所、広い世界への

玄関口という捉え方をされていたことがわかります。

江戸時代には、江戸からの物資が船で霞ヶ浦を通ってたくさん運ばれてきました。


霞ヶ浦は日本の航空史においても重要な役割を担います。

沿岸に旧日本海軍の大きな飛行場ができ、一帯は横須賀に次ぐ海軍の

一大拠点となりました。

国際的な飛行場は開戦後には空襲の目標となり、

終戦の2ヶ月前には、B29の大編隊による大規模な空襲がありました。

湖底にはまだその時の爆弾の破片や練習機が沈んでいるそうです。

美しい霞ヶ浦の景色の底には、こうした悲しい歴史の事実もひそんでいます。

こうしてゆっくり霞ヶ浦をクルージングできるというのは、とても幸せなことだと思います。


・・・といったようなお話しをしてまいりましたが、なにぶん半人前の私ゆえ

しどろもどろになってしまってうまくお伝えできず・・・。


帰ってきてから、あれも話せばよかった、これも話せばよかったと後悔しきりです。


それでも、サプライズで展示解説員Sさんが参加してくださり、緊張しいな私は

Sさんの優しい笑顔にとても励まされ、また私のつたない話をじっと聞いてくださった

皆さんのおかげで、とても幸せな時間を過すことができました。


こうした機会をくださった土浦市立博物館の木塚学芸員さんはじめ皆さんに、

心から感謝申し上げます。

またいろいろとよくしてくださったラクスマリーナさん、励ましてくださった

土浦観光ボランティアさん、そしてご参加の皆さん、本当にありがとうございました。


この企画はあと3回あります。

土浦市の学芸員さんたちが、毎回ためになるお話をしてくださいます。

お時間がございましたら、ぜひご参加お待ちしております。


第2回:11月20日(土) 第3回:11月26日 第4回:12月4日(土)

13:30~14:10

詳しくは土浦市立博物館(029-824-2928)へお問い合わせ下さい。



木塚さんには、なんと「れんこんサブレー ハスだっぺ」までいただいてしまいました。

ありがとうございます!恐縮です。


実は個人的に「ハスだっぺ」の大ファンで、以前からよく買って食べていました。

出会いは6年ほど前、前の職場でお土産にいただいたときからです。

レンコンが入ってレンコンの輪切りの形をしていて、そのうえ「ハスだっぺ」のネーミング。

ツボを押されまくって今にいたります。


皆さんもぜひ「れんこんサブレー ハスだっぺ」召し上がってみてくださいね。おススメです。



緊張の糸が切れて、まるで泳いだあとのようなぼんやり感のなか記念館に戻ってくると、

予科練平和記念館の前の桜の木が、小さいながらもきれいに色づいているのが

なんだかはっきりと見えました。

私も頑張って大きくなるね、と心の中で声をかけてみました。



土浦市立博物館さんはこちら↓↓

http://www.city.tsuchiura.lg.jp/section.php?code=43


株式会社 ラクスマリーナさんはこちら↓↓

http://www.lacusmarina.com/


れんこんサブレー ハスだっぺはこちら↓↓

http://tutiura.727.net/kau/index.html#01


ドロシー計画前夜

11月 4th, 2010

みなさんこんにちは(*’-^*)ゞ

今日はとても冷え込んでいる予科練平和記念館です。

木々が色づいて、目に映る風景がすっかり優しい表情になりましたね。

館の周りの桜の木も、小さいなりにめいめいが秋色にお召しかえています。



さて今日はお知らせを一つ。

現在、土浦市立博物館(土浦市中央1-15-18 029-824-2928)では、

企画展「ふたつの霞ヶ浦-カワをわたった人・モノ・情報」

http://www.city.tsuchiura.lg.jp/index.php?code=2856

を開催中です。


期間中、観光船「ホワイトアイリス号」に乗って、

学芸員が案内をしながら霞ヶ浦をクルージングするという企画があります。

この企画「霞ヶ浦を船からながめよう」に、私も呼んでいただけることになり、

11月12日(金)午後1時30分からの回で、みなさんをご案内させていただくことになりました!


土浦市の名だたる学芸員さんたちに混じってちっぽけな力不足の私ですが、

一生懸命頑張りたいと思います!


どのような内容にしようか今考えておりますが(間に合うのか・・・)

身近な歴史でありながら見過ごされがちな、昭和初期の霞ヶ浦の姿を

知っていただけるようなお話ができればと思っています。


お時間がございましたら、ぜひご参加下さい。


見学会「霞ヶ浦を船からながめよう」 ※各日ともクルージング時間は13:30~14:10


第1回 11月12日(金) 担当:予科練平和記念館学芸員

第2回 11月20日(土) 担当:土浦市教育委員会学芸員

第3会 11月26日(金) 担当:上高津貝塚ふるさと歴史の広場学芸員

第4回 12月4日(土) 担当:土浦市立博物館学芸員


ご参加申し込み : 土浦市立博物館にお電話またはご来館の上お申し込み下さい

料金 : 大人1,500円 こども750円(一般運賃と同じです)

集合場所 : ラクスマリーナ「ホワイトアイリス号」のりば(土浦市川口2-13-6 029-822-2437)

集合時間 : 13:20までにご集合ください


詳しくは、土浦市立博物館(029-824-2928)へお問い合わせ下さい。



さて、明日もしかしたら地球の未来が変わるかもしれないプロジェクトが行なわれることを

ご存知でしょうか。

その名も「ドロシー計画」。


日本時間の11月5日(金)21:00から、世界5大陸12カ国19の学術機関及び天文台で

いっせいに地球外文明からの電波を観測するのだそうです。

オカルトとかそういう類ではなくて、学術的に真剣な

全地球規模でのプロジェクトです。


これは、1960年にコーネル大学の天文学者フランク・ドレイク(現SETI研究所名誉教授)が

行なった電波による地球外知的生命体探索「オズマ計画」から50周年を迎えたことを

記念して行なわれるもので、

計画の中心になっているのは、なんと日本人です。


プロジェクトリーダーの鳴沢真也さん(西はりま天文台)は、もし地球外文明と電波がつながったら

どうしたいですか?というインタビューに、


―どうしたら平和になるのか聞いてみたいです。


と答えていらっしゃいました。


もし、本当に地球外文明からの電波をキャッチすることができて、

「地球のこと、どう思いますか?」と聞いてみることができたら、

どんな答えがかえってくるでしょうか。


このプロジェクトで電波がキャッチされ、確実に地球外文明からのものであると確認された場合、

速やかにマスコミを通じて全世界にニュースが配信されるそうですので、

ちょっと楽しみですね。

ちなみに1977年には、地球外からの通信電波と思われる電波が、アメリカの

オハイオ・ウェスリアン大学の電波望遠鏡で受信されたことがあるそうです。

そのあまりのことに、プリントアウトされた受信記録に「Wow!」と書かれたことから

「Wow(ワオ)シグナル」と言われています。


今回の好奇心にあふれるプロジェクトも、「Wow!」な結果が出るのでしょうか。

ちょっとドキドキですね。


同時に、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」という詩(教科書にも

載っていましたね)をふと思い出しました。



プチ話題

10月 31st, 2010

みなさんこんにちは(*’-‘*)ノ

昨日の台風は大丈夫でしたでしょうか”(ノ´・д・)ノ


こちらも特に大きな被害はなかったようですが、

川が増水していたり、地盤がゆるんでいたりするかもしれませんので、

引き続き気をつけて楽しい日曜日をお過ごしくださいね。



先日、記念館に北海道のある会社の会長様がお見えになりました。

にこやかな笑顔のその方は元予科練生。

16歳で土浦海軍航空隊(現在の陸上自衛隊土浦駐屯地。当館のお隣です)に

入隊、特攻隊にも志願し、

昭和20(1945)年6月10日に阿見町にあった大きな空襲も経験なさったそうです。

記念館建設にあたっては、たくさんご協力をいただきました。


そんな会長様より、北海道のお土産といえばコレ!の銘菓「白い恋人」をいただきました♪

なんと、「白い恋人」には、会長様の会社で卸している小麦粉が使われているんだそうです。

北海道の銘菓は予科練生が支えていたんだー!とびっくりです。


お客様が多く忙しい一日でしたので、スタッフみんなでありがたくいただきました。

疲れた体に甘いものは嬉しいですね。

また、ちょうど北海道がご実家の解説員Mさんが、「じゃがポックル」という数年前から

大ヒットしている北海道のお土産を持ってきてくださったので、

プチ北の大地気分を満喫させていただきました。

たまにこういうことがあると、とっても楽しいですヽ(*’-^*)。



同じ日に、阿見町にある霞南至健中学校1・2年生が見学にいらっしゃいました。

特に1年生にとっては、昭和の歴史はまだ勉強していないので難しかったようです。

案内を担当させていただきましたが、うまく伝えることができたかちょっと心配です'(;・ ・)


それでも、試験の倍率や通信簿、入隊者を増やすために制服をかっこよくしたよ、という

ことなどにみなさんとっても興味を持たれたようです。

第1期生の試験倍率が約73倍だったことをお話しすると“おー!”と声があがりました。


予科練生がお母さんに宛てたお手紙や遺書を紹介したときには、静かに聞いてくれました。

霞南至健中学があるのは元の予科練の敷地ですので、

自分たちの学校があった場所で訓練していた同じくらいの少年たちの姿を見て、

どんなことを思ったでしょうか。


帰りがけに、先生が一人の女の子を紹介してくださいました。

展示室6の空襲の映像の中で、当時の体験を語ってくださっているYさんという

おばあちゃまのお孫さんだそうです。

この方のだんな様は元予科練生。お二人とも大変なご経験をなさっておられます。

映像を撮影したのはとても暑い日で、

暑い上にさらに照明をあてられて本当に大変だったと思うのですが、

Yさんは、空襲を経験なさったときの辛い思い出を、心からの言葉で

お話ししてくださったことを思い出します。

だから展示室6の映像は、何度見てもその度にはっとさせられます。


撮影の合間には、にこにこして編みかけの帽子を見せてくださったことを思い出します。

以前編み物の先生をなさっていただけあって、きっちりそろったきれいな編み目でした。


Yさんのお孫さんは、ニットの帽子をかぶって手足がすらりと伸びた、

かわいらしい女の子でした。



命は続いていくんですね。



満月のレコード鑑賞会

10月 27th, 2010

みなさんこんにちは(*’-‘*)ノ

きのうまでとうってかわって、すっきり晴れ上がった予科練平和記念館です。

日差しはありますが気温がだいぶ下がっていますので、

皆さんも体を冷やさないよう、暖かい服装でお過ごしくださいね。


さて、ちょっと遅くなってしまいましたが、

先日のレコード鑑賞会♪の模様をご報告したいと思います。


先週の土曜日、23日の夕方5時半より、当館のラウンジにてレコード鑑賞会を開きました。

戦時中に作られたSPレコードを、当時の蓄音機で鑑賞するという企画です。


使用したのは、日本ビクター蓄音機株式会社製の「ビクトローラ」という卓上蓄音機です。

手で回すタイプのこの蓄音機は、昭和7(1932)年ごろのお生まれです。

ということは、現在78歳。

寄贈してくださった方が、きちんと整備して管理なさっていたお陰で、

現在も現役で活躍しています。


ふたの内側には、クラシカルでかわいらしいビクターのマークがついています。

この蓄音機に耳を傾ける犬のマークは、

「ニッパー」という名前のフォックステリアが、亡くなったご主人の声が吹き込まれた

レコードを聴いているところなんだそうです。


蓄音機から流れる亡きご主人の声にじっと耳を傾けるニッパーの姿に

ちょっとじーんとしてしまいます。

また、本来であればその一瞬で消えてしまう「音」を残したいと思って

レコードや蓄音機を開発した人たちの気持ちが

なんとなく分かるような、そんな絵です。


さて、この日鑑賞したのは6曲。

最初にこの蓄音機の得意分野を聴いていただこうと思い、グノー作曲の

「アヴェ・マリア」をかけました。

この日は満月。針がレコード盤に静かに下ろされると、クラシカルな響きのピアノと歌声が、

永い眠りから目覚めてふるえるように美しくラウンジにこだましました。

最後のほうで、巻きが足りなかったのか音がゆっくりになってしまい、ちょっと脱力しましたが、

これも蓄音機の良さ。ご愛嬌です。


2・3曲目は、昭和18(1943)年公開の映画『決戦の大空へ』の主題歌

「決戦の大空へ」と「若鷲の歌」。

この予科練をテーマとした映画は、今の陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校、

もと予科練の訓練基地だった土浦海軍航空隊で撮影されたもので、

当時の予科練生も多数エキストラで参加しています。

大ヒットしたこの映画を観て、たくさんの少年が予科練にあこがれ、入隊しました。

また「若鷲の歌」のメロディは、予科練生が多数決で決めたというエピソードもあります。


懐かしいとお感じになったのでしょうか。

歌に合わせてとんとんと足を動かしたり歌詞をなぞられる方が

たくさんいらっしゃいました。


4曲目は、ちょっと変わった新民謡「ヨカレン節」。

上記2曲と同じ古関裕而の作曲です。

古関裕而は、夏の甲子園のテーマソング「栄光は君に輝く」などを作曲した方です。


5曲目は、昭和5(1930)年に公開された映画「支那の夜」から「蘇州夜曲」。

長谷川一夫、李香蘭という人気スターが出演したこの映画は、

当時の日本の国策に沿って作られました。


「蘇州夜曲」もそうしたしこりを背負っていますが、例えば平原綾香さんなど、

たくさんのアーティストがカバーしている曲でもあります。


平原さんは、ホルストの組曲『惑星』のうち「木星」のメロディに

日本語の歌詞をつけた「ジュピター」という曲が大ヒットしたことで、

ご存知の方も多いと思います。


「ジュピター」は、新潟中越沖地震の際にラジオから何度も流れ、被災者を励まし、

勇気づけた歌でした。

奇しくもこの鑑賞会を開いた10月23日は、

6年前、新潟中越沖地震が起きた日でもあります。



最後の6曲目は、「リンゴの唄」をかけました。

戦後、GHQ(連合国軍最高司令部)の検閲を通った映画第一号『そよかぜ』

(昭和20年10月10日公開)の挿入歌です。


「あかいリンゴにくちびる寄せて・・・」ではじまるこの歌は、戦後の混乱期を生きる

たくさんの人々を励ましました。

歌い手の並木路子は東京大空襲で家族を亡くしてしまったのだそうですが、

そうした悲しみの中にありながらもほがらかな彼女の歌声が、

同じような悲しみを抱えたたくさんの人たちの心に、じんわりと

染みていったのだと思います。



その時代時代にあって、人々を励まし、勇気づけ、時には駆り立てる。

「歌の力」(紅白歌合戦のようですが・・・)を、このレコード鑑賞会を通じて

少しでも感じていただけたら嬉しいなと思っています。



最後に、このブログには何度も登場してくださっていますが、

当館の歴史調査委員として活躍中の元予科練習生

戸張さんにお話をしていただきました。


戸張さんが旧制土浦中学通学時に、映画「決戦の大空へ」の撮影を

見かけたエピソードや、

予科練に入隊してからの軍歌のエピソードなど、

貴重なお話しをうかがうことができました。



゜・*:.。. ☆゜・*:.。. ☆ ゜+。:.゜

夜のレコード鑑賞会。

次回は11月20日(土)午後5時半からです。(入場無料)

夕方のひととき、懐かしい曲に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。


お問い合わせは・・・

予科練平和記念館 029-891-3344へどうぞ!


”平和”という名

10月 17th, 2010

みなさんこんにちはヽ(*’-^*)

日曜日の今日をいかがお過ごしでしょうか。


暑くもなく、寒くもなく。

お出かけするにはちょうどいい季節になりましたね。



先日秋バラを見に行ったところ、こんな美しい花と出会いました。

大人のこぶし大ほどもある大きなバラです。



足元の札には「ピース フランス 1945」と書かれていました。


1945年4月29日、第二次世界大戦の嵐が世界中に吹き荒れていたころ、

サンフランシスコで開催されていた太平洋バラ協会の全国大会で

新種として紹介されたバラです。


ちょうどその時、会場にニュースが飛び込んできました。

ベルリン陥落、ナチスドイツが降伏したのです。


その席上で、この美しいバラにつけられた名前が「ピース(平和)」。

作ったのは、フランスのバラ会社の息子、フランシス・メイアンという人だそうです。

フランスがドイツの占領下におかれる直前、本国に帰るアメリカ領事に

フランシスが託した一本の苗木。


アメリカで花開き、「ピース」と名づけられたそのバラは、

国連発足のための会議で生けられたり、サンフランシスコ平和条約調印時に

飾られたりしたそうです。

「ピース」はその後世界中で愛され、5千万本以上が販売されたといわれています。


一本のバラに、こんなに奥深いドラマが隠されていたんですね。


みなさんもバラをご覧になる機会がありましたら、ぜひ「ピース」を探してみてくださいね。


やわらかく、力強く、そして美しく咲くその姿が、とても大切なことを教えてくれると思います。


very merry 青空

10月 11th, 2010

みなさんこんにちは*(・ω・*)

からりと晴れた三連休の最終日、いかがお過ごしでしょうか。


たまったお洗濯物が一気に乾いて、お母さん方の顔もきっと晴れやかに

なったことと思います。


予科練平和記念館にも、たくさんのお客様がお見えになりました。

今日は小さいお子さんを連れた若いご夫婦をよくお見かけしました。


お隣の公園では元気なちびっこたちが遊んでいます。

みんな晴れを待っていたかのようです。



お昼ごろ、公園で遊んでいた売店スタッフのお子さん二人が

つやつやしたほっぺをにこにこさせてやってきました。

遊んでいて暑くなったので、お母さんのところにやってきたようです。

元気に遊ぶ子どもの姿は、見ていて本当にほほえましいものです。



私事ですが、先日友人の結婚式に参列しました。

その時の彼女の幸せそうな笑顔が、今日の澄みわたる青空のように

晴れやかで美しくて、見ているだけでとっても幸せな気持ちになりました。


人と人との出会いはとても不思議で、笑顔や幸せはどんどん伝播していくものなのだなぁと

思った一日でした。


予科練平和記念館へお越しくださるお客様も、何かしらの不思議なご縁があって

いらっしゃるのだと思いますので、

これからも、ご来館くださるお客様お一人お一人を大切にお迎えしていければと

思います。


良き日に新しい門出を迎えたおふたりに。

気がつけば青空のような笑顔がいつも側にありますように。

そして特大サイズのHappy☆な日々がいつまでも続きますように。


末永いお幸せをお祈りしております(*^^)//。・:*:・°’★,。・:*:♪・°


そして、

今世界中で生きているたくさんの人たちにも、このブログを読んでくださっているあなたにも☆



今日の一日

10月 3rd, 2010

みなさんこんにちは☆

今日は第43回予科練戦没者慰霊祭が、お隣の陸上自衛隊

土浦駐屯地、もとの土浦海軍航空隊内で行なわれました。


お天気が心配されていましたが、きれいな秋晴れとなりました。

高い空の下で、元予科練生のみなさんはどんなことを思われていたのでしょうか。


予科練平和記念館も慰霊祭にともなって入館無料となり、

1,000人を超すたくさんのお客様がご来館くださいました。



午後2時からは、近くのかすみ公民館多目的ホールで、茨城県立竹園高校演劇部による

劇『白雲ととどまりて』の公演がありました。


予科練平和記念館を舞台に、過去と現在が交錯しながら

戦争とは、平和とは何かを問いかける内容の劇で、生徒さんたちは実際に

予科練平和記念館を見学したり、元予科練生のお話しを聞いたりして

役作りをなさっていました。


生徒さんたちは、今日も朝早くから集まっていたようで、

予科練生役の男の子は、何度も最後のシーンの練習をしていました。


開演前、舞台の裏に待機していた私からは、舞台の上で幕が上がるのを待っている

生徒さんたちの姿がよく見えました。


みんな緊張した面持ちで、幕が上がるのをじっと待っています。

つられて私までちょっと緊張してしまいました。


それでも幕があがれば、皆りっぱな役者さんです。

緊張する心をぐっとこらえ、たくさんのお客様の前でのびのびと演技します。



この三人は、予科練平和記念館を見に来た女子高生たちです。

あたりまえのように今の平和を享受している私たちの

象徴のような存在です。



左のカップルは、モールス信号でおしゃべりできる不思議なふたりです。



車椅子の老婆が少女だったころ、日本は戦争をしていました。

お兄さんは予科練に入り、とうとう特攻隊員になります。


現在の予科練平和記念館でお兄さんの遺書を見つけ、

涙する老婆を見て、女子高生は考えます。

自分と同じ年頃の少年たちが、どうして死なねばならなかったのか。

戦争って、なんなのか。



老婆のお兄さんは、特攻出撃前に語ります。

「生きて帰れなくてごめん。」


「生きて帰る」という約束を守れなかった妹=老婆へ

直接伝えることができなかった言葉です。


悲しさと、言葉にできない思いを胸に秘めて、

家族への最後の言葉を語る、一番の見せ場です。

予科練生の役を演じた生徒さんはとってもすがすがしいいい声をしていて、

坊主頭も似合っていました。


無事に舞台を終えた生徒さんたちは、晴れ晴れとした顔でカーテンコールに出てきました。

会場からもたくさんの拍手があがり、生徒さんたちをねぎらいます。




本当に一生懸命、緊張する自分と向かい合って演じきった役者さんたちです。

一生懸命と一生懸命がぶつかりあって、

それぞれが、きらり、きらりと光るすばらしい演技をしていました。


今日の経験がまた皆さんの栄養となり、次の舞台でも大きな花が咲くことと思います。

竹園高校演劇部のみなさん、本当にすばらしい舞台をありがとうございました。

ますますのご活躍を期待しています。


ちなみに、舞台の大道具を運んでくださったのは、

元予科練生の運送会社さんでした。

大変お世話になりました。



演劇のあとは、昭和18(1943)年に公開された映画「決戦の大空へ」を上映しました。

こちらにもたくさんのお客様がいらっしゃり、67年前の少年たちの心をとらえ、

予科練にあこがれるきっかけとなった映画を熱心にご覧になっていました。

ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。


そして今日の予定が全て終り、後片付けをしてかすみ公民館を出ると、

日が暮れた後のうすやみの中に、甘い金木犀の香りがただよっていました。

胸いっぱいに吸い込むと、一日疲れたからだの細胞一つ一つに、

じんわりと優しさが染みていくようで、


ふと、たくさんの人たちの力で物事というのは動いていくんだなぁと思いました。


今日はなんだかいろんなことに気づけた一日になりました。

みなさんにとって今日は、どんな一日でしたか?


竹園高校演劇部公演間近!

10月 2nd, 2010

みなさんこんにちは(^^)/

今日も秋晴れの予科練平和記念館です。


 さて、明日10月3日は、近くのかすみ公民館で、

竹園高校演劇部による劇「白雲ととどまりて」が上演されます。


 今日はその準備で、午後からかすみ公民館の多目的ホールは

大道具を運んだり、照明を合わせたりする高校生たちのにぎやかな声であふれていました。


 以前、県南生涯学習センターで公演をしたときと勝手が違う舞台で

いろいろと難しいところもあるようですが、

いい舞台をつくるためにみんな一生懸命です。


 2時間近くかけて照明や大道具の位置などを決めました。

かすみ公民館の職員Nさんが大活躍です。

スポットライトのしぼりの大きさ、位置などを調整しています。



照明から音響まで、Nさん頑張ってくださいました。


そしてリハーサル。本番と同じように全編通して行ないました。

開演の幕が上がるまで、緞帳の裏で息をひそめて出番を待っている

生徒さんたちの緊張がこちらまで伝わってくるようです。


でも、お芝居の幕が上がれば、そこはもう生徒さんたちが作り出した世界。

現在の予科練平和記念館と過去の世界が交錯し、観ている人に様々に問いかけてきます。

平和とは?戦争とは?今を生きているとは?


高校生が全身で演じ、作り上げる世界にいつのまにかひきこまれ、

気が付いたら涙が出ていました。


リハーサルが終わると、皆で集まって意見交換をします。

写真がちょっとぼけてしまいましたが、終わってほっとしている感じと、

新たに出てきた課題に向かい合っている雰囲気が伝わるでしょうか?



いよいよ明日が本番です。

今日の夕暮れ時の空には、サーモンピンクの綺麗な夕焼け雲が浮んでいました。

ふと、明日はきっと大丈夫!きっとうまくいく!と思いました。


生徒さんたちは、もしかしたら今この時もとっても緊張しているかもしれませんが、

今まで一生懸命練習してきた自分を信じて、仲間を信じて、

明日は最高の舞台を見せてくれることと思います。


たくさんの方に観ていただきたい舞台です。

みなさんもぜひご覧ください。

そして一生懸命な生徒さんたちを応援にいらしてくださいね。



■■■演劇鑑賞会『白雲ととどまりて』
 日時:平成22年10月3日(日)
    13:30開場 14:00開演 (約1時間)

 場所:阿見町かすみ公民館多目的ホール
    (茨城県稲敷郡阿見町阿見2083-2 029-888-8111)

 入場:無料


※     16:00より、映画『決戦の大空へ』を同じ場所で上映いたします。

昭和18(1943)年に公開され、当時の少年たちが予科練にあこがれるきっかけとなった

映画です。こちらもぜひご覧ください。(入場無料)

予科練平和記念館も入館無料です。




秋の訪れ

9月 29th, 2010

みなさんこんにちは(。・ω・。)ノ

昨日とうってかわって、気持ちのいい秋晴れの

予科練平和記念館です。



空が高くて、とっても気持ちがいいです*。(*´Д`)。*°

明日からはまた下り坂のようですので、今日のお天気を楽しみたいですね。



さて、先日(9月20日)のブログで館のまわりに出現した

謎のホコリタケをご紹介しましたが、

またまた謎の新入りが生えてきました↓↓



・・・どちら様・・・ですか・・・(・・?)?


困ったときの展示解説員Hさん!と思い、Hさんに見てもらったところ、

シバタケか?キツネタケか?ネズミタケか?といろいろ考えてくださったのち、

「・・・謎のきのこですね」との回答が。


ちゃくちゃくと家族を増やしつつある謎のきのこたち。

予科練平和記念館がきのこの楽園になる日も遠くないかもしれません。



そして秋といえば赤とんぼ。

最近あまり見かけないな、と思っていましたが、

今日は幸運にも、どこからかすっと飛んできて目の前のロープに止まりました。

驚かせないように、そっと激写します。



とってもきれいな赤い色をしています。

赤とんぼって、調べてみたら赤い色をしているとんぼの総称なんですねΣ(・ω・ノ)ノ!

ゆうやけこやけの頃に、こんなきれいな赤とんぼが飛んでいたら、なんとなく遠い目を

してしまいそうです。



最近の急な寒さで、初鍋を召し上がった方も多いと思います。

予科練平和記念館も、秋の気配に満ちてきました。

皆さんもご来館の折には、ぜひ秋色の服をお召しになってみてくださいね。

謎のきのこもお待ちしております。